NY外為(5日):ユーロ続落、対円では1年ぶり安値

ニューヨーク外国為替市場では ユーロが続落。円に対してはほぼ1年ぶり、対ドルでは8カ月ぶり の安値となった。ギリシャなど一部の欧州諸国が抱える財政赤字は 域内経済の成長の重荷になるとの懸念が高まった。

ドルは主要16通貨中14通貨に対して上昇した。1月の米雇用 統計で、非農業部門の雇用者数が予想に反して前月比で減少。一方、 失業率は9.7%に低下した。スイス・フランはユーロに対して15カ 月ぶりの高値水準から値下がり。スイス国立銀行(SNB、中央銀 行)がフラン上昇の抑制に向け同通貨の売り介入を実施したとの観 測が広がった。

MFグローバルのアナリスト、ジェシカ・ホバーセン氏(シカ ゴ在勤)は「ギリシャの問題が明るみになり、市場はほかにも財政 不安はないか血眼になって探している」と指摘。「既に不安が強い ところに、欧州の債券市場など一連の悪いニュースが押し寄せた」 と述べた。

ニューヨーク時間午後3時57分現在、ユーロは対ドルで3日続 落し、前日比0.5%安の1ユーロ=1.3661ドル(前日は同1.3723ド ル)。一時は同1.3595ドルと、09年5月20日以来の安値となった。 ユーロは対円で0.1%安の1ユーロ=122円12銭と、09年2月24日 以来の安値。前日は3.4%下落した。ドルは対円で0.4%高の1ドル =89円40銭(前日は同89円5銭)。

ユーロはドルと円に対して週間ベースでは4週連続の下落。ギ リシャやポルトガル、スペインなどのソブリンリスクを背景に、金 融政策当局が政策金利を記録的な低水準で据え置くとの見方が強ま っている。ユーロは対ドルで週間では1.9%安、対円では3.2%値下 がり。

波及の観測

ドイツ銀行の為替ストラテジスト、ヘンリック・グルベリ氏 (ロンドン在勤)は、「ギリシャには何らかの形での支援が必要で あり、これこそ市場が求めているものかもしれない」と指摘。「こ の問題がさらに波及し、対策に一段とコストがかかるというリスク がある。問題解決に至るまで不確実性は消えず、引き続きユーロへ の重しになるだろう」と述べた。

欧州中央銀行(ECB)は前日、政策金利を過去最低水準の 1%に据え置いた。ECBのトリシェ総裁は利上げを急いでいない ことを示唆した。同総裁はまた、ユーロ圏経済は強固であり、今年 の域内の財政赤字は日本や米国よりも小幅にとどまる公算が大きい との認識を示した。

モルガン・スタンレーは、ドルに対するユーロの先安を見込ん だ取引を勧めた。同社はユーロ相場の年末までの見通しを1ユーロ =1.24ドルとし、従来の同1.32ドルからユーロ安へ修正した。

「内部のゆがみ」

同社は前日配布した電子メールのリポートで「ユーロ圏内のゆ がみによりユーロの下振れリスクが大きくなった」と記述した。

将来の相場の変動率の予想を示す1カ月物のユーロ・ドル・オ プションのインプライド・ボラティリティ(IV、予想変動率)は

12.4%と、3カ月ぶりの高水準に上昇した。前日は11.5%だった。 1カ月物のユーロ・円オプションのIVは一時15.8%に上昇し、過 去2カ月余りで最も高い水準となった。

米労働省が発表した1月の雇用統計によると、事業所調査に基 づく非農業部門雇用者数(季節調整済み)は予想に反して前月比2 万人減少した。建設業や州・地方政府での落ち込みが響いた。ブル ームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値では1 万5000人増が見込まれていた。一方、家計調査に基づく失業率は

9.7%に低下した。

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