今日の国内市況:日経平均は1万円回復、債券反落-ユーロが3日続落

東京株式相場は続伸。日経平均株 価は終値で、心理的な節目の1万円を4営業日ぶりに回復した。ギリ シャの財政問題に関して欧州連合(EU)が支援で合意したことなど を好感し、資源や輸出関連株中心に上昇。東証1部の業種別33指数の 上昇率上位は、卸売や非鉄金属などが占めた。

日経平均株価の終値は前営業日比128円20銭(1.3%)高の1万 92円19銭、TOPIXは8.66ポイント(1%)高の892.16。

日経平均は午前半ばに伸び悩む場面もあったが、午後の取引後半 にかけてじりじりと上昇。EU会合や日経225オプション2月限の特 別清算値(SQ)算出などイベントを通過し、1月15日高値からの調 整に対する下げ止まりの兆しも見えてきたようだ。

11日のEU首脳会合では、ギリシャに財政赤字の抑制を命じるこ とで合意、統一通貨ユーロにとって危機の沈静化に向け、断固とした 行動を取る用意があると表明した。同日の米国株市場や国際商品市場 はこれを好感する形で上昇。休場前の10日の日本株相場は、リスク回 避の動きから午後に伸び悩んだ経緯もあっただけに、きょうは外需依 存度の高い業種を中心に見直しの買いが優勢になった。

業種別33指数の上昇率上位に入ったのは卸売、非鉄金属、鉱業な どの資源関連株。中国のインフレが加速しなかったことで、金融引き 締めによる景気のオーバーキル(過剰に落ち込ませる)にならないと の安心感が広がった。11日に発表された中国の1月の消費者物価指数 (CPI)は前年同月比1.5%上昇と、ブルームバーグがまとめたエ コノミスト調査の予想中央値(2.1%上昇)を下回った。

東証1部の売買高は概算で20億7028万株、売買代金は同1兆 3663億円。値上がり銘柄数は1017、値下がり501。取引開始時に算出 された日経225オプション2月限のSQは1万99円59銭と、10日の 日経平均終値の9963円99銭を135円60銭上回った。

個別銘柄では、ジーエス・ユアサコーポレーションが大幅高。大 和証券キャピタル・マーケッツはGSユアサが増額修正した10年3月 期営業利益計画をさらに上回る暫定予想を示した。09年4-12月期連 結経常利益が通期計画を上回り、クレディ・スイス証券がポジティブ な印象とした太平洋セメント、10年12月期の連結営業利益は前期比 85%増を見込む旭硝子も急伸。

半面、消費者ローンの規制を強化する改正貸金業法が予定通り6 月から完全施行される公算が大きくなったと12日付の日本経済新聞 朝刊が報じ、プロミスや武富士、アイフルはそろって東証1部の下落 率上位に入った。自己株式の処分による売り出しを実施するフォスタ ー電機は、需給悪化が懸念され急落。午後に、日経テレコンが公募増 資を実施する方針を固めたと伝えた池田泉州ホールディングスは、需 給悪化懸念で東証1部の値下がり率1位になった。

債券先物は5日ぶり反落

債券先物相場が5営業日ぶりに反落(利回りは上昇)。EU首脳会 合によるギリシャ支援の合意を受けて内外株価が上昇基調にあること が売り材料視された。現物市場では長期金利が1.33%に小幅上昇して の推移となった。

東京先物市場の中心限月3月物は、10日の終値より11銭安い139 円32銭で始まった。株価が上昇幅を縮めると一時は2銭安の139円 41銭まで戻したが、日中は小幅マイナス圏での取引に終始しており、 結局は6銭安の139円37銭で週末の取引を終えた。

先物3月物は前週末以降にじり高に推移して、10日には中心限月 としてはほぼ3カ月ぶりに4営業日続伸となった。しかし、米株相場 が11日には上昇に転じたほか、米債市場では長期金利が3.7%台に上 昇して推移したため、国内市場も株高、債券安の構図を引き継いだ。

ただ、先物市場は朝方こそ売りが先行したが、その後は139円30 銭台でのもみ合いに終始した。市場では、ギリシャをはじめとする欧 州の財政リスクのほか、中国の金融引き締め懸念や米国の金融規制の 問題など不確実な要因が多いことから、投資家は先行きの見通し難を 口実に取引手控えを続けており、債券市場では積極的な売買は見込め ないとの指摘が出ていた。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の305回債利回り は、10日の終値より0.5ベーシスポイント(bp)高い1.33%で始まり、 その後も1.33%の一本値で推移した。

一方、米国で長期金利に上昇圧力がかかったわりに、国内市場で はむしろ投資家の押し目買いが優勢だったため、10年債利回りでみて

1.3%台半ばから後半では投資家の買い余力が残っているとの指摘も 多かった。305回債利回りは4日午後に一時は1.38%まで上昇して、 新発10年債として昨年11月以来の高水準をつけたが、その後はおお むね1.35%を下回って推移している。

15日に昨年10-12月期の実質国内総生産(GDP)の発表を控 えていることも、市場で様子見姿勢が強まる一因となったもよう。ブ ルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査(中央値)によ ると、10-12月期の実質GDPは前期比0.9%増、年率換算では3.6% のプラス成長が予想されている。

ユーロが3日続落

東京外国為替市場では、ユーロが3営業日続落となった。ギリシ ャの財政問題をめぐる不透明が残ることから、ユーロ圏景気の先行き 懸念が根強く、ユーロに売り圧力がかかりやすい展開が続いた。

ユーロ・ドル相場は午前の取引で一時1ユーロ=1.3654ドルと、 前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた1.3693ドルからユーロが 下落。午後は1.36ドル台後半で取引された。

ユーロ・円相場は午前に一時1ユーロ=122円42銭と、ニューヨ ーク時間午後遅くに付けた122円90銭からユーロ安・円高が進行。午 後は122円台半ばから後半で推移した。

一方、ドル・円相場は1ドル=89円台後半を中心に取引された。 午前に89円84銭までドルが買われる場面も見られたが、午後には89 円59銭まで押し戻され、値幅は25銭にとどまった。

ギリシャ支援をめぐって市場で注目されていた欧州連合(EU) 首脳会合では、ギリシャの経済状況をより厳重に監視することが必要 との見解で合意するにとどまり、具体的な支援策の提示には至らなか った。

国際決済銀行(BIS)の最新データによると、ドイツの銀行が 財政懸念を抱えているギリシャ、ポルトガル、スペイン向けに保有す る債権の額は昨年9月末時点で3308億ドル(約29兆7000億円)。フ ランスの銀行は3068億ドル、英国の銀行は1563億ドルだった。

この日の欧州時間には、昨年10-12月期のユーロ圏の国内総生産 (GDP)が発表される。15日にはユーロ圏の財務相会合、さらに、 16日にはEU財務相理事会が開催される予定となっており、引き続き 支援策の行方を見極めたいとの慎重な姿勢が続きそうだ。

一方、この日の米国時間には、1月の小売売上高と2月のミシガ ン大学消費者マインド指数が発表されるが、いずれも前月から改善が 見込まれている。

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