債券先物が7日ぶり上昇、欧州財政懸念で米債高・株安-雇用統計待ち

債券先物相場が7営業日ぶりに上昇 (利回りは低下)。前日の米国市場で、雇用指標の悪化や欧州財政懸念 を背景にリスク回避の動きが強まり、株安・債券高となった流れを継 続。国内株が大幅続落し、先物中心に買いが優勢だった。もっとも、 買い一巡後は上昇幅を縮めた。

三菱東京UFJ銀行の中山憲一円貨資金証券部副部長は、きょう の債券相場の推移について、朝方は買いが先行したが、今晩に米雇用 統計の発表を控えて買いが続かなかったと述べた。

東京先物市場の中心限月3月物は7営業日ぶりに反発。前日比44 銭高の139円24銭で始まった後、すぐに49銭高の139円29銭と3日 ぶりの水準に上昇した。しかし、その後は上値の重い展開となり、一 時は4銭高の138円84銭まで伸び悩んだが、結局は13銭高の138円 93銭で終了した。

3月物は1月28日から前日まで6日連続で下落しており、この間 の終値での下落幅は70銭超となり、朝方は株安のほか、反動の買いも 入ったもようだ。損保ジャパン・グローバル運用部債券運用の砺波政 明第1グループリーダーは、午前の相場上昇について、「世界的に株価 が急落して債券に資金が流れやすい。円債相場は、米雇用統計を控え てポジション(持ち高)調整の売りが出て、買いが入りやすい水準に なっていた」と述べた。

米債高・株安

4日の米国市場では、失業保険申請件数の増加やギリシャ、スペ イン、ポルトガルなど一部の欧州連合(EU)加盟国の財政赤字をめ ぐる不安が強まり、「質への逃避」の動きで、米債相場が上昇。2年債 利回りは一時、9bp低い0.79%と昨年12月以降で最大の低下となっ た。一方、米株式相場は急落した。この日の国内株式市場では日経平 均株価は大幅続落。一時は300円超の大幅安となった。

債券相場が朝高後に上値が重くなった要因として、三菱東京UF J銀の中山氏は、日本国債の長期的な需給悪化懸念や世界的に生産関 連指標が好転していることなどを挙げた。シュローダー証券投信投資 顧問運用部の塚谷厳治債券チームヘッドは、「海外勢の売り圧力が上値 を抑えているのではないか」と説明した。

一方、ブルームバーグ・ニュースの調査によると、1月の米雇用 統計で非農業部門雇用者数は前月比1万5000人増加が予想されてい る。昨年12月は同8万5000人減少だった。

10年債利回りは一時1.35%

現物債市場で、長期金利の指標とされる新発10年物の305回債利 回りは、前日比2.5ベーシスポイント(bp)低い1.35%で取引を開始。 前日に約3カ月ぶりの高水準1.38%まで上昇したことで買いが入っ た。その後は0.5bp低い1.37%まで低下幅を縮小した。午後4時32 分現在では1bp低い1.365%で推移している。

三井住友アセットマネジメント国内債券運用グループアクティブ チームの永見哲チーフによると、「海外市場の動きを受けて、予想通り 買い先行で始まったが、投資家の動きは鈍い」という。また、「米リー マン・ショック後の財政悪化は世界共通だが、これまで良かった欧州 で、ギリシャ、ポルトガル、スペインのソブリンリスクが意識されて いる。日本も財政が悪いことは同じだが、国内で国債を消化できると みられている面もある」と説明した。

財務省が2010年度予算案の参考資料として4日に国会に提出し た「10年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」によると、2011 年度の新規国債発行額は51.3兆円と当初ベースで初めて50兆円の大 台に乗せる見通し。

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