KDDI副社長:JCOM出資は予定通り-住商筆頭でも

国内通信2位KDDIの長尾哲副社 長兼最高財務責任者(CFO)は、ケーブルテレビ国内最大手ジュピタ ーテレコム(JCOM)第2位株主である住友商事が株式公開買い付け (TOB)を通じ筆頭株主を目指すと発表した点に関連し、経営権には こだわらず、出資を予定通り実施する意向を示した。

15日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、筆頭株主 になれない状況でJCOM出資から手を引く選択肢があり得るかとの 問いに長尾氏は、「現時点でそれはない」と明言した。KDDIは19 日に31.1%を出資する予定。住商は3-4月のTOBで出資比率を 40%に高める方針だ。

1月25日に出資を発表した翌日のKDDI株価は急落。市場では 理由として、将来的にはJCOM株の50%以上を持つと予想され追加 拠出が必要になるとの見方や、今回出資にKDDIが過去最大の3617 億円を支払うにもかかわらず、効果の説明が不十分との指摘が出た。

長尾氏は契約上、19日の出資手続き完了まで住商やJCOMとの 協議は不可能だと強調。KDDIがJCOMの「経営権やマジョリティ を取るという話は一言も言っていない」とした上で、あくまで出資によ る相乗効果を住商側との協議で追求していく意向を強調した。

通信拠点と契約世帯を結ぶ「アクセス網」で圧倒的な強みを持つ国 内通信最大手NTTが電話・ネット接続・動画配信を組み合わせた「ト リプルプレイ」でケーブルテレビ会社の顧客基盤を攻めている中、KD DIは「コンテンツ(情報の内容)や電話の部分」を提供して、ケーブ ル会社を支援可能だと語った。

株主に理解求める

長尾氏はKDDIの株主に対しては、今回出資の「ベネフィットを 理解してもらうよう努めたい」と話した。

住商によるTOB価格は1株当たり13万9500円と、KDDIが米 メディア大手リバティーグローバルから株式を実質取得する水準と同 じ。TOB期間は3月3日から4月14日まで。

KDDIは1月の出資発表時には、リバティが持つJCOM株

37.8%の全てを実質取得するとしていた。その後、上場企業株式の3分 の1以上の取得にはTOBが必要と金融庁から指摘を受け、12日に計 画を修正。18日にリバティが株式のうち6.7%をみずほ信託銀行に譲渡 することで、出資比率を31.1%に抑える。

JCOM融資、借り換えへ

長尾氏はJCOMへの資本参加に、同社による買収では過去最大の 3617億円を投じることについて「資産査定した範囲のほぼ真ん中」と して、「過去のM&A(企業の合併・買収)の例からすれば、単価的に 飛び抜けて高いわけではない」と説明した。

KDDIは2000年10月に不採算の3社が合併して発足。01年3 月末で2兆975億円もの有利子負債残高を抱えていたが、携帯事業の好 調などで07年末には5087億円まで削減。その後、旧本社ビルなどの買 い戻しに必要な資金調達を行ったことを主因として昨年末に8338億円 まで増えていた。長尾氏によると、3617億円は19日の取引完了までに 短期のつなぎ融資で借り入れる予定。

有利子負債はJCOM出資の3617億円が加わると、1兆2000億円 弱まで増える。しかし長尾氏は、バランスシートを大きく傷つける水準 ではないと説明。今後については市場環境などの「タイミングを見なが ら、長期への借り換えや社債発行などを考える」と語った。

--取材協力 Pavel Alpeyev  Editors: Chiaki Mochizuki

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