米当局、新ブレーキ技術搭載を全メーカーに要求も-トヨタ問題で

米規制当局は、今後発売される すべての車について、スピードが突然、急激に出るのを防ぐブレー キ技術の搭載を命じる可能性がある。トヨタ自動車が、運転者の意 図と無関係に車が加速する恐れがある問題で、同国で560万台のリ コール(無料の回収・修理)を実施することがきっかけだ。

車のアクセルとブレーキを両方踏まれた場合、アクセルが緩む 機能の「ブレーキ・オーバーライド・システム」は現在、新型モデ ルの多くに搭載されている。このシステムは加速制御にケーブルで なくコンピューターを使う。トヨタは、アクセルペダルがフロアマ ットに引っ掛かる恐れがある問題で昨年9月29日にリコールを発表 した後、その対策として大半の車に同システムを導入していること を先月明らかにした。

ジョン・クレイブルック元米道路交通安全局(NHTSA)局 長は、「疑う余地はない。この問題への対応として、ブレーキ・オ ーバーライド・システム搭載が義務付けられるだろう」と述べた。

政府当局はこれまでも、車に危険な欠陥があることが判明した 事故に対応して安全規定を拡充してきており、今回もそこに新たな 規制を加えるとみられる。燃料タンクやギアシフトなどの改良はす べて、1970年代以降の米連邦政府による義務付けから始まった。

バークレイズのアナリスト、ブライアン・ジョンソン氏(シカ ゴ在勤)も、「意図とは無関係な加速を防ぐ何らかの安全システム」 の導入が求められる可能性を指摘した。同氏は、ブレーキ関連のソ フトウエアの更新には、車1台当たり25-50ドル(約2240-4480 円)かかると試算。規制当局が新技術の搭載を強制した場合は、費 用が同50-150ドルに膨らむとの見通しを示した。

NHTSAのカレン・アルダナ報道官からのコメントは得られ ていない。

次に想定される規制

ブレーキ・オーバーライド・システムは、電子制御スロットル 技術とともに作動するもので80年代後半に登場。2012年に施行され る安全規定への対応を急ぐ自動車業界の標準技術となりつつある。 米ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターは一部モデ ルに、クライスラー・グループは電子制御スロットルを装備した全 車種にこの技術を搭載。韓国ヒュンダイモーターカンパニー(現代 自動車)や日産自動車、独ダイムラー傘下のメルセデスベンツ部門 なども同技術を取り入れている。ホンダは搭載していないとしてい る。

IHSグローバル・インサイトのアナリスト、ジョン・ウォル コノウィッツ氏は、ごく最近の技術革新例では、タイヤの空気圧が 減っていることを運転者に知らせるモニターの設置などがあると説 明。

クレイブルック氏は、今回のトヨタのリコール問題により、米 政府が安全上の欠陥に迅速に対応しない企業への刑事処分を検討す る可能性があると指摘。一部の法令違反については、罰金の上限 1640万ドルを1億ドル以上に引き上げる公算もあると述べた。

JDパワー・アンド・アソシエーツの動力系担当アナリスト、 マイケル・オモトショ氏は、意図と無関係に加速した場合の停車方 法を運転者に知らせる警告ラベルが、応急処置として考えられると した。

同氏は、「運転者が車を直接制御する部分がますます奪われて おり、われわれを助けるはずの技術を前に無力感が高まっている。 すべてが作動するよう祈るしかない」と述べた。

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