2月9日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update1)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し急伸。過去 5カ月余りで最大の上げとなった。欧州連合(EU)の当局者らが、 ギリシャが財政赤字削減で前進することを前提に同国を支援する可能 性を示したことが手掛かり。

円はユーロに対し過去3カ月余りで最大の値下がり。EUの行政 執行機関である欧州委員会の経済担当委員に10日付で就任するオ リ・レーン氏は、「われわれの支援を受けるにあたり、ギリシャは必 要な措置を講じる必要がある」と述べた。またドイツの議員2人は、 同国がギリシャの支援を検討していると語った。

モントリオール銀行の外国為替セールス担当ディレクター、ジョ ナサン・ジェンチャー氏(トロント在勤)は「こうしたニュースが流 れれば買いに動かざるを得ない」と指摘。「これまで売られ過ぎてい たことと、ユーロにプラスのニュースが加わり、相場は大きく上昇し た」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時7分現在、ユーロはドルに対し1ユー ロ=1.3785ドルと、前日の1.3649ドルから1%高。一時1.4% 高と、昨年9月8日以降で最大の上げを記録した。円は対ユーロで一 時2%安の1ユーロ=124円18銭と、11月4日以降で最大の値下 がりとなった。円の対ドル相場は1ドル=89円63銭。

レーン氏は9日、ギリシャ支援について、「この問題に関しては 今後数日内に深く議論されるだろう。われわれは広義での支援につい て話し合っている。現時点で具体的には述べられない」と語った。

ギリシャ10年債の利回りはロンドン時間午後4時40分時点で、 前日比36ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下 の6.40%、一時43bp下げる場面もあった。ドイツ10年債との スプレッド(利回り格差)は40bp縮小し、323bp。

「モラルハザード」

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替戦略グローバル責任者マ ーク・チャンドラー氏は、「ギリシャが救済されても、それが長期的 に市場にプラスとなるか私にはそれほど確信がない」とし、「モラル ハザード(倫理の欠如)の問題があるほか、ポルトガルやスペインも 懸念材料だ。救済はEUの中核にある弱点をむき出しにする」と語っ た。

メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の副党首で財 政問題の報道担当を務めるミハエル・マイスター議員は、ギリシャに ついて「われわれは支援を検討している」としながらも、「支援が実 施される場合でも、厳しい条件の下でのみだ。ギリシャ政府が抜本的 な改革に着手すればの話だ」と述べた。

市場の規制

ユーロは今月5日、1ユーロ=1.3586ドルと、昨年5月20 日以来の安値に下落。投資家の間で、ソブリンリスクを背景に金融政 策当局が政策金利を記録的な低水準で据え置くとの見方が広がった。 また8日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、 スペインとポルトガルの国債保証コストが過去最高を更新した。

9日に電子メールで配布されたギリシャのパパンドレウ首相の閣 議での発言によれば、同首相は同国政府が経済再建に向けて厳しい措 置を講じていると述べた。

同首相はまた、ギリシャが投機家による攻撃の犠牲になったと主 張。フランスのサルコジ大統領が以前市場を統治するための規制の必 要性について語ったことに触れた上で、10日に同大統領と会談する ことを明らかにした。

◎米国株式市場

米株式相場は反発。ダウ工業株30種平均は1万ドル台を回復し た。ギリシャが支援を受けるとの期待から、欧州各国の財政悪化で世 界的な景気回復が腰折れになるとの懸念が和らいだ。

S&P500種株価指数の金融株指数は朝方の下落から上げに転 じた。JPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴが上昇をけん引 した。銅生産のフリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴー ルドや産金のニューモント・マイニング、石油大手のコノコフィリッ プスも軒並み上昇。金属価格や原油相場の上昇が追い風になった。清 涼飲料最大手のコカ・コーラも高い。中国やインドでの販売が伸びた ことを好感した。

パイオニア・インベストメント・マネジメント(ボストン)で 2000億ドル以上の運用に携わるジョン・キャリー氏は、「株価は引 き続きじりじりと上昇するだろう」と指摘。「企業環境は非常に明る い。業績はまずまずで、需要も回復している。景気回復は進行してい るようだ。ギリシャが何らかの支援を受けるとの観測もあり、支援材 料になっている」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比1.3%高の1070.52。ダウ工 業株30種平均は150.25ドル(1.5%)上昇の10058.64ドル と、昨年11月9日以来の大幅な上げとなった。ニューヨーク証券取 引所の騰落比率は5対1。

欧州当局者がギリシャ支援の可能性について言及すると、主要株 価指数はこの日の高値に急上昇した。欧州連合(EU)の行政執行機 関である欧州委員会の経済担当委員に10日付で就任するオリ・レー ン氏は、ギリシャ支援に関して数日内に議論されると明らかにした。 ドイツのメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)のミハエ ル・マイスター議員は、同国議員らがギリシャへの財政支援を検討し ていると述べた。

ソブリン債

フィッチ・レーティングスのアナリスト、ブライアン・クルトン 氏はEUによるギリシャ支援について、「可能性」であり、「保証」 されているわけではないと指摘した。同氏は電話会議で語った。フィ ッチのアナリストらは、さらにギリシャの中期見通しについて、「不 透明」だと述べた。こうした発言の後、株式相場は上昇幅を縮小する 場面もあった。

卸売在庫

米卸売在庫は昨年12月に市場予想に反して減少した。11月は 過去5年余りで最大の増加を記録していた。需要拡大ペースに在庫が 追いついていないことが示唆された。この統計発表後、株価は高値を 維持した。

米商務省が発表した12月の卸売在庫は前月比0.8%減少。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は

0.5%増だった。前月は1.6%増(速報値1.5%増)に上方修正さ れた。12月の卸売売上高は前月比0.8%増加した。

ブルームバーグのデータによると、S&P500種の構成銘柄で 1月11日以降に2009年10-12月(第4四半期)決算を発表し た300社余りのうち、約77%がアナリスト予想を上回った。

フリーポートが高い

フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドは

3.4%高。中国が銅の輸入を拡大するとの観測で、ニューヨーク銅相 場が2.5%値上がりし、6週間ぶりの大幅上昇となったことが背景。 コノコフィリップスは2.4%高。

コカ・コーラは2.6%上昇。同社の2009年10-12月(第4 四半期)決算は、利益が市場予想と一致した。中国やインドを含む市 場での販売が伸びたことが寄与した。

◎米国債市場

米国債相場は大幅下落。10年債利回りは年初来の大幅上昇を記 録した。欧州当局者がギリシャの財政赤字削減での進展を条件に同国 への支援を検討していることを示唆したことから、米国債への売りが 膨らんだ。

米国債は4日ぶりに下落。欧州連合(EU)当局者は数日内にギ リシャへの支援を協議すると述べた。午後に実施された3年債 (400億ドル)の入札では最高落札利回りが1.377%。ブルームバ ーグがプライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)6社を対 象にまとめた予想では1.36%だった。

ICAP(ニュージャージー州ジャージーシティー)のブローカ ー、ポール・ホーマン氏は「欧州への信頼感が高まった。それが米国 債に売り圧力をかけている。悪影響の広がりは今日のところは落ち着 いているようだ。しかし日々の動きを注視していく」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時11分現在、10年債利回りは前日比ほぼ8ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.64%。この日は昨 年12月31日以来最大となる8.3bp上げる場面もあった。先週末 は一時3.5347%と、昨年12月21日以来の低水準を付けた。同年 債(表面利率3.375%、2019年11月償還)価格は19/32下げ て9727/32。

3年物既発債の利回りは8bp上げて1.33%だった。先週末は

1.22%と12月9日以来の低水準だった。

ギリシャ支援

ドイツのメルケル連立政権の与党議員2人は、ギリシャの財政赤 字が金融市場の安定化を脅かしたとして、ドイツがギリシャ支援を検 討していると述べた。

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会の経済担当委 員に10日付で就任するオリ・レーン委員は、EUはギリシャが財政 赤字削減で前進することを前提に、同国を支援する可能性があると述 べた。

レーン氏は9日、フランスのストラスブールでのインタビューで、 「われわれの支援を受けるにあたり、ギリシャは必要な措置を講じる 必要がある」と指摘。「この問題に関しては今後数日内に深く議論さ れるだろう。われわれは広義での支援について話し合っている」と述 べた。

3年債入札

財務省が実施した3年債入札の結果によると、投資家の需要を測 る指標の応札倍率は2.83倍。過去10回の平均値は2.85倍だっ た。前回(1月12日)の3年債入札では応札倍率は2.98倍、最 低落札利回りは1.49%だった。

外国中央銀行を含む間接入札が落札全体に占める割合は51.2% で過去10回の同平均値50.7%を上回った。プライマリーディーラ ー(米政府証券公認ディーラー)以外の直接入札は同10.1%、1月 の入札は23.4%と少なくとも2003年以降での最高を記録してい た。

財務省は10日に10年債(250億ドル)、11日に30年債 (160億ドル)の国債入札を実施する。

サントラスト・バンクの個人資産運用部門でストラテジストを務 めるアンディ・リッチマン氏は「米国債への需要は継続するだろう。 ただ利回りは高水準で推移するとみている」と述べた。

2年債と10年債の利回り格差は2.82ポイント。1月11日に は過去最大の2.90ポイントに拡大した。

ブルームバーグが銀行と証券会社を対象にまとめた調査によると 10年債利回りは6月30日までに3.76%をつけると予想されてい る。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸。ドルの下落を背景に、代替投資 先としての金への需要が強まった。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は一時0.9%下落。欧州連合(EU)がギリシャの財政赤 字問題を支援するとの観測を背景にドルが売られた。先週はギリシャ がデフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念から、ドルの対ユーロ相 場は8カ月ぶり高値まで上昇。一方、金は3カ月ぶり安値まで下げて いた。ドルが上昇すると、金は下げる傾向がある。

ザブリオンデスク・ドット・コムのアナリスト、ジェームズ・ム ーア氏(ロンドン在勤)はリポートで、「ユーロの強含みにより、金 にいくらか買いが入った」と指摘しながらも、「EU諸国がギリシャ 支援で合意しなければ、手じまい売りが出やすい状況は続いている」 と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比11ドルちょうど(1%)高の1オンス=1077.20 ドルで取引を終了した。年初からは1.7%下落している。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は続伸。過去1週間で最大の上げとなった。 欧州連合(EU)がギリシャの財政赤字問題で支援する可能性を示し たことで、ドルの対ユーロ相場が下げたことが買い材料となった。

原油は一時3.1%上昇。ドルが昨年6月以来の大幅安となった ことで、代替投資先としての商品への魅力が増した。EUの行政執行 機関である欧州委員会の経済担当委員に10日付で就任するオリ・レ ーン委員は、EUがギリシャに「広義の支援を提供することは可能だ」 と述べた。

リンド・ウォルドック(シカゴ)のシニア市場ストラテジスト、 リチャード・イルチスジン氏は「この日は為替市場の動きが焦点だっ た。原油はそれに追随したに過ぎない」と指摘。「市場参加者は皆ユ ーロ圏で何らかの為替介入があるかどうかに注目している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比1.86ドル(2.59%)高の1バレル=73.75ドルで取引を終了。 一時は74.15ドルまで上昇する場面もあった。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は総じて上昇。投資家の間で欧州連合(EU)がギ リシャの財政問題を支援するとの観測が広がったほか、スイスの時計 メーカー、スウォッチ・グループの予想を上回る決算が好感された。 スイスの銀行UBSは下落した。

ギリシャ国立銀行が上げをけん引、ギリシャ株は2カ月ぶりの大 幅高を記録。スウォッチは4.8%上昇した。

一方、UBSは下落。富裕層顧客からの資金引き揚げが急増して いることを明らかにしたのが嫌気された。フランス最大の不動産投資 信託、ウニベイル・ホールディングも下落。同社は今年の利益増はほ とんど見込めないと述べた。

ダウ欧州600指数は前日比0.1%高の239.19で引けた。騰 落比率は3対2。

CCLAインベストメントツのジェームズ・ビーバン最高投資責 任者(CIO)は「調整が入ったらそれは買いの好機だ。高いキャッ シュフロー利回りや健全なバランスシート、強力なビジネス機会に恵 まれている企業が多く存在する」と述べた。

ギリシャ国立銀行

ギリシャ国立銀行は7%高。4日続落から反発した。EUの行政 執行機関である欧州委員会の経済担当委員に10日付で就任するオ リ・レーン氏は、欧州株式市場の引け後に「われわれの支援を受ける にあたり、ギリシャは必要な措置を講じる必要がある」と指摘。「こ の問題に関しては今後数日内に深く議論されるだろう。われわれは広 義での支援について話し合っている。現時点では具体的な話はできな い」と述べた。

UBSは5.4%安、終値ベースで昨年7月以来の安値に落ち込 んだ。同銀の2009年10-12月(第4四半期)決算は過去1年余 りで初の黒字となったが、富裕層顧客からの資金引き揚げが加速した ことを明らかにした。

◎欧州債券市場

欧州債市場では、ギリシャ国債が急伸した。ギリシャが欧州連合 (EU)最大の財政赤字削減で一層の進展を遂げることを見返りに、 EUがギリシャ支援を検討していることが示唆されたのがきっかけ。

ギリシャ10年債利回りは少なくとも1998年以降で最大の下 げとなった。EUの行政執行機関である欧州委員会の経済担当委員に 10日に就任するレーン氏がこの日、ギリシャに対し「広い意味にお いて支援する」準備があることを示唆した。フィナンシャル・タイム ズ・ドイツ版(FTD)は、メルケル政権がギリシャ支援策をまとめ ていると報じた。また、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、 EU首脳会合に参加するためオーストラリア訪問を1日早く切り上げ て欧州に戻るという。

クレディ・アグリコルCIBの債券ストラテジー責任者、デービ ッド・キーブル氏は「トリシェ総裁が早めに帰欧するという事実は世 界を興奮させた。今日は高リスク・高利回り債を売り持ちにするのは 難しい」とし、「すべての高利回り債が悪いわけではい」と語った。

ロンドン時間午後4時40分現在、ギリシャ10年債利回りは前 日比36ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の

6.40%。一時は43bp低下する場面もあった。ドイツ債に対する プレミアム(上乗せ利回り)は40bp縮小し323bpとなった。ギ リシャ2年債利回りは29bp低下の6.31%。

一方、独10年債利回りは4bp上昇し3.18%。同国債(表面 利率3.25%、2020年1月)価格は0.34ポイント下げ100.54。 独2年債利回りも4bp上昇し1.04%となった。

EUは11日に首脳会合を開きギリシャ問題などを協議する。

◎英国債市場

英国債市場では10年債国債が下落。インフレ懸念の高まりを背 景に過去最大規模の国債発行で英国政府が買い手探しに苦慮するとの 観測が広がった。

世界的な株高で安全とみなされる国債に対する需要が後退し、 10年債利回りは今月に入ってからの最高に近づいた。英国政府はこ の日、20億ポンド規模の国債入札を実施した。これは、10年3月 までの今会計年度の2251億ポンド規模の国債発行計画の一環。

クレディ・アグリコルCIBの債券ストラテジスト、ピーター・ チャットウェル氏は、「国債供給がこの後の相場への重しとなるだろ う」と述べ、「市場は若干慎重となる。住宅市場はそれほど悪くなか ったことから、データは全般に予想よりも上向きだった」と語った。

英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)が9日発表した1月の 調査結果によると、住宅価格が上昇したとの回答は下落したとの割合 を32ポイント上回った。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予 想では、27ポイント上回ると見込まれていた。

ロンドン時間午後3時45分現在、10年債利回りは前日比1ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.95%。一時は 1月28日以来の高水準となる3.99%を付けた。同国債(表面利率

4.5%、2019年3月償還)価格は0.06ポイント下げ104.15。 2年債利回りは1.19%と、前日から変わらずだった。

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