ユーロ下落、欧州のソブリンリスクが重し-株軟調でリスク回避圧力

東京外国為替市場ではユーロが下 落。ギリシャやポルトガルなど南欧諸国の財政リスクに対する懸念を 背景に、ユーロには引き続き売り圧力がかかった。

ユーロは対ドルで1ユーロ=1.37ドル台前半から一時、1.3622ド ルまで下落。前週末に付けた昨年5月20日以来の安値1.3586ドルを 試すほどの勢いはなかったが、その後の戻りも鈍く、午後にかけては

1.36ドル台前半でもみ合う展開となった。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクター、斎藤裕司氏 は「前週末のニューヨーク市場でもECB(欧州中央銀行)の緊急理事 会のうわさなどが出ていたが、ユーロは相変わらずソブリンリスクを抱 えている状況で、依然として下値不安が強い」と語る。

ユーロ・円は前週末に昨年2月24日以来、約1年ぶりのユーロ安 値、1ユーロ=120円71銭を付けたが、週明けの東京市場でも軟調な 日本株を背景としたユーロ売り・円買いに、122円台後半から一時、121 円56銭まで値を切り下げた。

一方、ドル・円相場は対ユーロでの円買い、ドル買いが交錯し、1 ドル=89円台前半を中心に一進一退の展開が続いた。

南欧の財政不安

債券ファンド大手、パシフィック・インベストメント・マネジメン ト(PIMCO)の共同最高投資責任者(CIO)のモハメド・エルエ リアン氏は、ギリシャが財政赤字の是正に取り組む中で外部での資金調 達が必要になるだろうとの見方を示した。同氏は8日のシドニーでの記 者会見で語った。

ギリシャでは今月、欧州連合(EU)最大となる同国の財政赤字を 削減する追加措置を政府が発表、欧州委員会からの承認を得たが、賃金 凍結や歳出削減に対し労組が反発を強めており、赤字削減計画の実行が 危ぶまれている。

また、ギリシャの財政不安はポルトガルやスペインにも飛び火して おり、クレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場では先週、これ ら3カ国の国債保証コストが過去最高水準に上昇。週末にはEUがギリ シャとスペインの財政赤字対策を打ち出す可能性があるとの観測が広が り、米国株やユーロの反発につながったが、市場の疑心暗鬼は根強く、 週明けの取引では再びユーロが売られる展開となった。

株安でリスク回避

欧州の財政リスクや米国の新金融規制、アジアの金融引き締めに対 する警戒感がくすぶる中、週明けの東京株式相場は3日続落。外国為替 市場では、株安が投資家のリスク許容度低下につながるとの見方から、 高金利通貨を売って、低金利の円やドルを買う動きが見られた。

斎藤氏は「来週から中国が旧正月の休みに入るため、ただでさえ 市場が縮小していく状況にある中、欧州に対する懸念などからリスクを 落としていく動きが商品や株などいろいろなところで起きている」と解 説する。

また、HSBC為替資金本部外国為替営業部の花生浩介部長は、米 雇用統計、G7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)と週末のイベント を「ある意味サプライズなく」通過したことで、先週末までのトレンド を引きずる形になっていると説明。「金融市場が依然として不安定で、 特に株が危なく、ユーロ全般についてはギリシャなどの話があるため、 ユーロ・円には売り圧力がかかりやすい」と指摘している。

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