日本株は反落、中国懸念で自動車や資源に売り-米中休場で売買低水準

東京株式相場は3営業日ぶりに反 落。中国人民銀行が2カ月連続で預金準備率を引き上げ、中国の金融引 き締めで世界的な景気回復が阻害されると警戒された。海外景気動向の 影響を受けやすいトヨタ自動車を中心に自動車株が安く、ガラス・土石 製品、鉄鋼株も下落。国際商品相場の下落を嫌気し、非鉄金属や商社株 も安い。

日経平均株価の終値は前週末比78円89銭(0.8%)安の1万13円 30銭、TOPIXは同8.69ポイント(1%)安の883.47。両指数とも この日の安値圏で終えた。

MDAMアセットマネジメントの植草博幸トレーディング部長は、 欧州の財政悪化や米国の金融規制強化で投資家がリスクを取りにくくな るなか、「中国、インドといった新興国が金融緩和の出口戦略に動き始 め、昨春以降続いた世界的な過剰流動性相場も転換点を迎えている。リ スク資産の株は売られやすい」との認識を示した。

もっとも、旧正月(春節)入りに伴い、中国をはじめアジア市場の 多くが休場入りし、米国も15日はプレジデンツデーの祝日で休場。海 外勢を中心に東京市場の参加者も様子見姿勢が強く、積極的な売り買い は手控えられた。東証1部の売買代金は9702億円と、大発会の1月4 日(7080億円)以来、1カ月半ぶりの低水準。売買高も16億7961万 株と、大発会以来の少なさだった。

野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストによると、 米中市場の休場に加え、国内企業の四半期決算発表も一巡し、「外国人 投資家が完全に様子見モードに入っていた」という。

中国引き締め、長期プラスも短期ネガティブ

中国人民銀行(中央銀行)が12日にウェブサイトに掲載した資料 によると、預金準備率は50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 引き上げられ、25日から適用する。人民銀は1月12日にも、08年6月 以来となる預金準備率の引き上げを発表しており、引き上げは2カ月連 続。同国景気が過熱する中、資産バブルの回避やインフレ抑制を狙う。

東洋証券情報部の大塚竜太部長は、「ミニバブルの様相にある中国 での金融引き締めは過熱防止に役立ち、長期的には世界経済にとってプ ラス」としながらも、短期的には「中国の経済成長が一時的に弱まるこ とが意識されやすく、目先の株式相場ではネガティブ」と見る。

世界経済減速による収益環境の悪化が警戒され、トヨタや日産自動 車などが売られ、東証輸送用機器指数はTOPIXの押し下げ寄与度1 位だった。コマツ、日立建機といった建機株も安い。このほか、住友大 阪セメントや日本電気硝子などガラス・土石製品が下げ、JFEホール ディングスなど鉄鋼株も下落。

世界2位のエネルギー消費国の中国が景気拡大抑制策に動いたこと を材料に、12日のニューヨーク商業取引所で原油先物が下落。銅や金 先物も下げたことが嫌気され、三菱商事、住友金属鉱山、コスモ石油な ど資源関連株も安い。

GDP上振れも力不足

一方、内閣府がこの日午前8時50分に発表した昨年10-12月期の 日本の国内総生産(GDP)1次速報値は、前期比年率4.6%増と3四 半期連続でプラス成長となった。ブルームバーグ・ニュースのエコノミ スト調査による予想中央値、3.6%増を上回った。世界経済の回復に伴 う輸出の拡大や政府の経済対策の延長による個人消費の増加に加え、設 備投資の増加も寄与した。

東洋証の大塚氏は、GDP統計について「経済の2大エンジンであ る個人消費と設備投資がそろって前期比プラスとなったほか、デフレの 象徴とされる名目成長率のマイナスもひとまず脱却できたことは評価に 値する」と話した。朝方は同統計の上振れを好感した買いもあったが、 GDPは過去の数字であり、相場を持続的に支えるには力不足だった。

東証1部の値下がり銘柄数が1030、値上がりは484。業種別指数は 30業種が下落、上昇は水産・農林、金属製品、空運の3業種。

新生銀や近鉄に売り、川崎船が上昇

個別では、あおぞら銀行との合併断念報道を受けた新生銀行が、経 営の先行き不透明感が広がり急落。太陽光発電の需要取り込みが伸びず に、2010年3月期の業績予想を下方修正したサニックスも大幅安。四 半期報告書の提出が遅れ、東証から監理銘柄に指定されたアイロムホー ルディングス、近畿日本鉄道も東証1部の値下がり率上位に並ぶ。この ほか、転換社債型新株予約権付社債(CB)300億円を発行すると12 日に発表した日本ハムも安い。

半面、最大346億円の公募増資を実施する川崎汽船は、調達資金で の設備投資による将来の事業成長を期待した買いが優勢となった。デジ カメや携帯電話向け電子部品の売り上げ好調を受け、10年3月期の連 結業績予想を上方修正したほか、自社株買い実施方針も示したUKCホ ールディングスが急伸。会員権の販売が伸び10年3月期の業績と配当 計画を増額修正したリゾートトラスト、自動車座席の受注が国内外で回 復し、10年3月期業績予想を上方修正したタチエスも大幅高。

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前週末比1%安の49.50、 東証マザーズ指数は0.9%安の389.06、大証ヘラクレス指数は0.2%安 の559.06とそろって下げた。個別では、今期(10年12月期)業績予 想を公表せず、利益成長に対する不透明感から楽天が大幅安。ジュピタ ーテレコム、サイバーエージェント、グリー、ミクシィも安い。半面、 ACCESS、エイチアイ、ヴィレッジヴァンガード、ガーラ、ケイブ が上昇。

-- Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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