日本株5日ぶり小反発、ギリシャ懸念後退や機械受注好転-午後失速

東京株式相場は5営業日ぶり小反 発。財政問題が懸念されているギリシャが支援を受けるとの期待から、 景気や企業業績に対する過度の懸念が後退した。世界景気の動向に敏 感な電機株のほか、ガラス・土石製品など素材関連株が上昇。昨年12 月の機械受注の好転を受けた機械株の上げも目立った。

日経平均株価の終値は前日比31円9銭(0.3%)高の9963円99 銭、TOPIXは1.93ポイント(0.2%)高の883.50。日経平均は一 時2日ぶりに1万円台を回復したが、午後終盤にかけて失速。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長は、「今のマーケ ットはギリシャ問題で悪いシナリオを織り込んでいることから、観測 通り欧州連合(EU)の支援で合意がなされれば、株価が暴騰する可 能性がある」との見方を示した。

午前こそ上値を試したものの、円安傾向の一服や米国株先物の軟 調などから午後には急速に伸び悩んだ。日経225オプション2月限の 特別清算値(SQ)算出が12日に予定されているほか、あすは東京市 場が休場となることも買い手控え要因になった。

「きのう終値時点ではSQはやや売り越しフローにあるほか、S Q当日を迎える際に2日間の海外株のリスクを持ちたくない」とBN Pパリバ証券の平塚基巳株式・派生商品営業部部長。東証1部の売買 代金は概算1兆3054億円ときのうから5%弱減り、2月の1日当たり 平均(1兆5313億円)を15%下回った。売買高は同19億2954万株 と、2日ぶりの20億株割れ。

EUの行政執行機関である欧州委員会の経済担当委員に10日付 で就任するオリ・レーン氏は9日、ギリシャ財政問題について「われ われは広義での支援について話し合っている」と述べた。また、ドイ ツのミハエル・マイスター議員は、同国議員らがギリシャへの財政支 援を検討していることを明らかにしている。

トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優チーフストラテ ジストによると、「ギリシャの懸念はある程度鎮静化してきて、企業業 績に目が戻ってきた」という。ギリシャ問題は、デフォルト(債務不 履行)するかが一番のポイントになると予想されているが、「EUとい う大きな枠組みの中に入っており、可能性は低い」としていた。

一方、取引開始前に発表された昨年12月の機械受注(船舶・電力 除く民需)は前月比20.1%増と、ブルームバーグ・ニュースの事前調 査による8%増を上回った。増加は3カ月ぶりだ。10-12月は前四半 期比0.5%増となったのに続き、1-3月見通しも同2%増と2四半 期連続のプラス。丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「設備投資は厳し いものの、底入れを示唆する内容でポジティブ」と指摘、設備投資関 連が多い機械株の上昇を支援した。

政策決定の不透明感

もっとも、きのうの米ダウ工業株30種平均が1.5%高だったのに 比べ、株価指数の上げ幅は限定的で、日経平均は心理的な節目の1万 円を終値で回復できなかった。東証1部は値上がり銘柄(678)より値 下がり(815)の方が多く、こう着感も強かった。

ギリシャではきょうストライキが予定されているほか、あすはE U臨時首脳会議がある。大和住銀の門司氏は、「日本の休日明けの12 日には方向性が出そうだが、政策判断とあってどちらのシナリオもあ る。投資家は上振れポジション(持ち高)を取っていいか、態度を決 めかねている」としていた。

個別銘柄では、10年3月期の連結純利益予想を上方修正したJT が5日ぶりに急反発。営業利益の拡大は想定以上で、来期大幅増益の 見方は不変と大和証券キャピタル・マーケッツが評価した沢井製薬は 連騰。数量効果と価格安定で業績回復ピッチが拡大している、とみず ほ証券が格上げした日本電波工業は急反発。10年3月期純利益予想の 増額と自己株取得を発表した日清紡ホールディングスは午後急伸した。

半面、エアバッグ装置の不具合をめぐり、リコール(無料の回収・ 修理)の対象が全世界で約43万台であることが分かったホンダは反落。 競合他社と比べた利益の増額幅が小さくネガティブ、とシティグルー プ証券が投資判断「売り」を継続した太陽誘電、10年3月期業績予想 を減額したツムラも下げた。連結子会社の専務と取締役が独断で、多 額の資金を不正に流用していたことが分かったローソンは4日続落。

新興3市場はそろって上昇

国内新興3市場は高く、ジャスダック指数の終値は前日比0.4% 高の49.77と続伸。東証マザーズ指数は0.7%高の389.17と6日ぶり、 大証ヘラクレス指数は0.02%高の553.89と4日ぶりに反発した。

ハイテク業界向け減速機の受注回復が本格化すると予想し、投資 判断を引き上げたハーモニック・ドライブ・システムズ、高性能BG A基板検査装置で新たに受注を獲得したインスペックがともに値幅制 限いっぱいのストップ高。株式分割による流動性向上が期待されたマ ニーは反発した。売買代金上位ではザインエレクトロニクス、ドリコ ム、ベクターが高い。

半面、役員による不正の資金流用が明らかになったローソンエン ターメディアはストップ安、なお4000株近い売り注文を残している。 いちよし経済研究所が10年6月期以降の業績予想を下方修正し、投資 判断を下げたワークスアプリケーションズは急落した。売買代金上位 では九九プラス、ブイ・テクノロジー、日本通信が安い。

--取材協力:近藤 雅岐 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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