債券先物が3日連続上昇、株続落や30年債入札結果順調で買い安心感

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債券先物が3営業日連続で上昇(利 回りは低下)。欧州各国の財政不安からリスク回避姿勢が強まり、日経 平均株価が続落したことで円債市場では先物中心に買いが優勢だった。 この日の30年債入札が順調となったことも買い安心感につながった。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファン ドマネジャーは、「30年債入札結果は良かった。入札を無事にこなし たことが大きい。世界的に株価が下落してリスクを落としている中、 先物主導で値を上げた。海外勢がショートカバー(売り建ての買い戻 し)を入れたのではないか」と述べた。

東京先物市場の中心限月3月物は、前日比3銭高の139円13銭で 始まった後、日経平均株価が一時プラスに転じる場面では売りが優勢 となり、4銭安まで下げた。しかし、再び株価が下げると買い優勢と なり、午後に入って上げ幅を拡大。139円39銭まで上昇して、1日以 来、約1週間ぶりの高値をつけた。結局は23銭高の139円33銭で引 けた。

ブルームバーグ端末によると、先物の3日続伸は中心限月ベース で昨年11月以来およそ3カ月ぶり。

先物主導の相場上昇について、みずほ証券の三浦哲也チーフマー ケットアナリストは、「利回り曲線上で短期ゾーンと超長期ゾーンが安 定しているので、膨らんでいる先物と連動性の高い7年ゾーンが買い やすくなっている」と説明した。

長期金利は一時1.335%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の305回債は前 日比変わらずの1.355%で取引を開始した。その後は、徐々に水準を 切り下げ、午後に入ると2ベーシスポイント(bp)低い1.335%と1 日以来の低水準をつけた。午後2時55分前後からは1.5bp低い1.34% で推移している。

DIAMアセットの山崎氏は、世界的に財政リスクが焦点となっ ているものの、「日本は外国人投資家比率が低く、経常黒字国で円高に なっている。一方で、ギリシャ、ポルトガルなどは外国人投資家の比 率が高く、ユーロも売られている」と違いを挙げ、円債は売りづらい との見方を示した。

8日の米国市場では、ダウ平均が前日比103ドル84セント安の 9908ドル39セントと約3カ月ぶりに終値で1万ドルを下回った。欧 州の財政悪化により景気回復が阻害されるとの懸念が強まった。

30年入札順調、テール大幅縮小

財務省がこの日実施した表面利率2.2%の30年利付国債(31回債、 2月発行)の価格競争入札では、最低価格が98円10銭、平均落札価 格は98円15銭となった。

最低価格は事前予想の98円5銭を若干上回り、最低と平均価格の 格差(テール)は前回34銭から5銭へ大幅に縮小し、投資家の需要の 強さが示された。応札倍率は3.87倍と前回の3.53倍から上昇した。 また、日経テレコンによると、この日に実施された30年利付国債の入 札で、みずほ証券が913億円を落札した。

RBS証券の徐瑞雪ストラテジストは、入札結果について、事前 の市場予想を若干上回ったと指摘。「投資家は運用資金を潤沢に持って いる」と述べた。入札を無事に通過したことで、超長期債が堅調。新 発20年債利回りは一時1bp低い2.135%、新発30年債利回りは1.5bp 低い2.30%まで低下した。

野村証券クオンツチームの試算によると、今月末の債券インデッ クス(指数)の伸長が0.21年とかなり長くなる見通し。同証券の松沢 中チーフストラテジストは、「もともと2月は伸びやすいが、昨年同月 の0.16年と比べてもかなり長め。年金による保有債券の年限長期化需 要も出てくるだろう」と見込んでいる。

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