中国経済スローダウンか、日本の長期金利1%前半-富国生命投資顧問

【記者:赤間信行 関泰彦】

2月5日(ブルームバーグ):富国生命投資顧問の桜井祐記社長は、 中国はリーマン・ショック後にいち早く回復歩調をたどったが、世界 経済の回復が鈍い中では決して盤石ではないと述べた。年明け以降に は中国経済が減速するとの見通しの下、日本の長期金利も引き続き 1%台前半を中心に安定するとの見方を示した。

桜井氏は4日のブルームバーグとのインタビューで、中国経済は 政府の支援がある分だけ他国より相対的には強いとしながらも、昨年 後半の高い成長率を維持するのは厳しく年率換算で8%前後に落ち着 くと予想。その上で、「中国経済は足元では決してバブルを心配する段 階にはなく、利上げや人民元の切り上げが今後あるにしても非常にゆ っくりしたペースとなる」としている。

実際、桜井氏は中国金融当局による貸し付け規制に伴って、今年 1-3月期、4-6月期の経済成長はスローダウンするとみており、 仮に利上げや通貨切り上げを急ぐようなことがあれば悪影響が及び、 ひいては今年の世界経済に暗雲をもたらすと懸念する。

中国人民銀行(中央銀行)は1月12日に市中銀行の預金準備率を 50ベーシスポイント(bp)上げており、市場では今後も流動性とイン フレ期待を抑制するため追加的な引き上げに踏み切るとの見方がある。 一方、中国の昨年10-12月期の国内総生産(GDP)は前年同期比

10.7%増加して市場予想を上回った。2008年9月の米リーマン・ブラ ザーズ・ホールディングスの経営破たんを受けて、一時は同6.2%増 まで減速していた。

日本の長期金利は1.2-1.6%

日本の長期金利について夏場くらいまで見渡した場合、新発10 年国債利回りは1.2%-1.6%程度のレンジを形成すると予想する。世 界経済のけん引役である中国の成長ペースが鈍化することは、外需に 依存する日本経済にとっての阻害要因になる。桜井氏は、「参院選を前 に国債増発が意識されれば1.5%台に上昇することもあるだろうが、 中国経済が想定ほど良くなければ国債を買わざるを得ない」という。

また、米国は金融機関に対する規制を強化する方針を示しており、 こうした動きがヘッジファンドやプライベートエクイティ(PE、未 公開株)、デリバティブへの投資を抑制する公算が大きい。桜井氏は、 「投資資金は一時的に現金にシフトした後は、世界的に国債が選好さ れる傾向が強まり、株式であれば一部のブルーチップ銘柄が買われる のではないか」と予想する。

さらに、桜井氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策 について、「利上げは早くても11年以降ではないか」と予想。米国で は商業不動産価格の下げが止まらないほか、自動車や住宅販売も盛り 上がっている状況ではなく、金融政策の出口に関する議論は先延ばし になっていくだろうといい、そうであれば米金利上昇に起因する日本 の金利上振れへの懸念は高まらないとみる。

新発10年債利回りは、昨年6月11日に1.56%まで上昇して今年 度の最高水準をつけ、夏場以降はおおむね1.25%-1.45%のレンジ取 引が続いた。昨年12月1日には一時1.2%台を割り込んだが、その後 は1.3%を中心にもみ合いとなっている。

富国生命投資顧問は富国生命保険の子会社で、09年12月末時点 での運用契約受託残高は6813億円。

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