オバマ米大統領には1ドル=70円が必要-輸出倍増計画で・RBS証

RBS証券の西岡純子チーフエコ ノミストによると、オバマ米大統領が米国民に示した輸出倍増という 目標を達成するためには、世界経済の拡大持続に加え、1ドル=70円 程度の円高・ドル安が必要になる可能性もある。

西岡氏は10日付のリポートで、5年間での輸出倍増は年15%の ペースで増え続けることを意味すると指摘。世界経済が4%前後の成 長を続けるという国際通貨基金(IMF)の見通しが実現した場合で も、なお「相当程度のドル安」が求められるとの見方を示した。

関税や自由貿易協定といった要素も影響し得るが、米輸出の増減 を世界経済成長と為替相場に要因分解すると、今後5年間に必要なド ル相場の下落は、対円では2010年に1ドル=84円、14年には70円に なると推計した。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は昨年11月26日、74.170と08年8月以来の安値を記録。 今月5日には約7カ月ぶり高値80.683をつけた。円の対ドル相場は昨 年11月27日、84円83銭と1995年7月以来の水準に上昇。1月8日 には93円77銭と約4カ月半ぶりの安値をつけた。円の戦後最高値は 95年4月19日の79円75銭。

オバマ米大統領は1月27日の一般教書演説で、今後5年間で輸出 を2倍に増やし200万人の雇用を支えるとの目標を掲げた。米輸出は 昨年11月まで7カ月連続で増加。ブルームバーグ・ニュースの調査に よると、エコノミストらは今日発表される12月分も前月を上回ったと 予想している。

世界経済、力強い回復

IMFは1月26日、世界経済は「当初の予測以上に力強く回復し ている」とし、成長率見通しを上方修正した。10年は3.9%と昨年10 月時点の3.1%から引き上げ、11年についても4.3%と0.1ポイント上 方に改訂した。

西岡氏は、世界経済は金融危機によって「金融投資が主体の構造」 から「実物投資に重きを置く経済」へ移行すると指摘。米国の金融規 制案やドル安容認姿勢、ユーロ圏の一部加盟国の財政懸念などを通じ、 「管理経済の色彩が強まる」と予想した。

為替市場でも今後、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上 げ観測の高まりは円安・ドル高要因となるものの、「各国の政府・中央 銀行の政策スタンスをより反映した展開」になると読む。日本と米国、 中国の関係で見ると、米国は日中に輸入拡大とドル安容認を求め、中 国もインフレ抑制のため人民元相場を切り上げる可能性が高いと分析。 日本が単独で円安誘導策を講じるのは難しいと見ている。

中国は05年7月、人民元相場の切り上げを実施した。人民元は 06年後半から08年初にかけても、緩やかに上昇。その後は、世界的 な金融危機下での短期的な変動を除けば、1ドル=6.8元前後でおお むね横ばい圏内にある。

ただ、中国の2009年10-12月期の実質国内総生産(GDP)は 前年同期比10.7%増え、07年以来の高い伸びとなり、同国の銀行によ る新規融資は昨年、過去最大の9兆5900億元(約128兆円)に達した。 中国人民銀行(中央銀行)は1月、市中銀行に課す預金準備率の引き 上げを決めた。政策金利である1年物の貸出基準金利は現在5.31%。

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