債券先物上昇、米債高や日経平均株価1万円割れで買い-中期も高い

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(第2、8段落を追加します)

【記者:池田祐美】

2月8日(ブルームバーグ):債券先物が上昇(利回りは低下)。 前週末の米国債相場が雇用者減少や南欧諸国の財政懸念を受けて上昇 した地合いを引き継いだ。国内市場で日経平均株価が1万円台を割り 込んだことも買い材料となり、先物のほか、中期債が高くなった。

東京海上日動火災保険投資部の岳俊太郎債券投資グループリーダ ーは、「米雇用統計が弱めの結果だったことや、日経平均株価の1万円 割れと、円債を買う外部環境が整っている」と述べた。

東京先物市場の中心限月3月物は続伸。前週末比8銭高の139円 1銭で始まった後、いったんは2銭安まで下げた。しかし、日経平均 株価が午後に入って下げ幅を拡大させると、再び買いが優勢となり、 終了間際に19銭高の139円12銭まで上昇した。結局は17銭高の139 円10銭で取引を終えた。

債券先物が上昇したことについて、三井住友銀行の宇野大介チー フストラテジストは、日経平均株価が午後に入って1万円を割れたま まで推移したほか、クロス円を含めて為替市場で円高となっているこ とを挙げた。ギリシャやポルトガルなど南欧の財政不安が引き続き材 料視されて、ユーロが対円で約1年ぶりの安値水準で推移した。

朝方は、5日の米国債相場が上昇したことが買い材料となった。 米国債市場では、欧州での財政懸念のほか、米雇用者数減少が米景気 回復の遅れを示唆しているとの見方から、米国債の安全性を求める動 きが広がった。2年債利回りは2カ月ぶりの水準に低下した。米労働 省が発表した1月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比2万 人減少した。一方、家計調査に基づく失業率は前月の10%から9.7% に低下した。

長期金利は横ばい

現物債市場で、長期金利の指標とされる新発10年物の305回債利 回りは前週末比1ベーシスポイント(bp)高い1.365%で開始した。 その後は、徐々に水準を切り下げ、午後2時50分前後からは前週末比 横ばいの1.355%で推移している。

JPモルガン・アセット・マネジメントの国部真二債券運用部長 は、「あす30年債入札が行われることもあり、長期ゾーンはもみ合い。 10年債利回りが1.35%を超えていても目立った買いが入らなかった」 と説明した。

年明け以降、投資家の動意は総じて鈍い。東京海上日動火災の岳 氏は、毎年4-6月期に金利上昇パターンを繰り返していることや、 余剰資金は潤沢ながらも国債債発行量が増えているため金利上昇に警 戒感が出ていることを要因に挙げた。

一方、中期債は堅調。新発5年債利回りは前週末比1bp低い

0.515%に低下している。株安や円高傾向に加えて、景気に対する不安 が根強いことが支援材料になっている。日本銀行の山口広秀副総裁は 8日の衆院予算委員会で、日本の景気について持ち直しが続くが、今 夏までは厳しい状況と指摘した。

内閣府は今月15日に発表する昨年10-12月GDP(国内総生産) 統計から季節調整方法を変更する。これを受けて、金融機関各社はG DP予測数字を下方修正している。三井住友アセットマネジメントの 宅森昭吉チーフエコノミストは、「2月初めに発表された市場予測平均 である前期比年率プラス4%台前半程度から1%強低下したプラス 3%台前半が予測のコンセンサスになるのではないか」という。

あす30年債入札

財務省はあす9日、30年利付国債(2月債)の価格競争入札を実 施する。前回入札された31回債と銘柄統合されるリオープン発行で表 面利率(クーポン)は2.2%。発行額は前回債と同じ6000億円程度。

三菱UFJ証券の稲留克俊債券ストラテジストは、あすは30年債 が初めて3カ月連続で入札される第1弾と指摘しながらも、「需要は強 く消化に不安はない」と予想している。30年債入札は9日に続いて、 3月9日、4月13日に行われる。

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