NY外為:ユーロ下落、EUがギリシャ支援で具体策欠く

ニューヨーク外国為替市場では、 ユーロがすべての主要通貨に対して下落。欧州連合(EU)首脳会 合がギリシャに財政赤字の抑制を命じることで合意したものの、具 体的な支援策がほとんど提示されなかったことが嫌気された。

EU首脳声明では、ギリシャやスペイン、ポルトガルといった 財政赤字削減に苦しむ国に対する新たな投機攻撃の波への対応は棚 上げされた。オーストラリア・ドルは上昇。同国の1月の失業率が 予想外に低下したことや中国の銀行融資拡大が背景にある。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの外国為替調査部門バイスプレ ジデント、メグ・ブラウン氏(ニューヨーク在勤)は「欧州の状況が 短期間で変わる可能性は低い」と指摘。「危機という概念が依然当ては まる状態だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時10分現在、ユーロはドルに対し1ユー ロ=1.3685ドルと、前日の1.3737ドルから0.4%安。対円では 前日比0.6%値下がりし、122円77銭(前日は123円56銭)。ド ルの対円相場は前日比0.3%安の1ドル=89円72銭(前日は89円 94銭)。

EU首脳会合では、ドイツのメルケル首相やギリシャのパパンド レウ首相、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁を中心に協議が進 められ、ギリシャの経済状況をより厳重に監視することが必要との見 解で合意した。ただ、同国の債務危機に対する具体的な支援策を提示 するには至らなかった。

「構造面での一致」

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は、ユーロ の対ドル相場見通しを1ユーロ=1.28ドルと、従来の同1.35ドルか ら下方修正した。救済が実行されても、短期的な措置にとどまるため と説明している。

RBSセキュリティーズの為替戦略責任者、アラン・ラスキン氏 はリポートで、「長期的かつ構造的な収束が見られないという根強い懸 念が、ドルに対するユーロの上値を抑える可能性が高い」と記した。

ユーロ圏の一部の国が財政赤字削減に苦慮するとの見方を背景に、 ユーロはドルに対し年初来で5%下落している。ギリシャの09年の財 政赤字は、対国内総生産(GDP)比で12.7%と、EUの規定である 3%を4倍余り上回っている。ファンロンパイEU大統領は11日、ギ リシャに対し、10年末までに赤字を4ポイント低下させるよう求めた。

「危機で半減」

シティグループの為替ストラテジスト、トッド・エルマー氏(ニ ューヨーク在勤)は「欧州での緊張状態で、金融緩和策からの出口戦 略が遅れる可能性がある」と指摘。「スプレッドの拡大が米国にプラス の形で進むことになる。ユーロ圏の景気低迷がユーロを押し下げるだ ろう」と述べた。

ロイター通信は、ドイツ連邦銀行のウェーバー総裁が国内経済に ついて、1-3月(第1四半期)に縮小する可能性を排除できないと の認識を示したと報じた。この報道にも反応し、ユーロは対ドルで下 落した。また同総裁は、金利の現行水準は「適正」だと述べた

EUの行政執行機関である欧州委員会のバローゾ委員長は、銀行 融資の減少が欧州の景気回復を抑制しており、域内の成長性は「危機 により半減した」と語った。

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