弱いドルは錯覚、35年前に相当する価値-相関・加重指数示す

米国の1兆6000億ドル(約143 兆円)に上る財政赤字や過去最高水準の債務負担をめぐるあらゆる懸 念にもかかわらず、ドルの価値は今でも35年前と変わらないようだ。

ブルームバーグの相関・加重通貨指数によると、貿易の状況を考 慮して10カ国・地域(G10)の通貨を比べた場合、ドルは1975年 の水準を約3%上回っている。75年は、金本位制を採用したブレトン ウッズ体制が崩壊した4年後に当たる。英ポンドは34%、カナダ・ド ルは6%それぞれ下落した。

同指数によると、ドルは2009年1-11月に12%下落した後、 6%上昇した。バークレイズ・キャピタルやモルガン・スタンレーに よると、今年と来年の米成長率は他の先進諸国を上回る見通しだ。一 方、欧州はギリシャやスペイン、ポルトガルの財政悪化に直面。日本 経済は苦戦しており、新興市場のバリュエーションへの懸念も強まっ ている。

ブラウン・ブラザーズのシニア通貨ストラテジスト、ウィン・ ティン氏は「ドルの崩壊に関する報告は大いに誇張されている」と指 摘している。

それが最も顕著なのは米国債市場だ。米財務省によると、海外勢 が保有する米政府債務は09年1-9月に17%増の3兆6000億ドル に膨らんだ。

米国債の購入は、投資家がユーロ圏のソブリン信用リスクの高ま りから逃れようとするなかで拡大が続く可能性がある。バークレイ ズ・キャピタルの外国為替ストラテジスト、デービッド・ウー氏(ロ ンドン在勤)らは5日付リポートで、ドルは米国債市場の流動性によ る恩恵を受けると予測した。

米成長率

バークレイズ・キャピタルのエコノミストらは同じ日のリポート で、今年の米国内総生産(GDP)が3.6%増、来年は3.1%増にな るとの見通しを示した。他の先進国についてはそれぞれ2.5%、2.6% 増を予想。日本は今年1.9%、ユーロ圏は1.3%の成長にとどまると みている。

モルガン・スタンレーは4日、ドルの見通しを上方修正した。従 来は年末までの予想を1ユーロ=1.32ドルに設定していたが、1.24 ドルに引き上げた。ドルは先週末遅く、1.3678ドルだった。同社は ドルが対円では109円、対ポンドでは1.49ドルに上昇すると予測し ている。

相関・加重通貨指数は75年1月2日の水準を100として算出し ている。ドルに関する指数は先週102.55で終了し、基準日以来

2.55%の上昇を示した。円は395.32と最大の上昇を示しており、ス イス・フランが271.08、ユーロが107.58と続いている。ユーロの 指数は、99年の導入以前についてはドイツ・マルクの相場を参考にし ている。

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