キヤノン中岡常務:価格は適正、TOB条件変更なし-蘭オセ買収

オランダの業務用プリンターメーカ ー、オセ買収で株式公開買い付け(TOB)を実施しているキヤノンの 中岡正喜常務はTOB価格が低いとして反対している株主が出ているこ とに対し、買収条件を変更する予定はないことをあらためて強調した。

中岡氏は9日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、 「価格は適正」として引き上げる予定がないとし、当面の目標である 85%の株式を獲得するという方針にも「変更はない」と語った。TOB 期間は1月29日から3月1日まで。将来的には全株を取得し、完全子会 社化を目指す。

キヤノンは昨年11月のオセ買収の公表時にはTOB成立とみる水 準をオセ発行済み株式の85%としていたが、1月28日の発表では85% に届かない場合でもキヤノンがTOB成立を決める可能性があるとして いる。広報担当の花田一成氏によると、「基本的には議決権で50%超の 株式を取得できれば連結子会社化が可能」という。

今回のTOBについてはオセ経営陣から賛同を得ているが、オセ株

3.3%を保有する英資産運用会社ハーミーズ・フォーカス・アセット・マ ネジメントは1月、キヤノンの提示額は「十分でない」としてTOBに 応じない方針を発表。約10%を持つ英投資ファンド、オービス・ファン ズも昨年11月に買収反対を表明した。オセは買収案を議題として臨時株 主総会を今月12日に開く予定。

世界的な景気低迷で企業の投資抑制が強まり事務機器の販売が伸び 悩むなか、オセを傘下に収めることでキヤノンは数少ない成長分野であ るプリンター市場でのシェア拡大を図りたい考えだ。オセは欧米の大手 企業を顧客に持ち、高速・大判プリンターの技術力がある。オフィス用 小型機が得意なキヤノンは、大型機に強いオセと補完関係も築ける。

IT系基幹システム企業に関心

中岡氏はまた、欧米、日本など成熟した先進国市場では「ソリュー ションビジネスが中心になる」と説明。同市場を強化するために、今後 の買収対象として、IT(情報技術)系の基幹システム分野の企業が 「方向としては将来的に考えられる」と話した。キヤノン・ヨーロッパ が2006年に買収した独ソフト会社のNT-ウェアにも触れ、「技術だけ でなく、技術をベースにして顧客も持っている企業が欲しい」と付け加 えた。

先進国市場での伸びが見込みにくい一方、大きな成長が期待できる のは中国、アジアを中心とした新興国市場だ。中岡氏は中国について 「5年も経ったら無視できなくなる」と指摘した。オフィス部門全体に 占める中国の売り上げ比率は、今は1割未満にとどまるが5年後には 「10%を超えてくる」とみている。

中国を含めたアジア全体では、前期に売上高の15%超を占めており 中岡氏は「早ければ3年後には20-30%に達しているだろう」と語っ た。インド、ベトナム、インドネシアでも成長が期待できるという。

複写機などオフィス部門の今期(10年12月期)売上高予想は前期 比7%増の1兆7609億円、営業利益予想は同25%増の2870億円。売上 高は全体の51%、営業利益は全体の87%をそれぞれ占める主力事業。 前期は売上高が前の期と比べ27%減の1兆6451億円、営業利益は 同50%減の2294億円だった。

-- Editor: Chiaki Mochizuki, Tetsuki Murotani

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Mariko Yasu

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