無添加で資生堂、ランコムと戦う、海外5割へ中国攻めるファンケル

無添加化粧品を手掛けるファンケ ルは、3-5年内に海外売上高比率を5割まで高める見通しだ。昨年 9月に中国、香港の販売代理店を子会社化、アジアの成長を業績に取 り込める体質になった。今期(2010年3月期)の比率は1割程度だが、 中国で出店を加速、台湾やシンガポールへの本格進出も視野に入れる。

ファンケルの成松義文社長がこのほど、ブルームバーグ・ニュー スとのインタビューで明らかにした。「中国代理店での売れ行きを見て 、無添加化粧品は日本人だけの商品ではないことが分かった」と、同 社長は指摘。その上で、「これまで海外への関心が薄かったが、今後は 無添加を武器に資生堂、ランコム、エスティローダーと売り場で戦っ ていく」との意向を示した。

同社は1996年に香港、2004年に中国で販売代理店契約を締結し た

。09年9月末現在の中国の店舗数は82店。今期末には約100店まで 拡大し、今後は年30店ずつ出店する見通し。中国進出4年後の08 年 1-4月には、上海のデパート10社で化粧品販売ランキング1位にな った。野村証券によると、日本では通信販売の無添加化粧品として有 名だが、中国・香港では高級ブランドとして認知されている。

「中国・香港では無添加は美しくなるための最良のスキンケアと 認められており、プレミアムなブランドとして受け入れられている」 と、成松社長も説明する。今期の連結売上高見通しは前期比7.2%増 の1051億円。うち中国・香港は105億円を見込む。

会社の決算説明会の資料によると、中国の化粧品・トイレタリー の市場規模は08年度に1兆6259億円と、05年度と比べ4割近く拡大 した。沿岸地域の高所得層、中間層の底上げで購買力が増している。

課題は人材育成、国内はカウンセリング強化

今後の課題は人材の育成だ。成松社長は、「数年前まで海外を意識 していなかったため、そうした人材が育っていない。今後は社員を海 外に送り出し、世界に通用するファンケルにしていく」と強調した。 中国・香港代理店の連結対象後も、同代理店のオーナーが中国・香港 市場での現地の運営を行う。

一方、国内の化粧品販売事業はカウンセリングを強化する方針。 店舗ごとに記録されている顧客データなどを本社で集約、データベー ス化し、肌のケアに関する継続的なカウンセリングを可能にする。ま た、顧客の肌の画像を送信してもらうなど、インターネットを通じた カウンセリングも検討しているという。顧客の定着率を高め、飽和市 場での競争を勝ち抜く狙いだ。

成松社長は、国内と中国・香港でブランド認識の差があるため、 「国内では『無添加』というブランドをもう一度定着し直していく」 と強調。「パイが大きくならない中でも、異業種からの化粧品市場への 参入が相次いでいるため、戦わなくてはいけない」と述べた。

いちよし経済研究所の大石益美シニアアナリストは、「中国の代理 店を子会社化したことで、中国の小売売上高が連結売上高に反映され ることによって収益性が高まるのはプラスだ」と指摘。ただ、「中国の 1店舗当たりの出店コストや商品原価、売り上げなどを会社側がどれ だけ見込んでいるか明らかになっておらず、ディスクローズしてほし い」と話している。

ファンケル株の午前終値は前日比0.8%安の1683円。昨年来の東 証1部化学株指数の騰落率ランキングを見ると、40%上げた同社は全 119銘柄中、燃料電池素材メーカー群などに続いて上昇率32位。同業 のドクターシラボ、資生堂、マンダム、コーセーなどを上回る。ファ ンケルはきょう10日の取引終了後に決算発表を予定している。

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