枝野行政刷新相:小沢氏と距離、信頼回復へ首相が抜てき(Update2)

鳩山由紀夫首相は10日、行政刷 新担当相に民主党の枝野幸男元政調会長(45)を充てる人事を断行し た。国会で2010年度予算案の審議が続いている中での異例の閣僚補 充は、政治とカネをめぐる問題で野党が攻勢を強める中、小沢一郎幹 事長と距離があるとされる枝野氏を重要閣僚に抜てきし、政権の信頼 回復を図る狙いがある。

首相は10日朝、公邸前で記者団に対し、枝野氏起用の理由につ いて「事業仕分けは彼が中心となって今日までやってきた。事業仕分 け第2弾をできるだけ早くやらないといけない」と指摘した上、「国 民の皆さんに民主党に対する信頼を再び回復して高めていくために は、できるだけ早く彼に陣頭指揮をしてもらいたい」と語った。

元民主党事務局長で政治アナリストの伊藤惇夫氏は、鳩山首相の 狙いについて「枝野氏は行政の事業仕分けで知名度が高くなっており、 反小沢というイメージも強い。鳩山政権が小沢氏に完全に主導権を握 られているわけではないというアピールも含めて、世論の支持を高め たい。もうひとつ鳩山氏がリーダーシップを発揮しているというアピ ールだ」と解説した。

枝野氏は同日午前、官邸で記者団に対し、「行政改革、行政刷新 の仕事を着実にやっていくことが政権に対する期待と信頼を高めて いくことになると思うので精進したい」と語った。

枝野氏にとっては、首相が11年度予算編成に向けて実施する方 針をすでに表明している特別会計も含めた行政の事業仕分けの第2 弾にどう取り組むかが最大の課題となる。

7奉行

日本のメディアは、岡田克也外相、仙谷由人国家戦略担当相らと 並び、民主党内で小沢氏と距離のある有力議員7人を「7奉行」と呼 んでいる。枝野氏もそのうちの1人。

弁護士出身の枝野氏は衆院埼玉5区選出で当選6回。1993年の 衆院選で細川護煕氏(のちの首相)が代表を務めた日本新党から出馬 し初当選した。その後、細川氏が小沢氏との連携を強める中、枝野氏 は同党を離党して新党さきがけに合流。96年の橋本龍太郎内閣では さきがけから厚生相として入閣した菅直人現副総理兼財務相を党側 から支え、薬害エイズ問題の解決に取り組んだ。

96年に首相と菅氏がさきがけを離党して旧「民主党」を結成し た際にはこれに参加。98年に岡田氏らが合流した現在の民主党が結 成されてからは、党政調会長、幹事長代理などの要職を歴任した。鳩 山政権では行政刷新会議の事業仕分けで統括役として中心的な役割 を果たした。首相は今年1月、枝野氏を首相補佐官に起用する方針を 表明したが、この人事は通常国会が始まっても発令されないまま、た なざらし状態になっていた。

98年の金融国会で金融再生法を成立させるのに尽力、若手政策 通として自民党の石原伸晃元政調会長、塩崎恭久元官房長官らと共に 「政策新人類」と呼ばれたこともある。

共同通信によると、枝野氏は8日、さいたま市での街頭演説で、 小沢氏の政治資金をめぐる問題について、大方の国民が小沢氏の説 明に納得していないと切り出し、辞任論を口にしたという。

鳩山首相は、小沢幹事長には8日に官邸で会談した際に枝野氏 起用の方針を伝えたことを明らかにした。小沢氏は「まったく異論は ない、しっかりやろう」と話していたという。

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