日本が欧州の不承認を批判、「国際会計基準でなくなる」-島崎評議員

国際会計基準(IFRS)の見直し で、欧州の対応に日本の批判が高まっている。欧州が金融商品会計の新 基準を3カ月経った現在も承認していないためで、国際会計基準委員会 財団(IASCF)の島崎憲明評議員は「欧州のわがままに屈したら、 IFRSは国際基準ではなくなる」と強く非難した。

島崎氏(住友商事特別顧問、63)はインタビューで、「欧州は世界 各国が対応を注視していると気付くべきだ」と強調。同氏によると、欧 州はリーマン・ショック直後、国際会計基準審議会(IASB)に有価 証券を時価評価せずに済むよう規則変更を迫り、手続きを省き短期間で 受け入れさせた。これでドイツ銀行などは赤字決算を回避したという。

金融危機を受け、世界各国の専門家15人で構成するIASBでは 透明性の高い会計基準作りを進めている。欧州は議長を含め最多の5人 の理事を出すなど主導権を握っている。世界に先駆けて2005年にIF RSを域内企業に強制適用するなど、国際基準作りを主導してきた欧州 が、今回はその障害となっている。

島崎氏は、「実際に基準を使っている欧州の発言力が大きいのは当 然」としながらも「世界基準となった今、徐々に地域のバランスをとる べきだ」と強調。12年夏までに1人増員されるIASB理事は「2人目 としてぜひ日本から出したい」と意気込む。欧州の対応次第で「日本が お金を出すのはどうか、という意見も出てくる」と懸念を示した。

08年の日本の負担金は、米に次いで2位の159万1582ポンド(約

2.2億円)で各国拠出金の12%を占める。島崎氏は負担に応じて日本の 立場をもっと基準作りに反映させたい考えだ。また「発言力で欧州、米 に対抗する第3のグループが必要」と述べた。日本を含むアジア・オセ アニアの20カ国は昨年、活動組織を発足させている。

日本は15年にもIFRSを企業に強制適用する方針だ。ただ、任 意適用を認めている10年3月期から日本電波工業が、13年12月期から 旭硝子、14年3月期から丸紅など一部企業が先行導入する予定。島崎氏 は「住友商事のように国際展開する企業が率先して導入するのが望まし い」とし、住商としては強制適用前に採用する方針を示した。

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