2月5日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが続落。円に対してはほぼ 1年ぶり、対ドルでは8カ月ぶりの安値となった。ギリシャなど一部 の欧州諸国が抱える財政赤字は域内経済の成長の重荷になるとの懸念 が高まった。

ドルは主要16通貨中14通貨に対して上昇した。1月の米雇用 統計で、非農業部門の雇用者数が予想に反して前月比で減少。一方、 失業率は9.7%に低下した。スイス・フランはユーロに対して15 カ月ぶりの高値水準から値下がり。スイス国立銀行(SNB、中央銀 行)がフラン上昇の抑制に向け同通貨の売り介入を実施したとの観測 が広がった。

MFグローバルのアナリスト、ジェシカ・ホバーセン氏(シカゴ 在勤)は「ギリシャの問題が明るみになり、市場はほかにも財政不安 はないか血眼になって探している」と指摘。「既に不安が強いところ に、欧州の債券市場など一連の悪いニュースが押し寄せた」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時57分現在、ユーロは対ドルで3日続 落し、前日比0.5%安の1ユーロ=1.3661ドル(前日は同

1.3723ドル)。一時は同1.3595ドルと、09年5月20日以来 の安値となった。ユーロは対円で0.1%安の1ユーロ=122円12 銭と、09年2月24日以来の安値。前日は3.4%下落した。ドルは 対円で0.4%高の1ドル=89円40銭(前日は同89円5銭)。

ユーロはドルと円に対して週間ベースでは4週連続の下落。ギリ シャやポルトガル、スペインなどのソブリンリスクを背景に、金融政 策当局が政策金利を記録的な低水準で据え置くとの見方が強まってい る。ユーロは対ドルで週間では1.9%安、対円では3.2%値下がり。

波及の観測

ドイツ銀行の為替ストラテジスト、ヘンリック・グルベリ氏 (ロンドン在勤)は、「ギリシャには何らかの形での支援が必要であ り、これこそ市場が求めているものかもしれない」と指摘。「この問 題がさらに波及し、対策に一段とコストがかかるというリスクがある。 問題解決に至るまで不確実性は消えず、引き続きユーロへの重しにな るだろう」と述べた。

欧州中央銀行(ECB)は前日、政策金利を過去最低水準の1% に据え置いた。ECBのトリシェ総裁は利上げを急いでいないことを 示唆した。同総裁はまた、ユーロ圏経済は強固であり、今年の域内の 財政赤字は日本や米国よりも小幅にとどまる公算が大きいとの認識を 示した。

モルガン・スタンレーは、ドルに対するユーロの先安を見込んだ 取引を勧めた。同社はユーロ相場の年末までの見通しを1ユーロ=

1.24ドルとし、従来の同1.32ドルからユーロ安へ修正した。

「内部のゆがみ」

同社は前日配布した電子メールのリポートで「ユーロ圏内のゆが みによりユーロの下振れリスクが大きくなった」と記述した。

将来の相場の変動率の予想を示す1カ月物のユーロ・ドル・オプ ションのインプライド・ボラティリティ(IV、予想変動率)は

12.4%と、3カ月ぶりの高水準に上昇した。前日は11.5%だった。 1カ月物のユーロ・円オプションのIVは一時15.8%に上昇し、過 去2カ月余りで最も高い水準となった。

米労働省が発表した1月の雇用統計によると、事業所調査に基づ く非農業部門雇用者数(季節調整済み)は予想に反して前月比2万人 減少した。建設業や州・地方政府での落ち込みが響いた。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値では1万5000 人増が見込まれていた。一方、家計調査に基づく失業率は9.7%に 低下した。

◎米国株式市場

米株式相場は反発。午後に入り発表された12月の消費者信用残 高が前月比で市場予想ほど減少しなかったほか、欧州連合(EU)が ギリシャとスペインの財政赤字対策を打ち出す可能性があるとの観測 が広がったことが買い材料。

ダウ工業株30種平均は一時は167ドル下げていたが、上げに 転じた。構成銘柄ではネットワーク機器大手シスコシステムズと半導 体のインテル、アルミ生産のアルコアがけん引役となった。銅生産の フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドを中心に商 品株も上昇。S&P500種株価指数の産業別10指数のうち素材株 指数が最大の上昇率となった。原油、金、銅が引け後の時間外取引で いずれも反発したことが背景にある。

MFCインベストメント・グローバル・マネジメントのエクイテ ィトレーダー、ニール・マッサ氏は「EUがギリシャとスペインを救 済する可能性があることから、ショート(売り持ち)のまま週末を迎 えたくないとの思惑が広がった。多くの投資家が売り持ちにしていた が、週末に予期せぬ出来事が起きて身動きが取れなくなることを避け るため、ショートポジションが解消された」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比0.3%高い1066.19。ダウ工 株30種平均は10.05ドル(0.1%)上げて10012.23ドル。前 日に続き一時1万ドルを割り込む場面もあった。

ダウが引け前に急伸

引け前の1時間でダウ平均は120ドル以上も値上がりした。E Uによるギリシャ、スペイン救済観測に加えて、米連邦準備制度理事 会(FRB)が5日発表した消費者信用残高が材料視された。

昨年12月の消費者信用残高は、前月比で17億ドル減少した。 減少は11カ月連続。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミ スト予想中央値では100億ドルの減少が見込まれていた。11月は 218億ドルの減少(速報値は175億ドルの減少)に修正され、過去 最大の減少額を記録した。

週間ベースでのS&P500種は下げ幅を1%未満まで縮小した。 週間ベースの下落はこれで4週連続。各国の債務が拡大するとの懸念 が高まっているほか、中国による融資を抑制する動き、さらにオバマ 米大統領が銀行のリスクテークに制限を設定しようと提案しているこ となどが株式の売りにつながっている。

S&P500種は1月19日に1年3カ月ぶりの高値を記録して 以来、7.3%下落している。

シスコシステムズ

シスコシステムズが高い。資産運用家のマーク・フォビンチ氏は 売り上げの急拡大がシスコの雇用計画の追い風になるとの見方から、 シスコ債に買いを入れていると述べた。

ジョン・チェンバース最高経営責任者(CEO)は、3日の電話 会議で今後数四半期かけて2000-3000人を雇用する計画を明らか にした。

食肉生産最大手、タイソン・フーズは4.7%高。同社の2009 年10-12月(第1四半期)利益はブルームバーグ・ニュースのま とめたアナリスト予想を上回った。鶏肉と牛肉部門の売り上げ増が寄 与した。

工業用ガスを手掛けるエアガスは40%の急伸。S&P500種の 構成銘柄で上昇率トップとなった。同業の米エアープロダクツ・アン ド・ケミカルズは、エアガスの買収案で直接株主に51億ドルの現金 を提示する用意があると表明した。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。2年債利回りは2カ月ぶりの水準に低下した。 欧州での債務懸念のほか、米雇用者数減少が米景気回復の遅れを示唆 しているとの見方から、米国債の安全性を求める動きが広がった。

米労働省が5日に発表した1月の雇用統計によると、事業所調査 に基づく非農業部門雇用者数(季節調整済み)は前月比2万人減少。 家計調査に基づく失業率は前月の10%から9.7%に低下した。ギリ シャやポルトガル、スペインなどのソブリンリスクが欧州の景気回復 の妨げになるとの見方が強まっている。

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で政府債トレーディ ング責任者を務めるマーティン・ミッチェル氏は、「欧州での債務懸 念やこの問題が域内の他国に広がるとの懸念が、米国債を押し上げて いる」と分析。「またこれは、債券以外の市場でも週末を控えたリス ク回避の動きにつながっている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時28分現在、2年債利回りは前日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の0.77%。一時0.72%と、 昨年12月9日以来の低水準を付けた。週間ベースでは5bp低下と なった。同年債(表面利率0.875%、2012年1月償還)価格は前 日比2/32上げて100 7/32。

10年債利回りは4bp低下の3.57%。週間では2bp低下だ った。この日は一時3.53%と、昨年12月21日以来の低水準を付 けた。2年債と10年債の利回り格差は2.80ポイント。1月11日 には過去最大の2.90ポイントまで拡大した。

午後発表された米消費者信用残高の減少幅が市場予想を下回った ことで株式相場が上昇に転じたことから、米国債は上げ幅を縮めた。

ギリシャ、ポルトガル

ICAP(ニュージャージー州ジャージーシティー)のブローカ ー、ポール・ホーマン氏は「ギリシャに関するごたごたを考えると、 週末は米国債を保有するのが安全なようだ」と指摘。「市場は弱気に なっており、リスクを取る動きは見られない」と述べた。

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、欧州企 業の社債保証コストが上昇。マークイットiTraxx欧州指数のス プレッドは4カ月ぶり高水準を付けた。

「しばらく先」

1月の米雇用統計に関しては、非農業部門雇用者数の減少は市場 の予想外の結果だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト予想の中央値では、非農業部門雇用者数は前月比1万5000 人増と見込まれていた。また12月は15万人減と、速報値(8万 5000人減)から下方修正された。

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責任 者、ケビン・ギディス氏は顧客向けリポートで、「失業率は低下した ものの、雇用統計は経済成長への懸念を和らげる内容ではなかった」 と指摘。「最善のシナリオでも、真の雇用回復はまだしばらく先のよ うだ」と記した。

失業率は低下したものの、利上げ機運はまだ高まっていない。ブ ルームバーグのエコノミスト調査によれば、2010年の後半まで利上 げはないと見込まれている。

金利先物相場の動向によれば、FOMCが6月の会合までに政策 金利を引き上げる確率は15%と、1カ月前の48%から低下した。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続落。ドルの上昇を背景に代替投資と しての金への売りが継続し、3カ月ぶり安値まで下げた。

ユーロはドルに対して8カ月ぶり安値まで下落。ギリシャやスペ イン、ポルトガルの財政赤字をめぐる懸念を背景に、ユーロ売りが広 がった。金は週間ベースで4週連続で下げ、過去10週間で9度目の 下落となった。

ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニアマーケ ット・ストラテジスト、トム・シュウィアー氏は、「ドル上昇の勢い は増すばかりだ。金は投資家が再び持ち高を積み増すまでには、さら に20-40ドル下げる可能性がある」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比10.20ドル(1%)安の1オンス=1052.80ドル で取引を終了した。一時は昨年11月2日以来の安値となる

1044.50ドルまで下げた。週間ベースでは2.9%安。過去1年の 上昇率は15%に縮小した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は7週間ぶり安値に落ち込んだ。欧州の財 政赤字が域内経済の成長を阻害する恐れがあるとの見方が、商品の売 りにつながった。

原油は一時5%下落。ギリシャやスペイン、ポルトガルの財政赤 字をめぐる懸念を背景に、ユーロがドルに対して8カ月ぶり安値まで 下げたことが手掛かりとなった。原油はまた、テクニカル面で売りの シグナルとして注目される複数の支持線を割り込んだことで売りが加 速した。

パラマウント・オプションズ(ニューヨーク)のレイモンド・カ ーボーン社長は、「ドルの動きを注視している。ユーロ圏で今後、原 油需要が顕著に縮小すれば、世界的に影響が広がりかねない」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比1.95ドル(2.67%)安の1バレル=71.19ドルで取引を終了 した。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は3日続落。週間ベースでは11カ月ぶりの大幅な 下落となった。ギリシャやポルトガル、スペインによる財政赤字で欧 州の景気回復は打撃を受けるとの懸念が強まった。

インターバンク・ブローカー最大手の英ICAPは14カ月ぶり の大幅安。同社による利益見通しの下方修正が嫌気された。英・豪系 鉱山大手のBHPビリトンとリオ・ティントは売りを浴び、他の商品 関連株も下げた。金属価格の値下がりが背景。

ダウ欧州600指数は前日比2.2%安の237.46で引けた。週 間ベースでは3.9%下落。週間での下げは4週連続。

カムジェスション(パリ)のファンドマネジャー、ブルーノ・デ ュクロ氏は「スペインやポルトガルなどに関する不安がなお根強く、 相場への重しになっている」と指摘。「これは経済の根本的な問題で あり、24時間で解決されるものではない」と述べた。

5日の西欧市場では、ギリシャのASE指数が3.7%安と18 カ国の主要株価指数の下落率トップ。ダウ・ユーロ50種指数は前日 比2.8%安、ダウ・欧州50種指数は2.1%値下がり。

ICAPが安い

ICAPは08年9月以来で最大の19%安。他の金融株にも売 りが出され、金融株指数はダウ欧州600指数のセクター別19業種 中の下落率トップ。

BHPビリトンは1.6%安、リオ・ティントは1.9%値下がり。 ロンドンの銅相場は3日続落し、週間ベースでも4週連続で下げた。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ国債相場が上昇。独2年債利回りは過去最 低を記録した。一部の欧州諸国の財政赤字への懸念が強まったほか、 経済データで回復がまだ本格化していないことが示された。

ドイツの昨年12月の鉱工業生産が予想に反して縮小したことを 受け、欧州の主要株式相場は軒並み下落した。また、スペイン銀行 (中央銀行)の発表によれば、同国経済は2009年10-12月(四 半期)に連続7四半期目のマイナス成長となった。こうした材料を受 け、独10年債利回りは約3カ月ぶり低水準を付けた。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏は、「株式が下落し、不安定な状況が高まりつつ ある状況は、欧州主要国の国債にプラスとなっている」と述べ、財政 赤字対策に関する「ギリシャへの信頼で隔たりがあり、市場は措置が 実行される明らかな兆候を待ち望んでいる」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時45分現在、独2年債利回りは前日比8ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し0.98%。これは ブルームバーグがデータ集計を開始した1990年以来の最低水準。 同国債(表面利率1.25%、2011年12月償還)価格は前日比

0.15ポイント上げ100.49。独10年債利回りは4bp下げ

3.12%。同国債は週間ベースでは5週連続高となった。

一方、ユーロ圏周辺国の国債も上昇した。ギリシャ10年債利回 りは前日比3bp低下の6.65%、ポルトガル10年債利回りは7b p低下し4.67%。スペイン10年債の利回りは1bp下げ4.12% となった。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。10年債利回りは週間ベースで4週連続の低 下となった。

同利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の3.88%となった。2年債利回りは1.13%と、前 日を3bp下回った。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチがまとめた国債 指数によると、英国債の前日までの年初来のリターン(投資収益率) はプラス0.9%。これに対しドイツ債と米国債はいずれもプラス

1.6%だった。

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