パイオニア:海外で公募増資、三菱2社出資-株式5割増

経営再建中のパイオニアは9日、3 月初旬に公募増資を海外で実施すると発表した。昨春以来調整を進めて きた再建資金の調達が目的。再建の柱である自動車関連強化に向けて三 菱電機や三菱化学の出資も受け、最大で発行済み総数の5割に当たる新 株を発行。また、過去3回延期していた自動車国内2位ホンダからの 25億円調達も、3月末までに実施するとしている。

発表資料によると、海外での公募増資では8000万株を発行、需給 動向を見て最大1200万株を追加する。実際の調達額は今後の株価推移 を基に23-25日に決める。9日東証で会見した小谷進社長は「最低で も200億円」の調達を想定し8000万株という株数を定めたと語った。

9日に金融当局に提出した臨時報告書では、8日の株価終値382 円を基準に手取り概算上限を335億円と記載。前日比8.6%下落した9 日終値349円を基にすると調達額は数十億円下回る計算。

また、2002年以来の業務提携先である三菱電機から最大1000万株 の割り当てを通じ25億円の出資を、三菱化学からも同240万株で6億 円の出資を、それぞれ受ける。

払い込みは海外公募、両社からの出資とも3月2-4日。これに伴 い、昨年末時点で2億1006万株だったパイオニアの発行済み株式総数 は、最大で50%増えて3億1446株となる見込みだ。

パイオニアは三菱電による出資を通じ、カーナビゲーションなどで の提携を強化、三菱化学とは次世代型製品として注目される有機EL照 明の事業展開を進める方針。

会見に同席した岡安秀喜専務が明らかにしたところでは、昨年末時 点で16.9%だった連結自己資本比率は、公募増資による取得額が250 億円程度だった場合で「5%前後上昇する」見通しだ。

再成長に向け

パイオニアは昨年4月発表の中期経営計画で、今期から計2年間で リストラや転換社債償還に計400億円程度が必要として調達策を模索。 公的資金の活用やファンドの出資受け入れも視野に入れたが全体的な 計画がまとまらず、ホンダによる出資も延期が続いていた。

業績回復を理由に昨年11月には、調達規模を200億円程度に半減 させると表明していた。9日の発表資料では、転換社債償還には自己資 金を充て、公募やホンダなどからの調達資金は 自動車関連強化などの 成長資金に回すと明記した。

パイオニアは合わせて今期(10年3月期)損益予想を、リストラ 進行などを理由に上方修正。中計の収益目標も変更した。来期の営業利 益計画は従来比20億円上積みして170億円とした。5月には新中計を 発表の予定。

小谷社長は会見で、資金調達についてファンドなども含め「あらゆ る選択肢を検討してきた」ものの、業績回復などから「一般の市場から 調達できる状況まで改善した」と強調。今期中に構造改革に区切りをつ け、来期から再成長を目指すと言明した。

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