日本株小反発、ギリシャ不安和らぎ景気敏感や空運上昇-値幅今年最小

東京株式相場は小幅に反発した。 ギリシャの財政赤字問題について、欧州連合(EU)が追加措置を提案 する用意があるとの意向を示し、同問題に対する懸念がやや和らいだ。 石油などの資源、海運、輸送用機器といった景気敏感業種が上昇。シテ ィグループ証券が格上げした全日本空輸を中心に空運株も高い。

ただ、旧正月(春節)入りに伴い、中国などアジア市場の多くが休 場、3連休明けの米国市場の動向も見極めたいとして投資家の様子見姿 勢は強く、前日に続きこの日も積極的な売り買いは手控えられた。

日経平均株価の終値は前日比20円95銭(0.2%)高の1万34円 25銭、TOPIXは同1.70ポイント(0.2%)高の885.17。日経平均 の日中値幅(高値から安値を引いた値)は43円と、2月3日の約80円 を抜き、今年最小を記録した。

みずほ投信投資顧問の有村秀夫シニア・ファンドマネジャーによる と、「欧州ではスペインやポルトガル、アイルランドなどで財政不安が 残るものの、目先最も注目されていたギリシャでいったん不安が緩んだ ことで、ベータ値の高い海運など景気敏感業種が買われた」という。

ユーロ圏の財務相会合が、15-16日の日程でベルギーのブリュッ セルで開催されている。15日にはEUの行政執行機関、欧州委員会の レーン委員が、EUとして必要ならギリシャ向けの追加措置を提案する 用意があると発言。また、ユーロ圏財務相会合のユンケル議長(ルクセ ンブルク首相兼国庫相)は同日、金融市場がギリシャを破壊できると考 えるなら、重大な誤りとの認識を示した。

15日の欧州株式相場が総じて上昇したことも、積極的な売買材料 を欠いた東京市場にとっては支援材料になった。西欧市場では17カ国 中、11市場で主要株価指数が上昇。米国市場は同日、プレジデント・ デーの祝日のため休場だった。

1万円意識し下値買い、上値には中国警戒感

欧州不安の後退を受け、新日鉱ホールディングスなどの資源関連株 が上昇。商船三井など海運株、ホンダなど自動車株も高い。マネックス 証券の金山敏之マーケット・アナリストは、日経平均が心理的節目の1 万円に接近する中、「ギリシャの過度な信用不安が後退する可能性が高 まりつつあることを背景に、一段の下値は限られるとの見方から押し目 買いが入った」と見ていた。1万円付近には、昨年6月以降の下値支持 線となっている200日移動平均線(9972円)も位置する。

ただ、中国の金融引き締め行動を受け、春節明けの中国株が大きく 下げる可能性もあり、「リスクはとりにくい」と、SMBCフレンド証 券投資情報部の中西文行ストラテジストは言う。市場全体の売買代金シ ェアの5割超を占める外国人投資家を中心に、「市場参加者が細ってお り、買いの勢いは鈍い」と話すのは、丸三証券の牛尾貴投資情報部長。 取引終了にかけては、為替相場が円高・ドル安方向に動いたことをきっ かけに、先物主導で上げ幅を急速に縮める場面があった。

連日の薄商い

東証1部売買高は概算14億1633万株、売買代金は8415億円で、 ともに大発会の1月4日以来の低水準となった前日をさらに下回った。 値上がり銘柄数は756、値下がりは714。業種別33指数は空運、石油・ 石炭製品、海運、陸運、輸送用機器、鉱業、情報・通信、証券・商品先 物取引など21業種が上昇、その他金融、繊維製品、ゴム製品、小売な ど12業種が安い。

個別では、得意分野の地方衛星都市を中心とした分譲マンション事 業に特化し、今期(2010年12月期)の連結最終損益が黒字転換する見 通しと発表したサンシティが急伸し、東証1部の値上がり率トップ。10 年12月期の連結純利益が増益に転じる見通しのパシフィックゴルフグ ループインターナショナルホールディングス、山口県の宇部工場にリチ ウムイオン二次電池用電解液プラントを新設する、と発表したセントラ ル硝子も大幅高。

半面、アコム、プロミスなど消費者金融株が東証1部の下落率上位 に入る。シティグループ証券が同業界の投資判断を「弱気」に引き下げ たことが売り材料視された。10年12月期業績計画が市場の事前予想を 下回った堀場製作所、90億円の転換社債型新株予権付社債(CB)を 発行すると発表したリサ・パートナーズも急落。

JCOMとジェイコム

住友商事も下落。KDDIに対抗し、ジュピターテレコム(JCO M)に株式公開買い付け(TOB)を実施すると15日発表、筆頭株主 の座を確保する考えを示したが、財務負担が懸念された。TOB価格に さや寄せする形で、ジャスダック市場に上場するJCOM株はストップ 高(値幅制限いっぱいの上昇)。一方、東証1部のジェイコムホールデ ィングスが朝方に急騰する場面があった。JCOMと間違えた一部の投 資家が、誤って買いを入れたとの観測が出ていた。

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前日比1.2%高の50.08、 東証マザーズ指数は0.1%安の388.60、大証ヘラクレス指数は0.2%安 の558.15と高安まちまち。個別では、三菱UFJ証券が投資判断を 「1(強い買い推奨)」に引き上げたベルパークが大幅高。インテリジ ェント ウェイブ、グリー、キャンバスも高い。半面、第一精工、フリ ービットが下げ、スカイマーク、ガンホー・オンライン・エンターテイ メントは大幅安。

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