債券は小幅高、株価伸び悩みで先物買い-長期金利1日以来の低水準に

(第11段落以降にギリシャ問題に関する内容を追加します)

【記者:赤間信行】

2月10日(ブルームバーグ):債券相場は小幅高(利回りは低下)。 日経平均株価が午後から1万円の大台を割り込み伸び悩むと、債券先物 は買いが優勢となった。長期金利も1日以来の低い水準をつけた。

中央三井信託銀行総合資金部の関一也次長は、株高の勢いが鈍い中 で10年ゾーンを中心に現物に買いが入ったもようだと指摘。また「投資 家から積極的な売りが出ないだけに、先物はCTA(商品投資顧問)な どの買いで踏み上げ相場になった」ともいう。

東京先物市場の中心限月3月物は4日続伸。前日比15銭安い139円 18銭で始まり、直後にはこの日の安値となる139円16銭をつけた。その 後しばらく139円20銭台で小動きが続いたが、午後にはじり高に転じて 一時は139円51銭まで上昇し、結局は10銭高の139円43銭で引けた。

前日の米国市場が株高、債券安となったことや、日本の機械受注統 計が予想以上の増加となったことから、債券先物市場では朝方には売り 優勢の展開となった。9日の米株市場はダウ工業株30種平均など主要な 株価指数が軒並み高く引けており、一方、米10年債利回りは前日比8ベ ーシスポイント(bp)高の3.65%程度となった。

また、内閣府が発表した昨年12月の機械受注統計によると、国内民 間設備投資の先行指標である船舶・電力を除く民需は前月比20.1%の増 加となり、事前の市場予想の同8.0%増を大きく上回った。

現物買い

しかし、長期ゾーン中心に現物買いが入ったことがきっかけとなっ て、先物も買いが膨らんだ。BNPパリバ証券の山脇貴史シニア債券 ストラテジストは、債券売りの材料が目立っていたが、前日と同様に 現物市場では10年債中心に買いが優勢だったといい、「日経平均株価 が1万円付近でもたついたこともあって、債券先物は売り方が買い戻 しに動いたようだ」との見方を示した。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダ ーは、米長期金利の上昇や予想以上に強い機械受注発表など、外部環 境は売り材料に事欠かなかったとしながらも、「長期ゾーン中心に平 準的に買っておこうとする需要がみられた」とも指摘した。

10年債利回りは1.33%

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の305回債利回りは 前日比1bp高い1.35%で始まり、その後しばらくは1.345-1.35%でも み合った。しかし、午後にはじりじりと水準を切り下げて、一時は1 日以来の低水準となる1.325%をつけた。午後4時2分現在では1bp 低い1.33%で推移している。

米金利上昇などを受けて、朝方には金利が上昇する場面もあったが 10年債利回りの1.3%台半ばでは年金基金などから買いが入ったとの 声が聞かれた。もっとも、ギリシャ問題には不透明感が残るだけに、 11日の欧州連合(EU)首脳会合(サミット)を前に取引は手控えら れた。

新発10年債利回りでみて1.3%台半ばは新規売買を手がけにくい水 準との見方もあった。大和住銀投信の伊藤氏は10年債の1.3%台半ば の水準について、昨年11月につけた1.485%と12月の1.19%とのほぼ 中間に位置して、投資家にとっては売り買いともに動きにくいと分 析。「外部環境によほどの変化が起きないかぎり、10年債の1.3%台 で取引が活発化することはない」との見方を示した。

ギリシャ問題の見極めも

投資家の取引手控えの背景としてギリシャ問題の見極めも一因に 挙げられた。中央三井信託銀の関氏は、EUによるギリシャ支援がど のように進展するか見通しづらいとしたうえで、「この問題が再びこ じれるようだと為替市場では円高圧力がかかりやすく、債券市場で買 い材料視されることも考えられる」とみていた。

一方、ギリシャの財政危機が緩和されることで、米国中心に株高、 債券安に動きやすいとの指摘もあった。トヨタアセットマネジメント の浜崎優チーフストラテジストは、ギリシャをはじめ南欧各国のファ ンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)がぜい弱であることには懸念 を示しつつも、EUによる一定の支援が見込める点はかつての南米に おける危機とは違うといい、市場は徐々に落ち着きを取り戻すとみて いる。

欧州の当局者らは、EU最悪の財政赤字の削減に苦戦するギリシ ャに支援を検討していることを明らかにした。EUの行政執行機関で ある欧州委員会の経済担当委員に10日就任するオリ・レーン氏は9日、 「われわれは広義での支援について話し合っている」と述べた。

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