BHPとヴァーレ:鉄鉱石のスポット価格高騰、年次契約価格に反映を

世界最大の鉱山会社、英・オース トラリア系BHPビリトンとブラジルのヴァーレは、鉄鉱石の年次価格 にスポット市場の価格水準を反映させるよう強く求めている。鉄鉱石の スポット価格は現在、昨年の指標価格の約2倍の水準となっている。

BHPのマリウス・クロッパース最高経営責任者(CEO)は14 日、オーストラリア放送協会(ABC)の番組「インサイド・ビジネ ス」で「指標価格は市場価格と同水準であるべきだ」と指摘。「そう考 えた場合、価格に関する合意がどうなるか分からない。分かっている のは、現行価格が昨年の指標価格のほぼ2倍の水準にあるということ だ。昨年の指標価格は金融危機のどん底で設定された」と述べた。

中国鋼鉄工業協会(CISA)は先週、鉄鋼メーカーとBHPや英 豪系リオ・ティントなど鉄鉱石供給会社との間の2010年度の価格交渉 が始まったことを明らかにした。野村ホールディングスと米銀バンク・ オブ・アメリカ(BOA)は、指標価格システムへの依存度軽減を狙う 生産各社が最大50%の値上げを獲得する可能性があるとみている。

スチール・マーケット・インテリジェンス(シカゴ)のマネジング パートナー、ミシェル・アップルボーム氏は電子メールで「われわれの 見方では、中国は苦しい立場に立っている。大量の鉄鉱石を必要として いるが、それを確保するためにはそれなりの金額を支払う必要があるだ ろう」との見方を示した。

UC361ドット・コムのアナリスト、フー・カイ氏は先週、鉄鋼メ ーカーの話として、BHPと一部の中国の鉄鋼メーカーは、鉄鉱石価格 を暫定的に40%引き上げることで合意したと指摘した。

ブルームバーグ・ニュースは12日、BHPの広報担当者、サマン サ・エバンス氏(メルボルン在勤)に連絡を取ったが、コメントを控え た。

「価格の新たな現実」

世界最大の鉄鉱石生産会社、ヴァーレの鉄・鉱物部門ディレクタ ー、ジョゼ・カルロス・マルチンス氏は11日、アナリストとの電話会議 で、顧客企業は「価格に関する新たな現実を受け入れる必要がある」と の見通しを示し、「当社の顧客企業が指標価格に固執するのなら、スポ ット価格に近い水準を受け入れる必要があるだろう」と述べた。

南京鋼鉄連合のヤン・スーミン会長は5日、生産能力過剰と原材料 価格が高水準にあることから、中国の鉄鋼メーカーの主要事業は「ほと んど利益が出ない状態だ」と指摘している。

業界データ提供会社のスチール・インデックスによると、価格が 40%引き上げられれば、豪州産鉄鉱石は、現在の1トン当たり約60ド ルから約84ドルに上昇する見込みだ。運賃と保険費用を含めた現物価 格は12日時点で128.20ドルだった。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の商品担当シニ アストラテジスト、マーク・パーバン氏(メルボルン在勤)は、ヴァー レやBHP、鉄鉱石輸出で2位のリオ・ティントによる値上げ幅は、鉄 鋼価格の上昇鈍化により抑制される可能性が高いとみている。40%の値 上げを予想した上で、「上昇リスク」はあるとの見方を示した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE