ソニー株は上昇トレンド入りか、通期赤字額は縮小へ-固定費削減で

ソニーの株価は上昇しそうだ。構造 改革などによる固定費削減が想定以上に進み、今期(2010年3月期) の連結最終赤字が従来予想より縮小する見通しとなった。第3四半期 (10-12月期)は4四半期ぶりに最終黒字に転じた。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、これまでなかなか進んで こなかった構造改革が「ある程度うまくいっている」という印象を受け ていると言い、ソニーの株価は「一気に上がる状況ではないが、上昇方 向と考えている」と述べた。相場状況としてもソニーのような日本を代 表する銘柄に外国人の買いが入りやすいという。

ソニーは4日、今期の純損益予想は700億円の赤字に上方修正した。 従来予想からは250億円の赤字縮小。営業損益も300億円の赤字と従来 予想の半分に赤字を圧縮できる見込み。

今期は約2万人に上る人員削減や製造拠点の再編などで3300億円 の固定費削減を計画。会見した大根田伸行最高財務責任者(CFO)は 「順調に進ちょくしている」と述べた。昨年12月時点で57あった製造 拠点は今期末までに46に統廃合する予定としており、拠点数の減少は 想定していた5~6拠点のほぼ倍となっている。

来期(11年3月期)までに部品や素材の調達先を約2500社から1200 社まで減らす計画についても、大根田氏は「現在1300社まで集約する 具体的なロードマップが描けている」と言い、調達コストを前期比約 20%減の5000億円減らす目標も「ほぼ達成にめどが立った」と語った。

人員削減などのリストラ効果や在庫管理が寄与し、10-12月期の 連結営業損益は1461億円の黒字と5四半期ぶりの黒字となった。赤字 が続いていたテレビ事業が70億円の黒字と8四半期ぶり、ゲームが150 億円の黒字と4四半期ぶりにそれぞれ黒字転換した。金融や音楽、映画 など全事業でも損益が改善した。

先行きは不透明

ただ製品の価格下落や部品の価格上昇など先行きに対する不透明 要因は多い。10-12月期はテレビの価格下落が想定より小さかったが、 大根田氏は「1-3月期は反動が出ることも考えられ、油断できない」 とし、テレビは今四半期に再び営業赤字に転落する見通し。10-12月 期は好調だったパソコンも半導体フラッシュメモリーなど部品価格上 昇が懸念されるなど、収益環境は前年同期より厳しくなるとみている。

りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは「第3四半 期はテレビが想像以上の好調で黒字化した点は評価したい」としながら も、「来期に向けて好調が続くのか、韓国や台湾勢に対抗していけるの か、半信半疑」と話した。

ソニーの株価については、すでに第3四半期の好業績を織り込んで 上昇しており、「新たな買いにつながるような相場全体の盛り上がりも ない」と指摘。今回の決算は「売り材料とは思わないし、買い材料であ ることは否定しない。買われても不自然ではないが、大きく値を上げる ような状況ではないだろう」と話していた。

-- 共同取材:安真理子 Editors:Chiaki Mochizuki、

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Mariko Yasu

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