【今週の債券】長期金利1.3%前半か、5年入札後に低下圧力との見方

今週の債券市場で、長期金利は1.3% 台前半を中心に推移するとの予想が多い。昨年10-12月期の実質国内 総生産(GDP)は3期連続でプラス成長が見込まれているが、景気 の先行き不安から現状の低金利政策が継続するとの観測が根強い。5 年国債入札の通過後には金利に低下圧力がかかるとの声もある。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、今週の長期 金利について「1.3%台前半のレンジになる」と予想する。その上で、 「16日の5年債入札の通過後に、新発10年債利回りが一時的に1.3% を下回る場面もありそうだ」との見方も示した。

長期金利の指標とされる新発10年債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが12日までに市場参加者4人から聞いた今週の予想レ ンジは全体で1.28%から1.38%となった。前週末の終値は1.325%。

前週の長期金利は1.3%台半ばから前半に低下した。8日につけ た1.365%が週間の最高水準となり、その後は徐々に水準を切り下げ、 10日には1日以来の低水準となる1.325%まで低下した。しかし、欧 州連合(EU)首脳会合が財政難に陥ったギリシャの支援で合意した ことを受けて世界的な株高傾向となったことで、12日には小幅上昇す る場面があった。

引き続きギリシャ支援問題が注目だ。15日にユーロ圏の財務相会 合、16日にはEU財務相理事会が開催される。両会合の内容によって は「質への逃避」が加速し債券買いにつながる可能性がある。岡三ア セットマネジメントの山田氏は「ギリシャへの支援策が具体化しない ようだと、質への逃避の動きから国債は買われやすくなる」という。

GDP統計

一方、15日に昨年10-12月期の日本の実質GDPが発表される。 ブルームバーグ調査では前期比0.9%増(年率換算3.5%増)となる見 通し。みずほインベスターズ証券の落合昂二シニアマーケットエコノ ミストは「前期比年率で3%台半ばが見込まれているが、ほぼ織り込 み済みで市場への影響は限定的」とみている。

日銀が17、18日に開催する金融政策決定会合も、「今のところ政 策変更の可能性は極めて低い」と落合氏は指摘し、予想通りの結果で あれば相場の反応は鈍いという。

5年債入札、無難との見方

16日には5年利付国債の入札が実施される。前週末の入札前取引 では0.515%で推移しており、表面利率(クーポン)は前回債と据え 置きの0.5%が有力。0.5%で決まれば、昨年12月と前月に発行され た87回債と銘柄統合されるリオープン発行となる。発行額は2兆4000 億円程度。

今回の5年債入札について、市場では無難になるとの見方が多い。 景気の先行き不安から、日銀が金融緩和を継続するとの見方が根強く、 投資家の需要が見込まれるためだ。シティグループ証券の佐野一彦チ ーフストラテジストは「5年債入札では、3回続けて87回債となるこ とが濃厚だ。発行総額は7兆円超となるが、今後の金融政策の行方を 考えると、最終的には0.5%クーポンで価格が100円以下の水準は魅 力的に映る」という。

みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストも入札につい て、「再び87回債のリオープン発行となっても、消化に問題はないだ ろう」とみている。

市場参加者の予想レンジとコメント

12日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の 通り。先物は中心限月の3月物、新発10年債利回りは305回債。

◎パインブリッジ・インベストメンツの松川忠債券運用第二部長

先物3月物139円10銭-139円80銭

新発10年債利回り=1.29%-1.36%

「5年入札後に金利は低下方向。銀行の買いで10年債の需給が改 善する中、先物にはファンドの売りが出ているが、来月に限月交代を 控えて潜在的な買い戻し圧力もある。今月末は保有債券を長期化する 需要が大きく、需給は良くなる方向。ユーロ安を背景とした円高も相 場を支える。米国金利の上昇やドル高・円安が進む場合は注意が必要」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物3月物138円80銭-139円80銭

新発10年債利回り=1.28%-1.38%

「10年債は1.3%台前半のレンジか。GDPが強めに出てくれば 週初は買いにくさが意識されるが、現物債を売り込むほどの材料には ならない。むしろ、ギリシャへの支援策が具体化してこないようだと、 質への逃避の動きから国債は買われやすくなる。5年債入札の通過後 に10年債利回りが一時的に1.3%を下回る場面もありそうだ」

◎みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリスト

先物3月物139円00銭-139円65銭

新発10年債利回り=1.31%-1.36%

「債券は堅調地合いが続くとみる。ギリシャ問題に関するEUの 姿勢は歯切れが悪く、為替がユーロ安・円高に動く可能性を残す。先 週は強めの経済統計に対する反応が鈍るなど市場のムードが変わって おり、GDPが下振れた場合には金利低下の余地が広がる。5年債入 札で87回債が再びリオープン発行となっても消化に問題はない」

◎トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジスト

先物3月物139円00銭-139円75銭

新発10年債利回り=1.30%-1.38%

「レンジ相場。株式市場が落ち着いてきており、市場の目線がフ ァンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に戻る。国内ではデフレ長 期化と財政プレミアム(金利上乗せ)の両方の懸念が相場の好悪材料 として引っ張り合い、上値も下値も限られる。5年入札は、購入主体 の銀行が貸出減少で余剰資金が潤沢とみられ、波乱要因にはならない」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors:Norihiko Kosaka,Kazu Hirano

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 山中英典 Hidenori Yamanaka +81-3-3201-8347 h.y@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先:

大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift +81-3-3201-2078 or rswift5@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE