日航:アメリカンとの提携強化発表-独禁法不適用申請へ

経営再建中の日本航空は9日、同 社と同じ航空連合「ワンワールド」に加盟する米航空2位のアメリカ ン航空との提携関係の維持、強化を正式発表した。両社は今週末にも 米運輸当局に米独占禁止法の適用除外(ATI)を申請する。日航の 国際線事業戦略の要となる提携相手の座をめぐって繰り広げられたア メリカンと米デルタ航空との激しい争奪戦は終止符が打たれた。

日航経営企画本部の永井大志・経営戦略部長は同日、国土交通省 での記者説明で、「アメリカンや投資ファンドのTPGなどを含め、 どこからも出資は受けない」とし、アメリカンとワンワールド加盟各 社との事業提携に限定した決定だと語った。アメリカン連合を選択し た理由として、顧客利便や社内負担軽減、再生スピードの迅速化など を挙げた。その上で、ATI申請について「今週末から来週にかけて」 との見通しを明らかにした。

日米両政府は2009年12月11日、航空会社が路線などを自由に設 定できる「航空自由化(オープンスカイ)」で実質合意した。航空連 合「スターアライアンス」に加盟する全日本空輸、ユナイテッド航空、 コンチネンタル航空の3社は昨年、日米路線でのATIを米運輸省に 申請しており、日航も後を追う格好。両陣営とも申請を急ぎ、今年か ら始まる首都圏空港枠拡大に間に合わせたいとの考えが背景にある。

永井氏は、今回の決定に対しては、9日開催した日航の取締役会 に替わる管財人会で満場一致で決まったと説明。さらに稲盛和夫会長 が「責任は100%私がとる」と発言したことも明らかにした。

日航が9日、東京証券取引所と国交省で発表した資料によると、 双方はATIの認可後に販売協力などを柱とする共同事業を開始、顧 客が利用しやすい路線ネットワークの構築、サービス提供に努める。 またワンワールド加盟各社などとの提携も強化する。

日航の選択で見方分かれる

野村証券金融経済研究所の村山誠シニアアナリストは「短期間で 再生効果を出すためには、既存のアメリカン航空との関係を継続しな がらワンワールドに残ることを選択したのは理解できる」という。さ らに「日本の航空行政全体の観点からみれば、日航がアメリカン陣営 を選択することで、世界の3つの航空連合が成田国際空港を中心に競 合することになり、一段の活性化が期待できる点は評価できる」と今 回の日航の判断に対して好意的な見方を示す。

一方、三菱UFJ証券の姫野良太アナリストは、「航空連合への 移籍という観点では、デルタを中心としたスカイチームへの移るほう がメリットは大きいと考えていた」と指摘。その上で、日航が数年後 に再生したという観点で考慮した場合は、アジアで一定のプレゼンス を発揮できるスカイチームが有利だと考えていた」と付け加えた。

アメリカンのジェラルド・アーピィー最高経営責任者(CEO) は、日航の決断について「日本航空と日本国政府にとり重要なもので あり、日本航空の多くの利害関係者や、日本の国益、日米間の旅行者 にとって、最適な決断だったと考えている」との声明を発表。

さらに同CEOは、他のワンワールド加盟航空会社の幹部と、日 航新経営陣に対し再生の支援を惜しまないというコミットメントをあ らためて伝えたとし、今後も再建努力を支援するとの考えを示してい る。

デルタ航空も、日航の提携に関する発表を受けて、今後も米国と アジアを結ぶ最大の航空会社であり続けるとし、引き続き日本から米 国およびアジアへの充実した路線網を提供するとの声明を発表した。

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