NY外為:ユーロは対ドル急伸-EUがギリシャ支援を示唆

ニューヨーク外国為替市場では、 ユーロがドルに対し急伸。過去5カ月余りで最大の上げとなった。 欧州連合(EU)の当局者らが、ギリシャが財政赤字削減で前進す ることを前提に同国を支援する可能性を示したことが手掛かり。

円はユーロに対し過去3カ月余りで最大の値下がり。EUの行 政執行機関である欧州委員会の経済担当委員に10日付で就任するオ リ・レーン氏は、「われわれの支援を受けるにあたり、ギリシャは 必要な措置を講じる必要がある」と述べた。またドイツの議員2人 は、同国がギリシャの支援を検討していると語った。

モントリオール銀行の外国為替セールス担当ディレクター、ジ ョナサン・ジェンチャー氏(トロント在勤)は「こうしたニュース が流れれば買いに動かざるを得ない」と指摘。「これまで売られ過 ぎていたことと、ユーロにプラスのニュースが加わり、相場は大き く上昇した」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時7分現在、ユーロはドルに対し1ユ ーロ=1.3785ドルと、前日の1.3649ドルから1%高。一時1.4%高と、 昨年9月8日以降で最大の上げを記録した。円は対ユーロで一時 2%安の1ユーロ=124円18銭と、11月4日以降で最大の値下がり となった。円の対ドル相場は1ドル=89円63銭。

レーン氏は9日、ギリシャ支援について、「この問題に関して は今後数日内に深く議論されるだろう。われわれは広義での支援に ついて話し合っている。現時点で具体的には述べられない」と語っ た。

ギリシャ10年債の利回りはロンドン時間午後4時40分時点で、 前日比36ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下の

6.40%、一時43bp下げる場面もあった。ドイツ10年債とのスプレ ッド(利回り格差)は40bp縮小し、323bp。

「モラルハザード」

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替戦略グローバル責任者 マーク・チャンドラー氏は、「ギリシャが救済されても、それが長 期的に市場にプラスとなるか私にはそれほど確信がない」とし、 「モラルハザード(倫理の欠如)の問題があるほか、ポルトガルや スペインも懸念材料だ。救済はEUの中核にある弱点をむき出しに する」と語った。

メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の副党首で 財政問題の報道担当を務めるミハエル・マイスター議員は、ギリシ ャについて「われわれは支援を検討している」としながらも、「支 援が実施される場合でも、厳しい条件の下でのみだ。ギリシャ政府 が抜本的な改革に着手すればの話だ」と述べた。

市場の規制

ユーロは今月5日、1ユーロ=1.3586ドルと、昨年5月20日以 来の安値に下落。投資家の間で、ソブリンリスクを背景に金融政策 当局が政策金利を記録的な低水準で据え置くとの見方が広がった。 また8日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、 スペインとポルトガルの国債保証コストが過去最高を更新した。

9日に電子メールで配布されたギリシャのパパンドレウ首相の 閣議での発言によれば、同首相は同国政府が経済再建に向けて厳し い措置を講じていると述べた。

同首相はまた、ギリシャが投機家による攻撃の犠牲になったと 主張。フランスのサルコジ大統領が以前市場を統治するための規制 の必要性について語ったことに触れた上で、10日に同大統領と会談 することを明らかにした。

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