東京外為:ドル下落、対ユーロの上昇に行き過ぎ感くすぶる

東京外国為替市場では、午後の取 引でドルが下落幅を拡大。対ユーロでの上昇に行き過ぎ感がくすぶっ ていることから、調整に伴う売り圧力が強まった。

クレディ・スイス証券経済調査部の小笠原悟エコノミストは、全 般的なリスク回避の動きを背景に「ユーロ売り・ドル買いが進み過ぎ ていた感がある」とした上で、この日はオーストラリアの利上げ再開 観測をきっかけに持ち高調整に伴うドル売りが促されたと説明してい る。

ユーロ・ドル相場は午後の取引で一時1ユーロ=1.3664ドルと、 2営業日ぶりのドル安値を付けている。ユーロ・ドル相場の相対力指 数(RSI、14日ベース)はユーロ売り・ドル買いの過熱感を示す30 付近に張り付いて推移している。ユーロ・円相場は一時、122円78銭 の円安値をつけた。

ただ、小笠原氏は、ギリシャの債務問題をめぐっては、具体的な 対策がまだ示されていないとして、「ユーロ圏の財政赤字懸念は当面払 しょくされない」とも言い、ユーロの上値は重いとみている。

一方、ドル・円相場は対ユーロでのドル売りが波及する格好とな り、一時1ドル=89円72銭と、2営業日ぶりの水準までドル安・円 高が進んだ。市場では15日に予定されていた米国債の償還がプレジデ ンツデーの祝日で延期され、この日はそれに伴うドル売り・円買い需 要が観測されたとの指摘も聞かれている。

豪議事録

この日の午前には、豪準備銀行(RBA)が2日に開いた金融政 策決定会合の議事録を公表。同会合では、市場の利上げ予想に反して 政策金利が据え置かれたが、議事録では、欧州のソブリン債のリスク が世界の景気回復を鈍化させるとの懸念が背景にあったとの見解が示 されている。

その上で、議事録では「経済状況が予想通り改善を続ければ、政 策金利の追加的な引き上げが必要となる公算は大きいと、金融政策決 定会合のメンバーは予想していた」と指摘されている。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の酒井聡彦営業推進役は、「外部要 因」による利上げ見送りだったことが確認され、潜在的には利上げの 可能性が残っていると説明している。

一方、日本銀行はあすから2日間の日程で政策決定会合を開くが、 ブルームバーグ・ニュースが有力日銀ウォッチャー16人を対象に行っ た調査によると、大勢が現状維持を予想している。

午前の取引では対豪ドルで円売りが先行。午後には一時1豪ドル =80円43銭と、2営業日ぶりの円安値を付けた。

ギリシャ救済は混迷か

ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相は15日、自国が「ひどい 混乱状態」にあり、財政再建は「タイタニック号の進路」を変えるよ うなものだと語った。ギリシャの10年物国債利回りは上昇し、ドイツ の10年物国債利回りとの格差が拡大している。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は15日、ブリュッセルで 会合を開き、ギリシャの財政健全化計画を検討。議長を務めるユンケ ル・ルクセンブルク首相兼国庫相は記者団に、「ギリシャが2010年に 赤字を4ポイント縮小できることを確実にしなければならない。これ が可能かどうかを精査しなければならない」と述べた。

ギリシャは3月16日に財政再建の実施状況の報告書を提出する 予定だが、ユンケル首相は、ギリシャ政府が3月半ばの目標達成に向 けて順調に進まない場合、ギリシャに「追加措置を求めるだろう」と の考えを示している。

そうした中、この日は欧州連合(EU)加盟27カ国の財務相会合 が開かれるほか、ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が2月の 景況感指数(期待指数)を発表する。市場では引き続きユーロ圏発の 材料に警戒感が残るとみられる。

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