米国債(5日):上昇、欧州債務懸念や米雇用者減少で

米国債相場は上昇。2年債利回り は2カ月ぶりの水準に低下した。欧州での債務懸念のほか、米雇用者 数減少が米景気回復の遅れを示唆しているとの見方から、米国債の安 全性を求める動きが広がった。

米労働省が5日に発表した1月の雇用統計によると、事業所調査 に基づく非農業部門雇用者数(季節調整済み)は前月比2万人減少。 家計調査に基づく失業率は前月の10%から9.7%に低下した。ギリ シャやポルトガル、スペインなどのソブリンリスクが欧州の景気回復 の妨げになるとの見方が強まっている。

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で政府債トレーデ ィング責任者を務めるマーティン・ミッチェル氏は、「欧州での債務 懸念やこの問題が域内の他国に広がるとの懸念が、米国債を押し上げ ている」と分析。「またこれは、債券以外の市場でも週末を控えたリ スク回避の動きにつながっている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時28分現在、2年債利回りは前日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の0.77%。一時0.72%と、 昨年12月9日以来の低水準を付けた。週間ベースでは5bp低下 となった。同年債(表面利率0.875%、2012年1月償還)価格は 前日比2/32上げて100 7/32。

10年債利回りは4bp低下の3.57%。週間では2bp低下だ った。この日は一時3.53%と、昨年12月21日以来の低水準を付け た。2年債と10年債の利回り格差は2.80ポイント。1月11日には 過去最大の2.90ポイントまで拡大した。

午後発表された米消費者信用残高の減少幅が市場予想を下回っ たことで株式相場が上昇に転じたことから、米国債は上げ幅を縮めた。

ギリシャ、ポルトガル

ICAP(ニュージャージー州ジャージーシティー)のブローカ ー、ポール・ホーマン氏は「ギリシャに関するごたごたを考えると、 週末は米国債を保有するのが安全なようだ」と指摘。「市場は弱気に なっており、リスクを取る動きは見られない」と述べた。

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、欧州企 業の社債保証コストが上昇。マークイットiTraxx欧州指数のス プレッドは4カ月ぶり高水準を付けた。

「しばらく先」

1月の米雇用統計に関しては、非農業部門雇用者数の減少は市場 の予想外の結果だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト予想の中央値では、非農業部門雇用者数は前月比1万5000 人増と見込まれていた。また12月は15万人減と、速報値(8万 5000人減)から下方修正された。

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責 任者、ケビン・ギディス氏は顧客向けリポートで、「失業率は低下し たものの、雇用統計は経済成長への懸念を和らげる内容ではなかった」 と指摘。「最善のシナリオでも、真の雇用回復はまだしばらく先のよ うだ」と記した。

失業率は低下したものの、利上げ機運はまだ高まっていない。ブ ルームバーグのエコノミスト調査によれば、2010年の後半まで利上 げはないと見込まれている。

金利先物相場の動向によれば、FOMCが6月の会合までに政策 金利を引き上げる確率は15%と、1カ月前の48%から低下した。

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