冶金工株昨年4月来安値、ステンレス弱含み一転赤字と無配

ステンレス鋼・加工品を製造する日 本冶金工業株が大幅に5日続落。ステンレス特殊鋼の需要弱含みや原 料価格の上昇などが響き、今期損益は一転赤字に落ち込む見通し。年 間配当も見送ることになり、収益環境の厳しさが嫌気された。一時前 日比17%安の263円と昨年4月9日(安値261円)以来、10カ月ぶり の安値を付けた。

冶金工が8日発表した業績予想修正によると、今期(2010年3月 期)の連結最終損益は130億円の赤字になる見通し。従来は5億円の 黒字転換を見込んでいたが、一転赤字となる。前期実績は113億円の 赤字。業績の大幅な落ち込みを受け、3円を予定していた年間配当は 無配(前期は8円)にする。

前期末に底を打ったステンレス特殊鋼需要は、今期に入り第1、 第2四半期と一般材、高機能材とも順調に回復したが、第3四半期に 入ると一般材需要が再び弱含みに転じ、その生産販売水準は直近ピー クの7割程度に低下している。原料価格上昇に対応した製品価格への 転嫁の遅れも利益を圧迫。さらに、連結子会社での構造改革に伴う特 別損失が24億円発生する。

日本格付研究所(JCR)は8日、冶金工の長期優先債務につい て、クレジット・モニター(BBB/ネガティブ)の対象としたこと を公表している。ネガティブは、格下げの可能性が高いことを示す。

JCRは冶金工について、売上高の約7割を占める一般材で主力 である国内建設向けの需要が低迷、今後もしばらく回復は見込みにく いと指摘。また、ステンレス鋼の販売価格についてはニッケル・サーチ ャージ制が浸透しているものの、需要の落ち込みによって需給が緩み、 完全には機能していないもよう、との認識を示した。財務面でも、自 己資本のき損が顕著で、引き続き厳しい事業環境が見込まれる中、格 付けに対する下方圧力が強まっていることからクレジット・モニター にした、とリポートで説明している。

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