1月の国内企業物価は2.1%低下-5カ月連続で下落率縮小

1月の国内企業物価指数は、一昨 年夏にピークを付けた原油価格高騰の影響がはく落していることを受 けて、前年比の下落率が5カ月連続で縮小した。マイナス幅は今後さ らに縮小に向かう見込みだが、大幅な需要不足が続いていることで、 企業物価の下落は長期化する公算が大きい。

日本銀行が10日発表した1月の国内企業物価指数は前年同月比

2.1%低下した。前月比は0.3%上昇だった。ブルームバーグ・ニュー スの予想調査では前年同月比2.3%低下、前月比0.1%上昇が見込まれ ていた。昨年12月の確報値は前年同月比3.9%低下、前月比横ばい。

15日公表される昨年10-12月の実質国内総生産(GDP)速報 値はブルームバーグ調査で前期比年率3.8%増と3期連続のプラス成 長が見込まれている。しかし、経済全体の需要と供給の乖離(かいり) を示す需給ギャップは昨年7-9月時点でGDPのマイナス7.0%と 大幅な需要不足で、引き続き物価に下押し圧力を加えている。

国内企業物価の前年比の下落幅は、過去最大となった昨年7、8 月(8.5%)をピークに縮小に転じている。これは一昨年夏にピークを 付けた原材料価格高騰の反動が薄れているため。前月比ベースでは石 油・石炭製品、非鉄金属、化学製品、スクラップ類が上昇し、昨年7 月(0.4%上昇)以来の高い伸びとなった。

多少の変化も

日銀調査統計局の肥後雅博企画役は前月比の動向について「海外 経済の回復に加え、新興国で金融緩和が続いていることで市況関連商 品の値上がりが続く一方で、国内では需要の低迷で建設や家計向けを 中心に値下がりが続いており、海外の原材料高、国内の製品安という 構図は変わっていない」と指摘する。ただ、「化学製品でようやく価格 転嫁の動きが見られるなど、多少の変化もある」としている。

日銀は先月26日の金融政策決定会合で、昨年10月末に公表した 経済・物価情勢の展望(展望リポート)の中間評価を行い、企業物価 の前年比は「原油価格高の影響などから見通しに比べてやや上振れて 推移すると予想される」と指摘した。政策委員の見通しの中央値は 2010年度が昨年10月末のマイナス1.4%からマイナス0.5%へ、11 年度はマイナス0.7%からマイナス0.4%へ上方修正された。

日銀は先月27日公表した1月の金融経済月報で、国内企業物価 (3カ月前比)は「製品需給緩和の影響が続く一方、国際商品市況の 上昇が押し上げに働くことから、当面横ばい圏内で推移する」と指摘 した。原油相場は足元で1バレル=70ドル台前半で推移している。

プラス転化には時間かかる

第一生命経済研究所の小杉晃子エコノミストは「急速な円高の一 服や輸出の回復、国際商品市況の上昇基調の持続などが押し上げに寄 与する一方、前年の原油価格急落の裏の影響が徐々に弱まっていくこ とや需給緩和の影響が続くことが押し下げ要因となる」と指摘。国内 企業物価がプラスに転じるには「時間がかかるだろう」としている。

日銀は昨年12月1日の臨時金融政策決定会合で、0.1%で期間3 カ月の資金を約10兆円供給する新しい資金供給手段を導入した。同月 18日の金融政策決定会合では「中長期的な物価安定の理解」について 「消費者物価指数の前年比で2%以下のプラスの領域にあり、委員の 大勢は1%程度を中心と考えている」として、「ゼロ%以下のマイナス の値は許容していない」と表明した。

--取材協力  Minh Bui,Sachiko Ishikawa Editor:Hitoshi Ozawa,Norihiko Kosaka、Kenshiro Okimoto

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