トヨタ入りした元NHTSA当局者、加速めぐる調査終了働き掛けか

トヨタ自動車が米道路交通安全局 (NHTSA)から採用した元当局者2人の働き掛けによって、トヨ タ車の意図しない加速をめぐる米調査少なくとも4件が過去10年間 に終了し、可能性のあったリコール(無料の回収・修理)を免れたも ようだ。裁判所や政府の記録で明らかになった。

裁判所資料によると、2002-03モデルの「カムリ」や「ソラーラ」 などを対象とする調査の終了をNHTSAに働き掛けた人物は、トヨ タのワシントン事務所で規制問題担当のバイスプレジデントを務める クリストファー・ティント氏と同氏の部下のクリストファー・サント ゥッチ氏。ティント氏は1994年、サントゥッチ氏は2003年にそれぞ れNHTSAから直接トヨタ入りした。

どの自動車メーカーにもNHTSA関連の問題の担当者がいるが、 そのポストに元NHTSA当局者を採用しているのは、主要メーカー ではトヨタだけかもしれない。米ゼネラル・モーターズ(GM)とフ ォード・モーター、クライスラー・グループ、ホンダの広報担当者ら はそれぞれ、車の不具合をめぐる対応でNHTSAを担当するNHT SA出身者はいないと説明している。

トヨタとNHTSAに強い結び付きがあった可能性は、同社の不 具合の対応などへの批判を強める恐れがある。米議会では3つの委員 会がリコール問題で公聴会を予定している。

ジョン・クレイブルック元NHTSA局長は「トヨタがNHTS Aを欺いたか、NHTSAが自ら混乱したのか。この問題をめぐって NHTSAには多くの火の粉が降りかかるだろう」と話す。

NHTSAの元当局者が調査終了を働き掛けた4件はどれも、電 子制御スロットルシステムの不具合が原因で意図しない加速が起きる との苦情に関するものだった。同社は同システムが問題だったとは認 めていない。

ブルームバーグ・ニュースはトヨタの広報担当マーサ・ボス氏を 通じて、ティント氏とサントゥッチ氏からコメントを得ようとしたが、 ボス氏は応じていない。同氏は「ティント、サントゥッチ両氏がした ことはすべて、当局者や安全性の専門家に対する完全な情報開示や透 明性、情報公開にかなうものだった」とのコメントを電子メールを通 じて公表した。

訴訟の原告側の弁護士や消費者らにNHTSAなどからデータを 集めて提供しているセーフティ・リサーチ・アンド・ストラテジーズ (マサチューセッツ州)によると、トヨタ車の意図しない加速をめぐ っては03年から10年にかけてNHTSAが8件の調査を開始。3件 がフロアマットのリコールにつながったが、5件は不具合の証拠がな いとして調査終了となった。このうち4件で、ティント、サントゥッ チの両氏が、トヨタのNHTSA対応を担当したことが当局の書類で 示されている。

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