今日の国内市況:日経平均1万円割れ、債券先物が上昇-ユーロ下落

東京株式相場は3日続落し、日経平 均株価は約2カ月ぶりに1万円の大台を割り込んだ。欧州諸国の財政リ スクから為替市場での円高警戒が根強く、精密機器や電機、ゴム製品な ど輸出関連株が業績懸念で安い。サントリーホールディングスとの経営 統合交渉が決裂したキリンホールディングスは急落した。

日経平均株価の終値は前週末比105円27銭(1.1%)安の9951 円82銭と、終値では昨年12月10日以来の1万円割れ。TOPIXは

8.77ポイント(1%)安の883.01。

東証1部の業種別33指数は29業種が下落、上昇は電気・ガス、証 券・商品先物取引など4業種。ゴム製品、精密、食料品、電機、石油・ 石炭製品などの下落率が大きかった。値下がり銘柄数は1155、値上が り396。

欧州の財政リスクや米国の金融規制、アジアの金融引き締めなどに 対する不透明感は週明けになっても晴れず、買い材料は良好な企業業績 に限定された。内需関連中心にいったんは株価指数がプラスに浮上する 場面もあったが、午後はじり安展開。東証1部の売買代金も1兆2919 億円と今年3番目と低調だった。売買高は同19億9663万株と4営業 日ぶりの20億株割れ。

先週末の米国株市場では、EUがギリシャとスペインの財政赤字対 策を打ち出す可能性があるとの観測が広がったことなどから、米ダウ工 業株30種平均は10ドル(0.1%)高と3日ぶり小幅反発した。ただ、 4日の下げ(268ドル、2.6%)に比べた戻りは限定的で、欧州諸国に 対する目立った好材料は週末には見られなかった。

為替市場では、円が対ユーロで121円台と5日の東京株式市場終値 時点(122円70銭)に比べ円高で推移しており、米株下落への警戒感 もあり、輸出関連株は終始軟調、欧州地域での売り上げ比率が高い精密 機器指数は、東証1部の業種別下落率で2位となった。

食料品指数も業種別下落率で3位と下げが顕著だった。統合新会社 に移行する際の統合比率などで一致せず、サントリーとの統合交渉が決 裂したキリンHDは、失望売りから午後に急落。業界再編期待の後退か ら、アサヒビールやサッポロホールディングスなど食品株はビール株中 心に午後はじり安となるものが増えた。

債券先物が上昇、中期債も高い

債券先物が上昇(利回りは低下)。前週末の米国債相場が雇用者減 少や南欧諸国の財政懸念を受けて上昇した地合いを引き継いだ。国内市 場で日経平均株価が1万円台を割り込んだことも買い材料となり、先物 のほか、中期債が高くなった。

東京先物市場の中心限月3月物は続伸。前週末比8銭高の139円1 銭で始まった後、いったんは2銭安まで下げた。しかし、日経平均株価 が午後に入って下げ幅を拡大させると、再び買いが優勢となり、終了間 際に19銭高の139円12銭まで上昇した。結局は17銭高の139円10 銭で取引を終えた。

朝方は、5日の米国債相場が上昇したことが買い材料となった。米 国債市場では、欧州での財政懸念のほか、米雇用者数減少が米景気回復 の遅れを示唆しているとの見方から、米国債の安全性を求める動きが広 がった。2年債利回りは2カ月ぶりの水準に低下した。米労働省が発表 した1月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比2万人減少し た。一方、家計調査に基づく失業率は前月の10%から9.7%に低下した。

現物債市場で、長期金利の指標とされる新発10年物の305回債利 回りは前週末比1ベーシスポイント(bp)高い1.365%で開始した。そ の後は、徐々に水準を切り下げ、午後2時50分前後からは前週末比横 ばいの1.355%で推移している。

一方、中期債は堅調。新発5年債利回りは前週末比1bp低い

0.515%に低下している。株安や円高傾向に加えて、景気に対する不安 が根強いことが支援材料になっている。日本銀行の山口広秀副総裁は8 日の衆院予算委員会で、日本の景気について持ち直しが続くが、今夏ま では厳しい状況と指摘した。

ユーロが下落、欧州ソブリンリスク重し

東京外国為替市場ではユーロが下落。ギリシャやポルトガルなど南 欧諸国の財政リスクに対する懸念を背景に、ユーロには引き続き売り圧 力がかかった。

ユーロは対ドルで1ユーロ=1.37ドル台前半から一時、1.3622ド ルまで下落。前週末に付けた昨年5月20日以来の安値1.3586ドルを 試すほどの勢いはなかったが、その後の戻りも鈍く、午後にかけては

1.36ドル台前半でもみ合う展開となった。

ユーロ・円は前週末に昨年2月24日以来、約1年ぶりのユーロ安 値、1ユーロ=120円71銭を付けたが、週明けの東京市場でも軟調な 日本株を背景としたユーロ売り・円買いに、122円台後半から一時、121 円56銭まで値を切り下げた。

一方、ドル・円相場は対ユーロでの円買い、ドル買いが交錯し、1 ドル=89円台前半を中心に一進一退の展開が続いた。

債券ファンド大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメ ント(PIMCO)の共同最高投資責任者(CIO)のモハメド・エル エリアン氏は、ギリシャが財政赤字の是正に取り組む中で外部での資金 調達が必要になるだろうとの見方を示した。同氏は8日のシドニーでの 記者会見で語った。

ギリシャでは今月、欧州連合(EU)最大となる同国の財政赤字を 削減する追加措置を政府が発表、欧州委員会からの承認を得たが、賃金 凍結や歳出削減に対し労組が反発を強めており、赤字削減計画の実行が 危ぶまれている。

また、ギリシャの財政不安はポルトガルやスペインにも飛び火して おり、クレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場では先週、これ ら3カ国の国債保証コストが過去最高水準に上昇。週末にはEUがギリ シャとスペインの財政赤字対策を打ち出す可能性があるとの観測が広が り、米国株やユーロの反発につながったが、市場の疑心暗鬼は根強く、 週明けの取引では再びユーロが売られる展開となった。

欧州の財政リスクや米国の新金融規制、アジアの金融引き締めに対 する警戒感がくすぶる中、週明けの東京株式相場は3日続落。外国為替 市場では、株安が投資家のリスク許容度低下につながるとの見方から、 高金利通貨を売って、低金利の円やドルを買う動きが見られた。

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