英大手銀に挑む「チンギスハン」、ベアリングズ元首脳-名誉挽回狙う

【記者:Andrew MacAskill and Jon Menon】

2月9日(ブルームバーグ):英名門投資銀行ベアリングズが経 営破たんした1995年当時の最高経営責任者(CEO)、ピーター・ ノリス氏と「金融界のチンギスハン」を自称するバーノン・ヒル氏 が英大手銀行に挑もうとしている。英国の新たな金融ゴールドラッ シュの機会をとらえて、かつての名声の回復を狙う。

233年の歴史を誇ったベアリングズが当時のトレーダー、ニッ ク・リーソン氏の不正取引で破たんに追い込まれると、ノリス氏(54) は、政治家から「うそつき」と呼ばれ、英国企業の役員への就任を 4年間禁止された。一方、ヒル氏は米ニュージャージー州の銀行を ゼロから築き上げたものの、家族が経営する企業と結んだ契約が監 督当局に問題視され、辞任を余儀なくされた。

ノリス氏が会長を務めるヴァージン・グループやヒル氏のメト ロ銀行などの新興企業や起業家らは、英国の既存の銀行が過去最悪 の損失を計上する状況を新たな金融機関設立の好機ととらえている。 ただ、英金融市場では消費者の口座の3分の2を4大銀行が支配し ており、こうした大手銀がボーナスや公的救済で非難の的となる中 でも、市場に風穴をあけ、新規参入するのは容易ではない。

ノリス氏はベアリングズの破たんについて、「核爆弾の爆発に遭 ったと言ってもいいような経験だった。はっきり言ってすべてが1 日で終わった。そんなことが起きれば、状況はかなり厳しくなる。 戻ってくるのは長くつらい道のりだった」と振り返る。

4大銀の一角で英史上最大の赤字を計上して公的支援を受けた ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)は、 市場シェアの縮小を求められている。ダーリング英財務相は企業・ 消費者向けの与信拡大を図るため、向こう4年で3社の英銀行市場 への新規参入を認める意向を明らかにしており、英小売り最大手テ スコなどが資金調達や支店の整備を進めている。

ロンドンを拠点とし、金融サービス業を専門とするシルバ・リ サーチ・ネットワークのアナリスト、ラルフ・シルバ氏は、ノリス 氏やかつてのニュージャージーの銀行をモデルに事業展開を計画す るヒル氏について、「歴史は彼らの味方ではない。名前に悪いイメー ジが付きまとっている以上、何か新しく試みても評判の回復に苦労 するだろう」と話す。

新規参入者が挑む4大銀は、RBSとバークレイズ、HSBC ホールディングス、ロイズ・バンキング・グループ。調査会社デー タモニターとイングランド銀行(英中央銀行)のデータによれば、 この4行で総額9230億ポンド(約130兆円)に上る英リテール(小 口)預金の計66%を支配している。

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