2月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで下落。ドイツ 政府関係者が欧州連合(EU)首脳会議ではギリシャ救済の発表 に至らないとの認識を示したことがユーロ売りを誘った。

ドルはほとんどの主要通貨に対して上昇した。バーナンキ米 連邦準備制度理事会(FRB)議長が貸し出し正常化の一環とし て、公定歩合を「遠くない将来」に引き上げる可能性があると明 らかにしたことがきっかけ。ユーロは前日、ドルに対し約5カ月 ぶりの大幅高となった。ギリシャが財政健全化に向かうことを前 提に、EUが救済に乗り出すとの見通しが強まったことが背景に あった。

ゲイン・キャピタル・グループ傘下のオンライン為替取引会 社FOREXドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター) のチーフ為替ストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は「ユー ロは相次ぐニュースに一喜一憂している。依然としてかなりの信 用懸念がユーロの重しとなっている。ギリシャだけの話ではない。 ポルトガルやスペイン、イタリアまでがそうだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ユーロはドルに対し1ユー ロ=1.3731ドルと、前日の1.3797ドルから0.5%下落。円の対ド ル相場 は前日比0.3%安の1ドル=89円98銭(前日は89円69 銭)。円は 対ユーロで0.2%高の1ユーロ=123円52銭(123円 75銭)。

欧州議会でドイツのメルケル首相率いるキリスト教民主同盟 の会派に所属するマーカス・ファーバー氏は、同会派と独政府当 局者らとの話し合いに基づき、ドイツとフランスが中心となって 「厳しい前提条件」に基づくギリシャ支援を協議しているとした。 さらに、独政府はEUとして計画を打ち出すよりも、2国間の枠 組みの 方を望んでいると語った。

膨張する財政赤字に歯止めをかけようとするギリシャのパパ ンドレウ首相の力量は10日、労働組合のストで学校や病院が閉鎖 され、航空輸送が停止するなかで試されることになる。

約60万人の公務員が加盟する公務員労組(ADEDY)によ る24時間ストにより、航空管制官や民間航空の従業員が職場を離 れるために領空は事実上、閉鎖となる。ギリシャ最大の空港、ア テネ国際空港の広報担当者が電話で語ったところによると、国際 便と国内便の約483便が欠航となる。

UBSの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏は「ギリ シャの計画が発表されても、それを見極める必要がある。どのよ うな不安定さもユーロにはマイナス材料だ」と指摘した。

FRB議長

バーナンキ議長は下院金融委員会での公聴会での証言テキス トで、公定歩合の引き上げが金融政策見通しの変化を示唆するも のではないと述べた。連邦公開市場委員会(FOMC)声明にあ った「長期にわたってフェデラルファンド(FF)金利の異例な 低水準を正当化する可能性が高い」との文言を繰り返した。

バーナンキ議長はまた、FF金利の「指標としての信頼が従来 よりも低下した」場合には、FRBが一時的に金融政策の指標と しての役割を準備預金金利に求める可能性があることを明らかに した。

モルガン・スタンレーのストラテジスト、ロン・リーベン氏 は「ドルは議長証言を受けて強含んだようだ。だれの予想よりも やや突っ込んだ内容だった。FRBは量的緩和政策からの出口戦 略に動き始めており、明らかに大陸欧州や英国、日本よりも引き 締めに向かって進んでいるようだ」と語った。

FF金利先物相場の動向によると、FOMCが6月の会合ま でに少なくとも0.25ポイントの利上げを実施する確率は22%。前 日の19%から上昇した。

◎米国株式市場

米株式相場は反落。携帯電話事業者で米3位のスプリント・ネク ステルや乳業のディーン・フーズの決算が市場予想に届かなかった ことが嫌気された。米連邦準備制度理事会(FRB)による公定歩 合引き上げ示唆も売り材料となった。

スプリント・ネクステル株が下落。同社の10-12月(第4四 半期)決算では、売上高がアナリスト予想を下回った。ディーン・ フーズも大幅安。同社が発表した10年通期の利益見通しは市場予 想に届かなかった。S&P500種株価指数のセクター別10業種中 9業種の指数が値下がりした。バーナンキFRB議長が、公定歩合 を引き上げる可能性があると明らかにしたことが背景。

一方、ドイツとフランスがギリシャ支援に関して協議したとい うニュースが支援材料になり、相場の下げは限定された。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の1068.13。ダウ工業株 30種平均は20.26ドル(0.2%)下落の10038.38ドル。全米の証券 取引所の出来高は約80億株と、過去3カ月平均を1%下回った。

テーミス・トレーディングの株式トレーディング共同責任者、 ジョゼフ・サルッツィ氏は「FRBの発表は明らかに相場にはマイ ナスだ」と指摘。「FRBが普通に利上げを実施するとは誰も予想 していない。当局は創意工夫を凝らしている。状況は変わったのだ」 と述べた。

ギリシャ不安

ドイツとフランスが中心となって、ギリシャが財政赤字削減に 向けた取り組みを続けることを前提条件に、同国支援を協議してい る。両政府の当局者が明らかにした。

パーマネント・ポートフォリオ・ファンズ(サンフランシスコ) で53億ドル相当の運用に携わるマイケル・クジオ氏は「ギリシャ 問題は終わらないが、最終的には欧州がなんとかするだろう」と述 べ、「根本的には何も変わっていないことを考慮すれば、一部には 買いの機会を探る動きもありそうだ」と述べた。

スプリントが安い

スプリント・ネクステルは8%安。同社の10-12月売上高は

6.7%減の78億7000万ドル。ブルームバーグがまとめたアナリス ト予想平均では80億400万ドルが見込まれていた。

ディーン・フーズは14%値下がり。同社は10年通期の1株当 たり利益が一部項目を除いたベースで1.64ドルになるとの見通し を示した。アナリスト予想は1.70ドルだった。

金融株

S&P500種の金融株指数は0.8%高。一時はバーナンキFR B議長の発言をきっかけに、0.4%下げる場面もあった。

オバマ米大統領は、米銀JPモルガン・チェースのジェイミ ー・ダイモン最高経営責任者(CEO)に付与された1700万ドル (約15億2000万円)相当の賞与や、ゴールドマン・サックス・グ ループのロイド・ブランクフェインCEOの900万ドル相当の賞与 を「ねたましいとは思わない」と語った。一部スポーツ選手はさら に高額の報酬を得ていると指摘した。

オバマ大統領は9日の執務室でのブルームバーグ・ビジネスウィ ークとのインタビューで、「わたしは大半の米国人と同様、人の成 功や富をねたんだりはしない。これは自由市場システムの一部だ」 と述べた。インタビュー記事は12日発売の同誌に掲載される。

◎米国債市場

米国債相場は下落。午後に実施された過去最大規模(250億ド ル)の10年債入札で落札利回りが市場予想を上回ったほか、欧州 でのギリシャ支援観測が売り材料だった。

米財務省が実施した10年債入札の結果によると、最高落札利回 りは3.692%と、ブルームバーグがまとめた入札直前の市場予想の

3.680%を上回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.67倍 と、過去10回の平均値2.76倍を下回った。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は10日に発表 された議会証言テキストで、FRBによる貸し出し正常化の一環 として、公定歩合を「遠くない将来」に引き上げる可能性がある と述べた。

MFグローバルのシニアバイスプレジデント、リチャード・ブ ライアント氏は「この日の入札結果はこれまでより軟調な結果だ った。市場参加者が抱いていた欧州に対する懸念の中には、現実 にならかなった部分もあり、その結果として利回りが上昇する余 地が生まれた」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨー ク時間午後3時25分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.70%。同年債 (表面利率3.375%、2019年11月償還)価格は14/32下げて97 11/32。30年債利回りは6bp上げて4.64%。

入札結果

10年債入札では、プライマリーディーラー(政府証券公認ディ ーラー)からの需要が過去10回の入札の平均値を下回った。財務 省のデータによると、プライマリーディーラーからの応札倍率は

1.88倍、過去10回の平均値は1.97倍だった。プライマリーディ ーラーからの入札が落札全体に占める割合は53.8%だった、

プライマリーディーラー以外の直接入札の割合は13%、前回1 月の10年債入札時の17.3%から低下した。過去10回の平均値は

7.1%となっている。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、カール・ ランツ氏は、「直接入札は堅調だったが、それ自体問題になって いる。ディーラーの間で国債入札に対する信頼感が薄れており、 全般的にディーラーからの応札は一段と保守的になっている」と 述べた。

外国中央銀行を含む間接入札が落札全体に占める割合は33.2% で、過去10回の同平均値39.3%を下回った。

前回の10年債入札(1月13日)では、最高落札利回りが

3.754%、応札倍率は3倍だった。

バーナンキ議長証言

2年債と10年債の利回り格差は2.81ポイント。1月11日には 過去最大の2.90ポイントを記録した。

バーナンキ議長は証言テキストで、公定歩合の引き上げが金融 政策見通しの変化を示唆するものではないと述べ、連邦公開市場 委員会(FOMC)声明にあった「長期にわたってフェデラルフ ァンド(FF)金利の異例な低水準を正当化する可能性が高い」 との文言を繰り返した。

同議長はまた、FF金利の「指標としての信頼が従来よりも低 下した」場合には、FRBが一時的に金融政策の指標としての役 割を準備預金金利に求める可能性があることを明らかにした。

バーナンキ議長による下院金融委公聴会での議会証言は10日予 定されていたが、米首都ワシントンが大雪に見舞われたため、公 聴会は延期された。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反落。ドルの上昇を受けて、代替 投資先としての金の需要が後退した。

ドルの対ユーロ相場は一時0.9%上昇。米連邦準備制度理事会 (FRB)が公定歩合を引き上げる可能性が示唆されたほか、ギ リシャ救済発表の観測が後退したことから、ドルが買われた。ギ リシャやスペイン、ポルトガルの財政赤字が拡大するとの懸念が 広がるなか、ドルは2月に入り1%上昇している。

英バークレイズ・キャピタルのアナリスト、スキ・クーパー 氏(ロンドン在勤)はリポートで「ドルと金の相関は引き続き強 い」と指摘。「今後数日の為替の動きが金の方向性を定める可能 性が高い」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金 先物4月限は前日比0.90ドル安の1オンス=1076.30ドルで取引 を終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は3日続伸。米国がイランと関連のあ る企業4社の国内資産を凍結したことで、両国間の緊張が高まっ た。

原油は一時1.7%上昇。米財務省はイラン革命防衛隊と関連の ある企業と個人に対する経済制裁を発表した。米国はイラン革命 防衛隊が大量破壊兵器を開発しテロを擁護しているとして非難し ている。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサー チ(マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ 社長は「緊張は高まったが、これまで長い間、少しずつ高まって きたことだ」と指摘。「イランにとってもっと心配なのは国内情 勢の混乱の度合いであり、これは経済制裁とは関係ない」と語っ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は 前日比0.77ドル(1.04%)高の1バレル=74.52ドルで取引を終了。 年初からは6.1%下げている。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は3日続伸。ドイツがギリシャの財政問題を支 援するとの観測が広がったことが背景。

ギリシャ国立銀行がギリシャ株の上げをけん引。同国のAS E指数の2日間の上げは過去2カ月で最大となった。フォルティ スは6.1%高。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グルー プ(RBS)が同銘柄の買いを推奨したことが背景。ポルトガル 商業銀行は5.5%高。同行傘下のミレニアム銀行の利益がアナリス ト予想を上回ったことが買い材料となった。

ダウ欧州600指数は前日比0.7%高の240.91で引けた。ドイ ツのショイブレ財務相は同国議会に対し、ギリシャ支援の選択肢 は融資保証のみではないと語った。当局者の1人が明らかにした。 ギリシャやスペイン、ポルトガルの財政問題をめぐる懸念を背景 に、同指数は1月19日に付けた高値から7.4%下げている。

コンスタンティア・プリバトバンク(ウィーン)の運用担当者、 フィリップ・ムシル氏は「市場に安心感が戻った。ギリシャを置 き去りにしないという政策当局者のメッセージを、市場は長い間 待っていた」と語った。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではギリシャ国債利回りが低下し、ユーロ導入前 の1998年以降で最大の下げとなった。ドイツがギリシャの財政赤 字削減への取り組みに対し融資保証を上回る支援を検討している ことがきっかけとなった。

ギリシャ10年債のドイツ10年債に対するプレミアム(上乗 せ利回り)は先月19日以降で最小となった。ドイツのショイブレ 財務相が同国議会に対し、ギリシャ支援の選択肢は融資保証のみ ではないと発言したと当局者の1人が明らかにしたことから救済 への期待が高まった。

コメルツ銀行の金利ストラテジスト、デービッド・シュノー ツ氏(フランクフルト在勤)は「ドイツの発言でギリシャやポル トガルなどの周辺国への圧力が若干、和らいだ。スプレッドはさ らに縮小するだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時32分現在、ギリシャ10年債利回りは前 日比37ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の6.01%。 一時は55bp低下し、少なくとも98年以降で最大の下げとなっ た。ギリシャ2年債利回りは79bp低下し5.49%。前日は32bp の低下だった。ポルトガル10年債利回りは10bp下げ4.51%、 同2年債は54bp低下し1.71%となった。

ギリシャ10年債のドイツ債に対するプレミアムは42bp縮 小し282bp。また、ポルトガル10年債と独10年債のスプレッ ド(利回り格差)は14bp縮小の133bp。スペイン国債とのス プレッドは11bp縮まり80bp、アイルランド国債のプレミアム は14bp縮小し155bpとなった。

一方、この日の独10年債は下落。同利回りは5bp上昇の

3.20%。一時は10bp上昇し、昨年11月11日以降で最大の上げ となった。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。イングランド銀行(英中央銀行)が景気 見通しを下方修正したほか、キング総裁が債券買い取りプログラ ムの拡大を示唆したことが背景にある。

英中銀はこの日発表した四半期物価報告で、インフレ率が

3.3%前後でピークに達した後に0.9%まで鈍化し、2%の中銀目 標を下回る水準にとどまるとの見通しを示した。キング総裁は同 報告発表後にロンドンで記者団に対し、債券買い取りがもはや必 要ではないと「判断するにはあまりにも時期尚早だ」と述べた。 10年債利回りは一時、3週間ぶり高水準を付けていたが、低下に 転じた。

モニュメント・セキュリティーズのストラテジスト、マー ク・オスワルド氏(ロンドン在勤)は、資産買い取りプログラム が延長される可能性をキング総裁が示唆したことから「市場関係 者は大きな安心感を得た。英中銀はまだこの選択肢を閉ざしてい ない」と語った。

ロンドン時間午後4時48分現在、10年債利回りは前日比4 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.93%。一時 は先月21日以降で初めて4%を突破した。同国債(表面利率

4.5%、2019年3月償還)価格は0.28ポイント上げ104.33。2年 債利回りは10bp低下の1.12%と、10月1日以降で最大の下げと なった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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