キリンHD、サントリー:統合交渉決裂、比率で歩み寄れず

ビール国内首位のキリンホールディ ングスと同3位のサントリーホールディングスの経営統合交渉が8日、 決裂した。統合新会社に移行する際の統合比率などで一致しなかった。 ビール世界一企業の結成を目指した交渉は半年余りで打ち切られた。

キリンHDは東証で8日開示した資料で、公開会社を前提とした統 合新会社の独立性・透明性でサントリーとの認識に相違があったと指摘 した。サントリーもサイトの資料で、統合比率を始めとしてキリンHD と見解が違ったとした。統合比率でサントリーは創業家の資産管理会社 が統合新会社の3分の1超の株式を保有できる水準を望んでいた。

2社は昨年7月14日、少子化の日本から海外に収益源を求めて統 合交渉入りしたことを表明した。実現すれば売上高が3兆8000億円 (2008年12月期)と清涼飲料世界最大手コカ・コーラやABインベブ を上回る巨大企業が誕生していた。財務アドバイザー(FA)はキリン HDが三菱UFJ証券、サントリーはゴールドマン・サックスだった。

東海東京調査センター角山智信アナリストは、2社の統合交渉破談 について「国内食品業界は過当競争により再編が必須で中長期にポジテ ィブではない」と指摘、「今後の再編に向けての考えを聞きたい」とコ メントした。富国生命投資顧問の桜井祐記社長は「少子高齢化で国内が 行き詰るの中で世界的な企業ができると思ったが残念だ」と述べた。

キリンHDの加藤壹康社長は東証で会見し、キリンHDが提案した 統合比率は企業価値を査定した結果で、サントリー創業家の資産管理会 社の持ち株比率を3分の1以下にする狙いはなかったと述べた。比率は 最後の詰めまで行かなかったことも明らかにした。交渉決裂に伴う違約 金は発生しないとしている。

一方、サントリーの佐治信忠社長は、統合比率の不一致が交渉打ち 切りの背景とした上で「今後はグローバルに成長する世界有数の総合酒 類食品企業を目指して積極的な挑戦を続ける」とするコメントをFAX で寄せた。サントリーとの交渉決裂を受けてキリンHD株は午後の取引 で下げ幅を拡大、一時前週末比で122円(8.5%)安の1321円まで下落 している。

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