東京外為:ユーロ反発、下落に行き過ぎ感-EU首脳会議に注目

東京外国為替市場では、ユーロが反 発。ギリシャの財政悪化問題をめぐる先行き不透明感が根強く残るも のの、ユーロの下落に行き過ぎ感が生じており、買い戻し優勢の展開 となった。

日興コーディアル証券国際市場分析部の為替ストラテジスト、松 本圭史氏は、テクニカル的にユーロ下落の行き過ぎ感が生じているほ か、投機筋のユーロ売り持ち高も過去最高水準に達するなど、目先は ユーロ安の進行が「小休止」になりやすい状況だと説明。ただ、市場 のセンチメントは依然として「ネガティブ方向にバイアスがかかって いる」として、ユーロの下落基調が戻る可能性が高いとみている。

ユーロ・ドル相場は午後の取引で一時1ユーロ=1.3728ドルと、 2営業日ぶりのユーロ高値を付けた。ユーロ・円相場も午後に一時1 ユーロ=122円92銭と、2営業日ぶりの水準までユーロが上値を切り 上げた。

ユーロの相対力指数(RSI、14日ベース)は対円、対ドルとも に、売られ過ぎの目安となる30を割り込んでいる。また、米商品先物 取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイル取引所(C ME)国際通貨市場(IMM)では、ユーロ通貨先物(非商業部門) の取組残高は2日時点で4万3741枚の売り越しと、売り越し幅は過去 最大の水準に膨らんでいる。

一方、ドル・円相場はユーロを中心としたクロス・円(ドル以外 の通貨の対円相場)での円売りが波及する格好となり、一時1ドル= 89円61銭と、2営業日ぶりの円安値を付けている。

この日の午前には、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が、 11日に予定されている欧州連合(EU)の首脳会議出席に向けて、オ ーストラリア準備銀行(RBA)開催のシンポジウムのために訪れて いたシドニーを、予定より1日早く出発すると伝わっていた。

これを受けて、資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏 調査役は、ギリシャの財政問題に関して、「何らかの方策を打ってくる のではないかという期待から、ユーロの買い戻しにつながった面もあ る」と説明している。

欧州の財政懸念根強い

欧州で広がっている財政懸念の震源地となったギリシャでは、前 日の株式市場で、指標のアテネ総合指数が72.51ポイント(3.9%)安 の1806.4と、昨年4月以来の安値を付けた。また、ギリシャとドイツ の10年物国債の利回り格差は1月29日以来の水準に拡大している。

JPモルガン・チェース銀行為替資金本部の棚瀬順哉シニアFX ストラテジストは、ギリシャの財政問題について「引き続き懸念が根 強い」としたうえで、早期解決は見込みにくいと指摘。不透明感を背 景にリスク回避的な動きがしばらく続くとみている。

そうした中、11日のEU首脳会議を控えて、ファンロンパイEU 大統領(首脳会議常任議長)は、EU首脳らに送付した8日付の書簡 で、今回の会議では長期的な経済戦略に重点を置いた討議を行いたい 意向を示した。ただし、ギリシャの財政危機には直接言及していない。

ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相は、財政問題の解決に向 け外部に支援を要請すれば、投資家に「最悪のシグナル」を送ること になると述べるなど、自力解決の姿勢を崩していない。

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