住商株1カ月半ぶり安値、JCOM株TOBでシティ格下げ

住友商事株が続落。一時、前日比

4.1%安の970円と、1月4日(956円)以来1カ月半ぶりの安値をつ けた。実質的に2位株主の国内ケーブルテレビ最大手ジュピターテレコ ム(JCOM)への株式公開買い付け(TOB)を15日発表。シティ グループ証券は投資判断を「買い」から「中立」に下げた。

シティ証の城野俊之アナリストは16日付英文リポートで、JCO Mの潜在成長力に関する住商と市場の認識に「大きなギャップ」がある と指摘。住商はTOBによる追加出資により今後10年間で投資リター ンが10%を超えると説明したが、この予測は同証や市場のコンセンサ ス予想を上回っているとした。

東海東京調査センターの栗原英明アナリストは、住商がJCOM株 のTOBに「高いプレミアムを付けるので、ネガティブと考えた人が売 っているのだろう」と説明。ただ「住商の収益の現状からすれば1000 円割れの株価は安く、TOBで財務基盤が変わることは全くない」とも 指摘、下値は限定的としている。

住商はTOBで最大1222億円を投じ、出資比率を現在の27%超か ら最大40%に高め筆頭株主の座を確保。国内通信2位のKDDIが19 日に31.1%出資するのに対抗する。

JCOMはストップ高買い気配

JCOM株は住商によるTOB価格13万9500円にさや寄せする形 で、前日比1万5000円(16.7%)高の10万5000円とストップ高買い 気配で午前の取引を終了した。13万9500円は、KDDIが現筆頭株主 である米メディア大手リバティーグローバルから持ち株会社の買収を通 じ実質取得する価格と同じ。KDDIが拠出する額は、同社による買収 では過去最大の3617億円。KDDI株は小動きで、午前終値は同

1.9%高の50万3000円。

クレディ・スイス証券の早川仁アナリストは、住商がTOBを実施 する心理を「自分たちが苦労して育ててきたJCOMを、KDDIがな ぜ大金を積んで欲しがるのか、意図を図りかねている」と分析。「相手 の狙いが読めない中、彼らが取り得る最善の打ち手が1200億円の追加 出資で手綱を握っておくことでは」と述べている。

15日夕に会見した住商の大澤善雄常務執行役員は、JCOMをリ バティの前身企業と合弁で設立して以降、「15年間、手塩にかけて育 ててきた」と強調し、今後も「主導的な経営を続けたい」と語った。

KDDIの長尾哲副社長兼最高財務責任者(CFO)は同日午後の ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、契約上、法的には19 日の出資完了まで住商やJCOMとの協議は不可能と説明。JCOMの 「経営権やマジョリティを取るという話は一言も言っていない」とし、 あくまで出資による相乗効果を住商側との協議で追求すると強調した。

長尾氏は、ケーブルテレビ会社が電話・ネット接続・テレビ動画配 信を組み合わせた「トリプルプレイ」を展開する上で、KDDIが「コ ンテンツ(情報の内容)や電話の部分」を提供して支援可能と説明。た だ、住商の大澤氏は会見で、JCOMは「放送事業が一番のコア」であ り「KDDIの考える戦略とは違う」との認識を示した。

-- 取材協力 鈴木偉知郎 Editors: Chiaki Mochizuki、Makiko Asai

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