2月12日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し3日続落。 ギリシャのデフォルト(債務不履行)回避に向けた欧州連合(E U)の取り組みは域内経済の重しになるとの懸念がユーロ売りに つながった。EU統計局がこの日発表した2009年10-12月のユ ーロ圏実質GDP(域内総生産)速報値は前期比0.1%増にとどま り、ユーロ圏経済への悲観を強めた。

ユーロは対ドルで、週間ベースでは5週続落と、約1年ぶり の長期下落局面となる。ユーロ圏GDPの増加率は市場予想を下 回った。ブラジル・レアルはドルに対し1週間で最大の下げ。中 国が過熱する景気を冷ますため、預金準備率の引き上げを決めた ことに反応した。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの為替グループのマネ ジングディレクター、サマルジット・シャンカー氏(ボストン在 勤)は「市場は救済を望んでいる」と指摘。「必然的に欧州域内 の貿易の多くは、ユーロ圏周辺部の混乱から影響を受けることに なり、それはユーロにとってマイナスだ」と述べた。

ユーロはドルに対し一時、前日比1.2%安の1ユーロ=

1.3532ドルと、昨年5月19日以来の安値を付けた。ニューヨー ク時間午後4時12分現在は1.3619ドル。対円では1ユーロ=122 円55銭に下げた(前日は122円90銭)。円はドルに対し値下が りし、1ドル=89円98銭(前日は89円77銭)。

第4四半期のユーロ圏GDP(域内総生産)速報値は、ブル ームバーグがまとめたエコノミスト調査では同0.3%増と見込まれ ていた。またこの日発表された第4四半期のドイツの実質GDP は、前期比横ばいとなった。

具体的な支援策

ブラジル・レアルはドルに対し一時1.6%安の1ドル=1.8732 レアルと、4日以降で最大の下げ。中国人民銀行は、融資の伸び 加速や不動産価格の上昇を受け、ここ1カ月で2回目の預金準備 率引き上げを決めた。

11日に公表されたEU首脳会合の声明は、ギリシャの債務危 機に対する具体的な支援策を提示するには至らなかった。また、 ギリシャやスペイン、ポルトガルといった財政赤字削減に苦しむ 国の国債に対する投機的な攻撃の波が発生した場合への対応は棚 上げされた。

スイスの銀行UBSの為替ストラテジスト、ジェフリー・ユ ー氏は、「11日の声明でユーロ圏は多少時間を稼ぐことができた が、近いうち具体的に何か実施しなければ、ユーロに対する下振 れ圧力は根強く残るだろう」と指摘。GDPの数字は「ユーロ圏 の指導者に対しギリシャ問題の解決を一段と促すことになりそう だ」と述べた。

「予想に届かず」

エンジニアリングでドイツ最大手のシーメンスは、09年9月 通期に売上高全体の44%を他の欧州各国が占めた。

BNPパリバのアナリストは、12日付のリポートで「欧州経 済通貨同盟(EMU=ユーロ圏)の第4四半期GDP成長率が

0.1%にとどまり、鉱工業生産も予想に届かなかったことは、EM Uとの貿易に依存する国にとっては悪い兆しだ」と指摘。「ドイ ツは欧州の周辺部での需要急減の影響で域内各国向けの輸出が厳 しくなっていると感じている。ドイツの輸出企業には新たな輸出 先が必要だ」と記した。

◎米国株式市場

米株式相場は反落。中国が預金準備率の引き上げを決めたこと から、同国経済の成長が鈍化するとの懸念が強まった。週間ベー スではわずかながら約1カ月ぶりに上昇した。

アルミ生産最大手アルコアと複合企業ゼネラル・エレクトリ ック(GE)がいずれも下落。化学大手3Mも安い。バンク・オ ブ・アメリカ(BOA)のアナリストが同社株を「売り」に指定 したことが嫌気された。ただ、ドルがこの日の高値水準から値下 がりし、商品が下げ渋ったことから、株価の下値は限定的となっ た。

一方、テクノロジー株は高い。携帯電話メーカー米最大のモ トローラが2社への事業分割を発表したことがきっかけ。モルガ ン・キーガンが通信機器メーカー、JDSユニフェーズの買いを 推奨したことも好感された。

S&P500種株価指数は前日比0.3%安の1075.51。週間の 上昇率は約0.9%。ダウ工業株30種平均は45.05ドル(0.4%) 下落の10099.14ドル。ニューヨーク証券取引所の騰落比率は7 対5。

フェデレーテッド・インベスターズ(ニューヨーク)の株式 市場チーフストラテジスト、フィリップ・オーランド氏は「紋切 り型の反応だった」と指摘。「中国の引き締め策が行き過ぎて経 済成長の著しい縮小につながるとの懸念はあるが、それは妥当で はない。中国は同国市場からインフレの泡を一部取り除いている のであり、それはポジティブなことだ。ファンダメンタルズは改 善しているのに、市場心理が悲観的なだけだ」と述べた。

ギリシャ、中国

人民銀が12日にウェブサイトに掲載した資料によると、預金 準備率は50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げ られる。25日から適用する。現行の預金準備率は大手銀行が16%、 中小銀行は14%となっている。人民銀は1月12日に、08年6月 以来となる預金準備率の引き上げを発表していた。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、ピーター・ブックバ ー氏は顧客向けリポートで、「ギリシャという1つの火事が収ま ったとたんに、そもそも1月中旬に市場を神経質にさせた中国が 今再び燃え上がっている」と指摘。「今朝方の中国の決定に対す る市場、特に商品相場の反応は理解できるが、中国には大規模な 不動産バブルという形で表れた異常な融資の伸びを抑える以外に 選択肢はないのだ」と述べた。

商品は下落

アルコアは2.2%安。GEは1.4%値下がり。産金大手バリッ ク・ゴールドは1%下げた。金先物4月限は0.4%下落。ドルが上 昇したことから、金に売りが出た。

3Mは1.4%安。BOAメリルリンチが同社の投資判断を「ニ ュートラル(中立)」から「アンダーパフォーム」に引き下げた ことがきっかけ。

株式相場は、1月の米小売売上高が過去4カ月で3回目の増 加を示した後も下げ幅を拡大した。米商務省が発表した1月の小 売売上高(速報値)は季節調整済みで前月比0.5%増と、市場予想 を上回った。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト 予想の中央値では0.3%増が見込まれていた。前月は0.1%減(速 報値0.3%減)に修正された。

テクノロジー株は高い

S&P500種のテクノロジー株指数は0.1%高。一時は1.3% 値下がりしたものの、上げに転じ、セクター別10業種中の上昇率 トップ。

モトローラは7.5%高と、S&P500種構成銘柄の値上がり率 トップ。同社は来年に事業を2社に分割すると明らかにした。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。10年債は4日ぶりに上げた。中国が過熱す る景気を冷ますため預金準備率を引き上げたほか、ユーロ圏で域 内総生産の伸び悩みが示されると、米国債が逃避先として買われ た。

2年債利回りは1週間ぶりの大幅な下げ。中国人民銀行(中央 銀行)は、預金準備率を50ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)引き上げる。25日から適用する。

投資家の間では欧州連合(EU)によるギリシャの財政赤字縮 小支援は十分ではないとの見方が広がった。またアラブ首長国連 邦(UAE)ドバイ首長国の債券に対する保証コストが上昇、ド バイの国有投資会社ドバイ・ワールドが債務返済延期を要請した 昨年11月以来の高水準となった。

ICAP(ニュージャージー州ジャージーシティー)のブロー カー、ポール・ホーマン氏は「世界的にソブリン債をめぐる不安 が広がっており、リスク回避姿勢が目立つ。しばらく小幅レンジ で推移しているが、市場は何か次の展開が明らかになるまで国債 に買いを入れるだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨー ク時間午後4時24分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.69%。同債価格 (表面利率3.625%、償還期限2020年2月)は9/32上昇して99 15/32。利回りは先週末から12bp上昇した。

2年債利回りは0.83%。一時は6bp下げて0.81%まで下 げる場面もあった。週間ベースでは6bp上昇した。

消費者マインド指数

2月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値) は73.7と、前月の74.4から低下した。2007 年に終わりを迎え た景気拡大局面では同指数の平均値は88.9だった。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想では 75への上昇だった。

米商務省が発表した1月の小売売上高(速報値)は季節調整済 みで前月比0.5%増と、前月の0.1%減(速報値0.3%減)からプ ラスに転じた。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミス ト予想の中央値では0.3%増だった。変動の大きい自動車を除くベ ースでは0.6%増加した。

ニューエッジUSAのデリバティブ部門マネジングディレク ター、アーサー・バース氏は「この時期において小売売上高は主 要な材料ではない。地政学的な要因がより相場を左右している」 と述べた。

EUのGDP

2009年10-12月(第4四半期)のユーロ圏実質GDP(域 内総生産)速報値は前期比0.1%増加にとどまり、域内の景気回復 がほとんど滞っていることが示された。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した。ブ ルームバーグがまとめたエコノミスト34人の調査中央値では、前 期比0.3%増と予想されていた。7-9月(第3四半期)は0.4% 増加だった。

欧州連合(EU)首脳会合は前日、ギリシャに財政赤字の抑制 を命じることで合意し、今回の危機の沈静化に向けて「断固とし た」行動を取る用意があると表明した。

投資家は今月15-16日に開かれるユーロ圏財務相会合に注目 している。

バークレイズ・キャピタルの米国債券ストラレジー責任者、ア ジェイ・ラジャディアクシャ氏は、「ギリシャ問題は重要だ。そ の理由はギリシャ経済が大きいという点だけでなく、ギリシャ問 題の展開はEUがこの先ポルトガルやスペイン、その他のEU加 盟国にどのように対応するかに影響するからだ」と述べた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反落。中国人民銀行(中央銀行) が預金準備率を引き上げたことで商品と株が下げた一方、ドルが 上昇したため、金に売りが出た。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は一時0.9%上昇。ギリシャの財政問題を背景にユーロ はドルに対して下落した。S&P500種株価指数は一時1.4%安。 商品19銘柄で構成するロイター・ジェフリーズCRB指数は今週 に入り初めて下落した。

LGTキャピタル・マネジメントの商品アナリスト、バイラ ム・ディンチェル氏(チューリヒ在勤)は、「金は中国の預金準 備率引き上げとドルの上昇に反応している」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金 先物4月限は前日比4.70ドル(0.4%)安の1オンス=1090ドル ちょうどで取引を終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は5日ぶりに下落。世界2位のエネル ギー消費国である中国が景気拡大を抑制する策を取ったことを手 掛かりに売りが優勢となった。

原油は一時、バレル当たり74ドルを割り込んだ。中国人民銀 行(中央銀行)が1月に続き2回目の預金準備率引き上げを決定 したことで、ドルが買われたことが背景。エネルギー省エネルギ ー情報局(EIA)の週間在庫統計によると、原油在庫の増加幅 はアナリスト予想を上回った。

食糧やエネルギー関連の商品に投資するヘッジファンド、ラ ウンド・アース・キャピタルのパートナー、ジョン・キルダフ氏 は「あらゆる市場が今も各国中銀が提供できる限りの景気刺激策 を必要としている。この日の中国の決定は需要後退と相場下落の 前兆だ」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は 前日比1.15ドル(1.53%)安の1バレル=74.13ドルで取引を終 了。週間ベースでは5週間ぶりに上昇した。年初からは6.8%下げ ている。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は5日ぶりに下落。中国が預金準備率の引き上 げを決めたことが嫌気された。ドイツの鉄鋼最大手ティッセンク ルップやイタリア最大の石油会社Eniが予想を上回る決算を発 表したものの、相場全体の押し上げにはつながらなかった。

欧州2位の自動車メーカー、フランスのプジョーシトロエン グループ(PSA)が下落し、自動車メーカーの下げの中心とな った。中国がここ1カ月で2回目の預金準備率引き上げを決めた ことが背景。一方、ティッセンクルップやEniは上昇した。

ダウ欧州600指数は前日比0.3%安の241.02で引けた。同指 数は週間では1.5%高。

KBLリシュリュー(パリ)のアナリスト、ブノワ・ドブロ シア氏は「これは中国当局の明確な政策表明だ」と指摘。「市場 の見方からすれば、われわれが中国の成長に対して楽観的過ぎた かどうかが問題だ」と述べた。

12日の西欧市場では、18カ国のうち12カ国の主要株価指数 が下落。ダウ・ユーロ50種指数は前日比0.2%安、ダウ・欧州50 種指数0.1%値下がり。

ティッセンクルップは高い

ティッセンクルップは2.8%高。同社が発表した09年10-12 月(第1四半期)決算で、調整後利益は税引き前ベースで2億 3700万ユーロ。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均は 1億1160万ユーロだった。

Eniは1.1%高。同社の10-12月(第4四半期)決算で、 純利益は13億9000万ユーロと前年同期比29%減少したものの、 アナリスト予想平均の12億2000万ユーロを上回った。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではギリシャ国債が4日ぶりに下落。ドイツ国債 に対するプレミアム(上乗せ利回り)が拡大した。欧州連合(E U)がギリシャへの金融支援を回避するとの懸念が高まったこと が背景にある。

ギリシャ2年債は一時上昇したものの、下げに転じた。ギリ シャ政府が2009年の最初の3四半期のGDP(国内総生産)統計 を下方修正し、同国のリセッション(景気後退)が当初よりも深 刻なことが示されたことがきっかけ。ドイツのメルケル首相を含 むユーロ圏首脳らは11日、財政赤字削減に取り組んでいるギリシ ャへの支援として「断固とした協調行動を取る」と表明した一方、 融資や資金などを提供するには至らなかった。

ノムラ・インターナショナル(ロンドン)の欧州金利戦略責 任者、チャールズ・ディーベル氏は、「ギリシャ支援を表明した ことで、EUは人々が売りをやめることを期待していた。だが、 市場はこうした状況ではないと伝えているようだ」と述べ、「圧 力が強まっただけだ」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時15分現在、ギリシャ10年債利回りは 前日比16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

6.11%。週間ベースの下げ幅は50bpに縮小した。2年債利回り は5.14%と、前日からほぼ変わらず。ギリシャ10年債の独10年 債に対するプレミアムは293bpと、前日の273bpから拡大した。

一方、ドイツ国債は5日ぶりに上昇。ドイツ連邦統計庁の12 日発表で、09年10-12月期の同国GDP(国内総生産)は、事 前予想に反し、前期比横ばいとなったことが材料。エコノミスト の予想平均では、0.2%増と見込まれていた。

独10年債利回りは前日比4bp低下の3.19%。週間ベース ででは依然として7bpの上昇となった。同国債(表面利率

3.25%、2020年1月償還)価格は前日比0.36ポイント上げ100.50。 2年債利回りは1.01%と、前日を3bp下回った。

◎英国債市場

英国債相場は下落。欧州連合(EU)加盟国の首脳が今週、 域内最大の赤字を抱えるギリシャに対する支援を表明したことが きっかけ。

ギリシャ支援合意で景気回復が促進されるとの期待から、株 式相場が上昇した。FT100指数は週間ベースとしては1月8日 終了週以来のプラスとなった。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RB S)の金利ストラテジスト、ジェーソン・シンプソン氏(ロンド ン在勤)は「リスク意欲の改善と株式相場の持ち直しが英国債へ の重しとなった」と語った。

10年債利回りは4.04%。一時は4.09%まで上げた。週間ベー スでは16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。 2年債利回りは前日比1bp上昇し1.16%。1.20%まで上げる場 面もあった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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