ECB総裁、投資家の理解得るのに苦戦-ユーロ圏の堅実性について

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ 総裁は、ギリシャの財政問題の責任をユーロ圏に負わせるべきではな いと投資家を説得するのに苦戦している。

ギリシャ政府が過去最高水準に達した財政赤字の抑制に取り組み、 同国の債券相場が下落する中、トリシェ総裁は4日、ユーロ圏経済は 強固であり、今年の域内の財政赤字は米国や日本より小幅にとどまる 公算が大きいとの認識を示した。それにもかかわらずユーロはドルに 対して0.5ユーロセント超下落。ギリシャと同様の問題を抱えている との懸念から、スペインとポルトガルの株式相場も値下がりした。

イグニス・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、スチ ュアート・トムソン氏は、トリシェ総裁の発言は「納得できなかった」 と言明。「総裁はギリシャとスペイン、ポルトガル経済が3年後にどう なると考えているのだろう。3カ国が取る緊縮財政措置はユーロ圏全 体の重しになる」との見通しを示した。

トリシェ総裁は、ユーロの存続を疑う見方を否定するのに躍起だ。 投資家の間には、ギリシャが12.7%に達した財政赤字の対国内総生産 (GDP)比率を、欧州連合(EU)が上限とする3%以下に引き下 げられるかどうか疑問視する声が多い。懸念がスペインやポルトガル の赤字拡大にも広がる中、トリシェ総裁は財政規律の実現可能性に対 する懐疑的な見方をけん制しつつ、その必要性を強調する取り組みを 続けることになる。

BNPパリバのマーケットエコノミクス部門責任者、ポール・モ ーティマーリー氏(ロンドン)は「信頼回復のためには何かが起きる 必要がある」と指摘。「市場には不信感が強い。状況が好転する前に一 段と悪化するかもしれない」との見方を示した。

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