米国債:上昇、欧州債務懸念で-30年債利回りが急低下

米国債相場は上昇。欧州の一部 の国について財政赤字への対応が困難になるとの懸念が広がり、世 界的に株価が下落。米国債の安全性を求める動きが広がった。30年債 利回りは4カ月で最大の低下となった。

2年債と10年債の利回りは昨年12月以来の大幅低下。4日発 表された新規失業保険申請件数は市場予想に反し増加。また第4四半 期の非農業部門労働生産性指数の伸びは予想を下回った。また投資家 の間では、債務懸念からポルトガルなど多額の財政赤字を抱える一部 欧州連合(EU)加盟国の債券を避ける動きが広がった。

三菱UFJフィナンシャル・グループのシニア米国債トレーダ ー、トム・ロス氏は「欧州の状況を受けた質への逃避だ」と指摘。 「リスク資産を避け、米国債の安全性を求める動きが広がった」と 述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時半現在、30年債利回りは10ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)低下の4.54%。一時12bp低下の

4.52%と、昨年10月1日以来の大幅な下げとなった。同年債(表 面利率4.375%、2039年11月償還)価格は、1 1/2上げて、 97 1/4。

2年債利回りは一時9bp低下の0.79%と、昨年12月17日 以降で最大の下げとなった。10年債利回りは一時12bp低下し

3.58%。これも12月17日以来の大幅な下げ。

2年債と10年債の利回り格差は2.80ポイント。先月11日 には過去最大の2.90ポイントとなった。

「財政難」

ポルトガル国債は3日続落。10年物のドイツ国債に対する上乗せ 利回りは昨年4月以降で最高となった。ギリシャ10年債は過去2カ月 で大幅に下げ、利回りは7%を超えた。これは1999年以来の高水準。

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で政府債トレーディ ング責任者を務めるマーティン・ミッチェル氏は、顧客向けリポート で、「市場はポルトガルやアイルランド、ギリシャ、スペインが直面す る財政問題を見失ってはいけない」と指摘した。

ギリシャでは国内最大の労働組合が今月2回目となる大規模なス トライキ実施を承認し、税務署員は48時間ストに突入した。パパン ドレウ首相率いる全ギリシャ社会主義運動(PASOK)は議会で過 半数を占めているが、欧州連合(EU)最大の財政赤字を削減する計 画の実行が危ぶまれている。

株式市場ではS&P500種株価指数が3.1%安。MSCI世界 指数は2.8%下げた。

「厳しい状況」

米労働省が4日に発表した1月30日に終わった1週間の新規 失業保険申請件数(季節調整済み)は48万件と、前週の47万 2000件(速報値47万件)から8000件増加。7週間ぶりの高水 準となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 の中央値では45万5000件への減少が見込まれていた。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーダー、ダン・マル ホランド氏は「経済が厳しい状況を抜け出していないとの考えが広がっ ている。景気回復には予想よりも多少長く時間がかかるだろう」と 述べた。

米労働省が発表した2009年第4四半期の非農業部門労働生産 性指数(速報値)は前期比年率6.2%上昇した。ブルームバーグが まとめたエコノミスト予想中央値は6.5%の上昇だった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE