日本株は今年安値、全銘柄の9割下げる-欧州財政問題発の円高警戒

週末の日本株相場は大幅続落し、日 経平均株価、TOPIXとも今年の安値。欧州の財政リスクを背景にし た円の先高観、米雇用情勢の不透明さなどを受けて、電機や自動車、化 学、機械など輸出関連株を中心に幅広く売られた。東証1部の業種別 33指数はすべて安く、上場銘柄の約9割が下げた。

日経平均株価の終値は前日比298円89銭(2.9%)安の1万57円 9銭。TOPIXは同19.31ポイント(2.1%)安の891.78。

ユナイテッド投信投資顧問の井上淳最高投資責任者(CIO)は、 「世界景気の上振れ期待で年初から上昇してきたが、ここに来て外部環 境に悪材料が相次いでいる」と指摘。ギリシャの財政問題、米国の新金 融規制案など「長期化する可能性が高い問題ばかりで、マーケットは簡 単に片付くことは不可能と受け止め始めている」と話した。

東京市場は、取引開始直後から売り優勢。日経平均は一時300円以 上下げ、昨年12月18日以来の安値水準を付けた。東証1部の騰落銘柄 は値下がりが1506と、値上がりの131を大きく上回り、全体の約9割 が下落した。米国時間5日の米雇用統計の発表を控えて様子見姿勢が強 い中、相場を襲ったのが欧州の財政問題だ。

「われわれはギリシャ政府が目標を達成するためのあらゆる決断を 下すと予想し、確信している」――。4日に開催された欧州中央銀行 (ECB)政策決定会合後、トリシェ総裁は会見し、ギリシャが財政赤 字を削減するために必要な措置を取ると表明した。

強い不安心理、欧州CDS示す

しかし、4日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場 では、ポルトガル債とギリシャ債を中心に国債保証コストが上昇、市場 の不安感の強さを表した。「一度失った信認はそう簡単には戻らない」 と、ユナイテッド投信の井上氏は足元の投資家の心理状態を口にする。 日産センチュリー証券の菊池由文ディーリング部長も、「今年の最大の リスクは世界の国債市場だ。金融危機後、裏付けもないのに紙切れを大 量に印刷したばかりに、相場にとってリスク」と見る。

為替市場ではユーロが下げ止まらず、前日のニューヨーク時間には 一時1ユーロ=121円59銭と、昨年2月24日以来の円高値を記録した。 相対的に円が強い展開となり、ドル・円相場も一時1ドル=88円56銭 と、昨年12月14日以来の円高水準まで急伸した。東京時間では対ユー ロ、対ドルともにやや円安方向に戻したが、長期化観測の広がる欧州の 財政問題を背景に、円の先高観はぬぐえない。

欧州の財政リスクに加え、米雇用情勢の不透明感も強まった。米労 働省が4日発表した前週1週間の新規失業保険申請件数は48万件と7 週ぶりの高水準で、3日に民間調査会社が発表した雇用関連統計を受け、 醸成されていた雇用回復への期待感は冷やされた。5日発表予定の米雇 用統計は純増幅が過去2年間で最大になると予想されるが、日興コー ディアル証券エクイティ部の西広市部長は、「楽観ムードは後退してい る」と話している。

円高や欧州、米国株式の急落、米雇用の現状を嫌気し、TOPIX の下落寄与度上位に電気機器、輸送用機器、機械、化学が入るなど輸出 関連株が下落。投資家のリスク志向の縮小で、ニューヨーク原油先物相 場が5%安となるなど、海外商品相場が軒並み急落した影響から、大手 商社、海運、非鉄金属株も売られた。東証1部市場の売買代金は1兆 7508億円と、売り圧力の増大を映して今週で1番多かった。

フジメHDは10年ぶり下落率

個別では、DVD販売の落ち込みで、10年3月期の連結営業利益 予想を前期比81%減に下方修正したフジ・メディア・ホールディング スが急落し、東証1部の下落率1位。日中下落率は約10年ぶりの高さ を記録した。携帯電話関連事業で単価下落が進み、09年4-12月の連 結純利益が前年同期比40%減となった日本写真印刷が大幅続落。

海外受注の回復が遅れ、10年3月期の業績予想を下方修正したオ リジン電気が急落。モバイル事業の低迷で09年10-12月期の連結営業 利益が前年同期比11%減のドワンゴも大幅安となった。設備投資の低 迷からエレクトロニクス事業が悪化し、09年4-12月期の連結営業損 益が7億800万円の赤字となったタカノも大幅反落。

半面、大型スポットの受注好調が09年4-12月期の決算で確認さ れたもしもしホットライン、マンション販売が好調で10年3月期の連 結業績予想を上方修正したフージャースコーポレーションが3日ぶりに 急反発。自動車の補修向け電池販売が好調で10年3月期の連結純利益 が従来予想から約5割上振れする見通しとなった古河電池が急伸。

新興3市場も軒並み下落

国内の新興3市場も軒並み下落。ジャスダック指数は前日比1.4% 安の50.22、東証マザーズ指数は同2.4%安の397.60、大証ヘラクレス 指数は同2.3%安の558.26。

個別では、三菱UFJ証券が投資判断を「3(市場平均並み)」か ら「4(アンダーパフォーム)」に引き下げたサイバーエージェントが 3日続落。10年3月期は最終赤字に転落する見通しとなった日本通信 がストップ安配分。半面、09年10-12月期の営業損益が黒字に転換し たアクセルマークが大幅続伸。

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