3カ月TB利回り上昇、資金手当てに不安感-新型オペは需要増加

財務省が実施した国庫短期証券(T B)3カ月物の入札では、落札利回りが上昇した。レポ(現金担保付 債券貸借)金利が上昇する中、TBの発行日の資金手当てに対する不 安感が強かった。

TB87回債の入札結果は、最高利回りが前回比0.5ベーシスポイ ント上昇の0.1183%、平均利回りは0.4bp高い0.1175%になった。入 札前の取引は0.1175%、入札後は0.1175%の売り気配、0.1183%の買 い気配で様子見。応札倍率は4.34倍と前回(5.69倍)から低下した。

証券会社の資金調達コストを示すレポが0.12%前後と高止まり し、TB3カ月物利回りは足元で逆ザヤの状態だ。落札利回りが

0.115%を下回っていた前回債や前々回債は投資家への販売が進まず、 ディーラーの在庫が積み上がっていた面もある。

87回債の発行日である15日は国から年金が払い込まれる資金余 剰日で、投資家の需要も期待された。ただ、ディーラーが在庫を抱え た場合、資金手当てに不安が強かった。レポの一段上昇が予想される 上、同日は国債決済の集中日で、レポ市場に資金が流れにくい傾向が あるためだ。

日銀の資金供給に期待

レポ高を背景に、日銀の資金供給オペに対する需要が旺盛だ。1 カ月物の全店共通担保オペ1兆円の応札倍率は5.62倍と高水準。落札 金利は0.11-0.12%だった。国債買い現先オペ8000億円は0.11%の 案分比率が9.9%と低く、0.12%の落札が増加。応札倍率は4.85倍だ った。

3カ月物の新型オペ8000億円(利率0.1%、期日5月11日)は、 期日が5月の大型連休を越えた影響もあり、応札倍率が前回の5.83 倍から7.43倍に急上昇。案分比率は17.2%から13.5%に低下した。

市場では、新発3カ月物を落札する一方、3月下旬や4月上旬に 償還する期間の短いTBを売る動きが指摘された。今週は既発の3カ 月物や6カ月物を0.1175-0.1225%で処分売りする動きも指摘され ていた。

国内証券のTBディーラーは、新発3カ月物利回りについて、

0.116-0.118%は逆ザヤの水準で、投資家が購入したい水準を下回っ ていることも確かだが、我慢すれば日銀が潤沢な資金供給で来週のレ ポ金利を抑えてくれるとの期待があるという。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、「利回りが上がっても投資家の 需要は高まらなかったとみられ、15日のレポも上昇しそうだ。ただ、 来週は日銀の資金供給が増えて再び落ち着く方向だろう」という。

また、銀行がTB購入を進めるとの見方もある。日銀が8日に発 表した1月の貸出・資金吸収動向によると、銀行貸出平均残高は前年 同月比1.7%減と、2カ月連続で減少しており、余剰資金が膨らんで いる。

決定会合を意識、オペ拡充は効果限定

国内大手銀行のディーラーは、レポ金利の若干の上振れは日銀も 許容している様子で、今週は供給オペの実施額が期日到来額を下回っ た影響が出たという。ただ、平均してみればレポは低水準で抑えられ る上、年度末を控えて、来週の日銀金融政策決定会合も意識されると いう。

欧州の財政問題を背景に金融市場が不安定化する中、市場では円 高・株安が日銀に更なる緩和を求める圧力になるとの声が多い。市場 では、新型オペの期間を3カ月物から6カ月物に延長する方策や、供 給目標額10兆円の引き上げが予想されている。

もっとも、国内証券のディーラーは、日銀は市場機能をできるだ け維持する金融調節姿勢を継続しており、新型オペの拡充はアナウン スメント効果はあっても、実質的な緩和効果は限られると予想してい る。

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