国内市況:株式は小幅に4日続落、債券先物3日続伸―ユーロが反発

東京株式相場は小幅に4日続落。根 強い欧州財政不安から投資家のリスク回避姿勢が継続し、医薬品や電 気・ガス、陸運など1月高値からの下げが小さかったディフェンシブ 業種に売り圧力が高まった。2月限オプションの最終売買日をあすに 控えていることもあり、全般的に持ち高調整の動きが優勢だった。

日経平均株価の終値は前日比18円92銭(0.2%)安の9932円90 銭、TOPIXは1.44ポイント(0.2%)安の881.57。東証1部の値 上がり銘柄数は570、値下がり968と全体の58%が安い。

半面、原油など国際商品価格の反発から、商社や海運など資源関 連の一角が上昇。円高の一服で自動車、電機など輸出関連株も小高く、 株価指数の下げは限定された。

株価指数は一時的に上昇する場面もあったが、東証1部は値下が り銘柄が多いなど終始売りが優勢だった。日経平均は1月高値からき ょうの安値9867円までの下落率が10%を超えて本格調整局面入りと なり、投資家の長期的な採算ラインである200日移動平均線も2カ月 ぶりに割り込んだ。指数の4日続落は約2週間ぶり。

ギリシャで計画されているストライキが同国政府の財政赤字削減 への取り組みに打撃を与えるとの懸念が強まり、8日の欧州債市場で はギリシャ国債の対ドイツ国債のプレミアム(上乗せ利回り)が月初 来で最大に拡大した。また、クレジット・デフォルト・スワップ(C DS)市場では、ポルトガルとスペインを中心にソブリン債の保証コ ストが急上昇した。

きょうの東京市場は、これまで下げの大きかった輸出関連や資源 関連株には反発するものが見られたが、相対的に値持ちが良かったデ ィフェンシブ関連株や内需株が崩れた。日経平均が1月15日に今年の 高値1万982円を付けた後、前日までの東証1部33業種の騰落状況を 見ると、電気・ガス、医薬品、情報・通信、陸運、食料品などの下落 率が5%以下で、10%以上下げた輸送用機器、証券、鉄鋼などに比べ て底堅さを見せていた。

日経225オプションの特別清算値(SQ)算出に伴う売買最終日 をあすに控え、先物主導で株価指数が動くケースも見られた。

債券先物が3日連続高

債券先物が3営業日連続で上昇(利回りは低下)。欧州各国の財政 不安からリスク回避姿勢が強まり、日経平均株価が続落したことで円 債市場では先物中心に買いが優勢だった。この日の30年債入札が順調 となったことも買い安心感につながった。

東京先物市場の中心限月3月物は、前日比3銭高の139円13銭で 始まった後、日経平均株価が一時プラスに転じる場面では売りが優勢 となり、4銭安まで下げた。しかし、再び株価が下げると買い優勢と なり、午後に入って上げ幅を拡大。139円39銭まで上昇して、1日以 来、約1週間ぶりの高値をつけた。結局は23銭高の139円33銭で引 けた。

ブルームバーグ端末によると、先物の3日続伸は中心限月ベース で昨年11月以来およそ3カ月ぶり。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の305回債は前 日比変わらずの1.355%で取引を開始した。その後は、徐々に水準を 切り下げ、午後に入ると2ベーシスポイント(bp)低い1.335%と1 日以来の低水準をつけた。午後2時55分前後からは1.5bp低い1.34% で推移している。

財務省がこの日実施した表面利率2.2%の30年利付国債(31回債、 2月発行)の価格競争入札では、最低価格が98円10銭、平均落札価 格は98円15銭となった。

最低価格は事前予想の98円5銭を若干上回り、最低と平均価格の 格差(テール)は前回34銭から5銭へ大幅に縮小し、投資家の需要の 強さが示された。応札倍率は3.87倍と前回の3.53倍から上昇した。 また、日経テレコンによると、この日に実施された30年利付国債の入 札で、みずほ証券が913億円を落札した。

入札が無事に通過したことで、超長期債が堅調。新発20年債利回 りは一時1bp低い2.135%、新発30年債利回りは1.5bp低い2.30% まで低下した。

ユーロが反発

東京外国為替市場では、ユーロが反発。ギリシャの財政悪化問題 をめぐる先行き不透明感が根強く残るものの、ユーロの下落に行き過 ぎ感が生じており、買い戻し優勢の展開となった。

ユーロ・ドル相場は午後の取引で一時1ユーロ=1.3728ドルと、 2営業日ぶりのユーロ高値を付けた。ユーロ・円相場も午後に一時1 ユーロ=122円92銭と、2営業日ぶりの水準までユーロが上値を切り 上げた。

ユーロの相対力指数(RSI、14日ベース)は対円、対ドルとも に、売られ過ぎの目安となる30を割り込んでいる。また、米商品先物 取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイル取引所(C ME)国際通貨市場(IMM)では、ユーロ通貨先物(非商業部門) の取組残高は2日時点で4万3741枚の売り越しと、売り越し幅は過去 最大の水準に膨らんでいる。

一方、ドル・円相場はユーロを中心としたクロス・円(ドル以外 の通貨の対円相場)での円売りが波及する格好となり、一時1ドル= 89円61銭と、2営業日ぶりの円安値を付けている。

欧州で広がっている財政懸念の震源地となったギリシャでは、前 日の株式市場で、指標のアテネ総合指数が72.51ポイント(3.9%)安 の1806.4と、昨年4月以来の安値を付けた。また、ギリシャとドイツ の10年物国債の利回り格差は1月29日以来の水準に拡大している。

そうした中、11日のEU首脳会議を控えて、ファンロンパイEU 大統領(首脳会議常任議長)は、EU首脳らに送付した8日付の書簡 で、今回の会議では長期的な経済戦略に重点を置いた討議を行いたい 意向を示した。ただし、ギリシャの財政危機には直接言及していない。

ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相は、財政問題の解決に向 け外部に支援を要請すれば、投資家に「最悪のシグナル」を送ること になると述べるなど、自力解決の姿勢を崩していない。

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