債券先物が5日ぶり反落、EUギリシャ支援で株高-長期金利は1.33%

(第11段落以降に15日発表の国内総生産に関する内容を追加します)

【記者:赤間信行】

2月12日(ブルームバーグ):債券先物相場が5営業日ぶりに反 落(利回りは上昇)。欧州連合(EU)首脳会合によるギリシャ支援の 合意を受けて内外株価が上昇基調にあることが売り材料視された。現 物市場では長期金利が1.33%に小幅上昇しての推移となった。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、EUによる ギリシャ支援の表明を手掛かりに株価の堅調推移を通じた債券売りが 意識されたと指摘。もっとも、「投資家からの現物売りが膨らんでいる わけではなく、基本的には狭い値幅の中での推移が続いた」ともいう。

東京先物市場の中心限月3月物は、10日の終値より11銭安い139 円32銭で始まった。株価が上昇幅を縮めると一時は2銭安の139円 41銭まで戻したが、日中は小幅マイナス圏での取引に終始しており、 結局は6銭安の139円37銭で週末の取引を終えた。

先物3月物は前週末以降にじり高に推移して、10日には中心限月 としてはほぼ3カ月ぶりに4営業日続伸となった。しかし、米株相場 が11日には上昇に転じたほか、米債市場では長期金利が3.7%台に上 昇して推移したため、国内市場も株高、債券安の構図を引き継いだ。

11日に開催されたEU首脳会合はギリシャに財政赤字の抑制を 命じることで合意して、会議を終了した。同会合は同時に、統一通貨 ユーロにとって導入来11年で最悪の今回の危機の沈静化に向けて、 「断固とした」行動を取る用意があると表明した。

ただ、先物市場は朝方こそ売りが先行したが、その後は139円30 銭台でのもみ合いに終始した。日興コーディアル証券の野村真司チー フ債券ストラテジストは、ギリシャをはじめとする欧州の財政リスク のほか、中国の金融引き締め懸念や米国の金融規制の問題など不確実 な要因が多いといい、「投資家は先行きの見通し難を口実に取引手控え を続けており、債券市場では積極的な売買は見込めない」とみている。

10年債利回りは1.33%

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の305回債利回り は、10日の終値より0.5ベーシスポイント(bp)高い1.33%で始まり、 その後の日中取引でも1.33%の一本値となっている。

ギリシャ問題など不透明要因がなおくすぶっている中で、投資家 の取引慎重姿勢は今後も続く公算が大きい。日興コーディアル証の野 村氏は、投資家の多くが今期の運用計画をほぼ達成していることも、 新規取引を手控える背景にあるとみており、「305回債は来週にかけて も1.3%台の水準から大きく振れることはないのではないか」という。

一方、10年債利回りでみて1.3%台半ばから後半にかけては、投 資家の買い余力が残っているとの指摘も多い。岡三アセットの山田氏 は、今週は米国の長期金利に上昇圧力がかかったわりに、国内市場で はむしろ投資家の押し目買いが優勢だったと分析。その上で、「ギリシ ャをはじめ欧州の財政リスクには不透明感が残っており、来週以降も 金利が上がりにくい展開が続く可能性が高い」との見方も示した。

305回債利回りは4日午後に一時は1.38%まで上昇して、新発10 年債として昨年11月以来の高水準をつけたが、その後は投資家の買い をきっかけにおおむね1.35%を下回って推移している。

10-12月期GDPの見極めも

15日に昨年10-12月期の実質国内総生産(GDP)の発表を控 えていることも、市場で様子見姿勢が強まる一因となったもよう。実 質GDPは昨年4-6月期に5期ぶりにプラス転換しており、10-12 月期は3四半期連続のプラス成長が見込まれている。岡三アセットの 山田氏は、「週初の取引では債券の買いにくさが強まる」とみる。

ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査(中央値) によると、10-12月期の実質GDPは前期比0.9%増、年率換算では

3.6%のプラス成長が予想されている。

ただ、これまでGDP統計が債券相場に及ぼす影響は限定される ことが多く、今回も市場で過去の数字と評価される可能性がある。み ずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、景気ウオッチャ ー調査や機械受注の上振れに対する債券相場の反応が鈍いことから、 市場参加者の間に景気循環のピークアウトが意識されつつあるとして、 「仮にGDPが下振れた場合には強いサポート材料となり得る」との 見方を示した。

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