【経済コラム】強気相場の第2波が来る、乗り遅れるな-Jドーフマン

【コラムニスト:John Dorfman】

2月8日(ブルームバーグ):米株式市場全体を映す適切な指標で あるS&P500種指数が、1月19日から2月4日までの間に約8%下 げた。

オバマ米大統領が打ち出した金融機関に対する事実上の特別税や、 医療保険制度改革法案をめぐる議会審議の行き詰まりなどが、株価の 下落を引き起こした要因だが、株式市場の一部専門家は、2009年3月 9日から始まった上昇局面が既に終わったか、終わりが近いことを示 す兆候とみている。

わたしの考えでは、この最近の下落はごく当たり前の現象にすぎ ず、相場上昇は今後も続くだろう。ネッド・デービス・リサーチ(N DR)によれば、株式市場では通常、5%以上の下落が平均して年少 なくとも3回、10%以上の急落が1回は巡ってくる。わたしは相場の 上昇局面が今後再び始まり、不愉快な中断があったとしても、ほぼ年 内いっぱい、場合によってはもっと長く続くと考えている。

わたしのお気に入りのアナリストの一人であるネッド・デービス 氏率いるNDRのチームは、4-6月(第2四半期)と7-9月(第 3四半期)に株価が下落し、ことによると「ミニ弱気相場」入りする 可能性すらあるが、その後再び上昇に転じると予想。この6カ月間は 「生活必需品」「ヘルスケア」「公益」「通信」のディフェンシブ銘 柄を購入するよう推奨する一方、これらの銘柄が200日間移動平均線 を突破すれば、投資家は上昇相場に乗るべきだと指摘する。

しかし、わたしは今年の相場が協奏曲のように「上昇」「下落」 「上昇」の3つの異なる楽章に分かれるとはみておらず、ディフェン シブな投資姿勢を取ろうとはしていない。むしろ年間を通じてのこぎ りの歯のように往きつ戻りつし、上昇の回数が下落の回数を上回る相 場展開を予想しており、「素材」「エネルギー」「工業」のオフェン シブ銘柄に投資する姿勢を堅持している。

景気敏感銘柄は「上げ潮」

素材セクターでは、わたしは最近、フォスフェート(リン酸塩) などの水処理用の化学製品を製造する中小の化学メーカー、イノフォ ス・ホールディングス(米ニュージャージャー州)の株式を購入した。 化学メーカーは鉄鋼や他の金属メーカーと同様、景気の波につれて上 げ下げするが、わたしの見方では今は上げ潮になりつつある。

09年10-12月(第4四半期)の米国の実質GDP(国内総生産) は年率換算で前期比5.7%増と、03年第3四半期以来の高い伸びを記 録。民間調査機関コンファレンス・ボードの景気先行指標総合指数も 昨年12月まで9カ月連続の上昇となった。自動車販売が増加し、住宅 価格も多くの都市で堅調となっているほか、ハイテク受注も上向きつ つあり、景気回復が長続きすることをすべてが示唆している。

向こう1-2年はエネルギー株を推奨

大半の強気相場では、株価上昇の最初の40%程度は景気回復が始 まる以前の段階で起こる。今回は昨年3月から9月の期間がこれに相 当するだろう。残り60%については通常、もっと緩やかかつ断続的な ペースでその後1、2年かけて上昇する。この強気相場の「第2段階」 において、エネルギー関連株の成績はかなり良い。

エネルギー関連でお気に入りの銘柄は多いが、その一つが石油・ 天然ガス掘削業者アトウッド・オセアニクスだ。同社はテキサス州ヒ ューストンを拠点とするが、国内収入が全体の5%未満にすぎず、地 中海や黒海、アジア、オーストラリアの沖合掘削事業からの収入が大 半を占める。09年9月期の総収入は5億8700万ドルと、景気下降に もかかわらず04年9月期の1億6100万ドルから大幅に増加している。

お買い得な工業株も

魅力的な工業株も多いが、ツイン・ディスクもその一つだ。オフ ロード車やヨットなど大型船舶用のトランスミッション(変速装置) を製造する同社の株価は、悪夢の年だった08年に35ドル前後から約 7ドルまで急落。その後わずかに回復したが、なお10ドルを若干下回 っており、現在の一株当たり純資産額に近い水準は「買い得」の可能 性を示すサインと受け止められる。

株価収益率(PER)は30倍近くと芳しくないが、わたしの考え では、それは利益が一時的に消滅しているためだ。09年6月期に1株

1.03ドルの利益を計上したが、10年6月期の利益は18セント前後に 落ち込む見通し。ただ、11年6月期には94セントまで持ち直すとア ナリストらはみている。

ツイン・ディスクの経営は順調であり、たまたま景気に敏感だっ ただけだ。若干の打撃を被ったが、今度は利益を得る番だと思う。

情報開示ノート:わたしはイノフォスとツイン・ディスクの株式 を自己勘定と顧客勘定で保有している。アトウッド・オセアニクスに ついては、現時点でロング(買い持ち)とショート(売り持ち)いず れのポジションもとっていない。

(ジョン・ドーフマン)

(サンダーストーム・キャピタルの会長を務めるジョン・ドーフ マン氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。コラムの 内容は同氏自身の見解です)

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