キリンHD:海外での事業拡大を模索-サントリーとの交渉決裂で

ビール国内首位のキリンホールディ ングスは、同3位のサントリーホールディングスとの経営統合交渉が決 裂し、今後は海外での事業展開を拡大する計画だ。両社は統合新会社に 移行する上での統合比率などで一致しなかった。

キリンの加藤壹康社長は7日、記者団に対し、「我々は成長戦略の ひとつとしてM&Aとしっかりとしたパートナーを見つけることを非 常に重視する」と述べた。

キリンは低迷する国内売り上げを補うため、オーストラリアのアル コール飲料メーカー、ライオンネイサンなど海外での企業買収に過去3 年間で約70億ドル(約6258億円)を投じてきた。

アトランティス・インベスメントのエドウィン・マーナー社長は、 「日本市場は拡大するといっても緩やかなペースでしか伸びないだろ う。つまりキリンは海外に進出する必要があるということだ。海外進出 の最善策は企業の合併・買収(M&A)だ。キリンは買い手候補の企業 を模索するだろうが、一段と積極的に動くだろう」と述べた。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、キリンは国内需要の強い 中国などのアジア諸国でパートナー企業を求める可能性があると指摘 した。

統合交渉決裂

株式非公開企業であるサントリーの創業家一族は、統合交渉の中で 新会社でも株主総会で合併などの重要事項を否決できる33.4%以上の 株式を保有できるよう求めていた。キリンは発表資料の中で「統合新会 社は、公開会社として経営していくことを前提に、経営の独立性・透明 性が十分に担保されるべき」との考えを持っていたが、この点において サントリーとの間で「認識の相違」があったと説明した。

匿名を条件にしたサントリー幹部によると、サントリー側は統合後 の新会社でキリン1株に対しサントリー株0.9前後の比率を望んでい た。実現していた場合、サントリーの価値は先週末のキリン終値ベース で算出すると8920億円だった。

原題:Kirin Seeks Overseas Expansion After Abandoning Suntory Merger

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