今日の国内市況:株式反落、長期金利は1.3%後半-円は90円台後半

日本株相場は反落。大規模リコール (回収・無償修理)問題で揺れるトヨタ自動車が売買を伴って大幅続 落。フタバ産業やトヨタ紡織など、トヨタに関連する部品メーカーが 東証1部の下落率上位に並んだ。三菱UFJフィナンシャル・グルー プや野村ホールディングスなど金融株も下げた。

日経平均株価終値は前日比48円35銭(0.5%)安の1万355円 98銭。TOPIXは同4.59ポイント(0.5%)安の911.09。

この日の東京市場は上昇して始まったものの、徐々に下値を切り 下げ、午後の取引で日経平均は一時100円以上下げた。ギリシャの財 政問題を抱えた欧州中央銀行(ECB)の会合、米雇用統計の発表な ど、世界の投資マネーの動きに影響を与えそうな重要日程を控えて様 子見気分が広がる中、トヨタとその関連銘柄の急落が相場全般に打撃 を与えた。トヨタの売買代金は1836億円と東証1部全体の11%を占 め、売り圧力の集中ぶりがうかがえる。

トヨタは指数寄与度が高く、TOPIXと相対的なパフォーマン スを競う機関投資家を中心に保有する投資家は多い。

ブルームバーク・データによるとトヨタのTOPIXの指数寄与 度は3.7%とトップ。三菱UFJフィナンシャル・グループ(2.9%)、 ホンダ(2.3%)、キヤノン(1.9%)が続く。トヨタの急落で機関投資 家がファンドから同社株を外しているとの思惑が広がった。

アクセルペダルを巡る大規模リコール問題に加え、新たにハイブ リッド車「プリウス」のブレーキ不具合に関する苦情件数の拡大懸念 も浮上した。ゴールドマン・サックス証券は4日、トヨタのリコール 関連費用(1000億円)の発生などを考慮し、10年3月期の連結営業損 益は1500億円の赤字になると予想、投資判断については「買い」から 「中立」に引き下げた。トヨタは、きょうの取引終了後に第3四半期 の決算発表を行った。

トヨタ車需要の今後の落ち込みを警戒する格好で、東証1部の値 下がり率上位にはフタバ産業、トヨタ紡織、関東自動車工業、ジェイ テクト、NOK、小糸製作所、デンソーなどトヨタ関連の自動車部品 メーカーが入った。

このほか、野村ホールディングスなど証券株、三菱UFJフィナ ンシャル・グループなど銀行株といった金融株も下落。2009年10-12 月期決算がアナリスト予想を下回ったシャープを中心に電機株も下げ、 商社や非鉄金属など資源関連業種も終日軟調に推移した。

東証1部の業種別33指数は18業種が下落、15が上昇。東証1部 の騰落状況は値下がり銘柄数が710、値上がりは816。

個別では、金属チタン需要の低迷などで、09年4-12月期の連結 営業損益が赤字だった東邦チタニウムが3日ぶりに急反落。JPモル ガン証券が4日付で、投資判断を「オーバーウエート」から「中立」 に下げた船井電機、保守工事の減少で10年3月期の業績予想を減額し た新興プランテックが大幅安。09年10-12月期の連結売上高が前年 同期比8.6%減となったOKI、10年3月期の業績予想を増額修正し たが想定の範囲内だったイビデンも売られた。

半面、電気・ガス、食品といった景気変動の影響を受けにくいデ ィフェンシブ株、不動産や小売株が買われて相場を支えた。コスト削 減効果や、想定為替レートを円安に見直し、10年3月期の連結純利益 予想を従来予想から71%上方修正したホンダが3連騰。メリルリンチ 日本証券が投資判断を上げた信越ポリマーが4カ月ぶり高値。野村証 券が強気の判断を示した新神戸電機、前期利益が上振れたもようとな った大和冷機工業、09年10-12月期が5期ぶりに営業黒字化した東 京応化工業も高い。

長期金利は昨年11月以来の高水準

債券市場では長期金利が一時、昨年11月以来の高水準となる

1.38%に上昇(価格は下落)。5日に発表される1月の米雇用統計が強 い内容になるとの観測が強まり、前日の米長期金利が約2週間ぶり高 水準に達したことを受けて、円債市場も売りが優勢となった。

長期金利の指標とされる新発10年物の305回債利回りは、前日比 1ベーシスポイント(bp)高い1.365%で始まった後、いったんは

1.36%に戻した。しかしその後は徐々に水準を切り上げ、午後に入る と2.5bp高い1.38%に上昇し、新発10年債利回りとしては2009年11 月12日以来の高水準をつけた。

3日の米債相場が下落したことが、円債市場で売り材料となった。 米債市場では、民間部門雇用者数の減少幅が予想を下回り、労働省が 5日に発表する非農業部門雇用者数が増加するとの観測が広がった。 米10年債利回りは6bp高い3.71%程度と、1月19日以来の水準に上 昇した。

ブルームバーグ・ニュースの調査によると、1月の米雇用統計で 非農業部門雇用者数は前月比1万5000人増加が予想されている。昨年 12月は同8万5000人減少だった。

9日には30年利付国債の入札を控えて、超長期債相場も軟調とな った。新発30年債利回りは一時1bp高い2.325%、新発20年債利回 りは1bp高い2.165%に上昇した。

東京先物市場の中心限月3月物は6営業日続落。前日比10銭安の 138円97銭と1月21日以来の139円割れで始まった。その後、日経 平均が下げに転じたことを受けて下げ幅を縮め、いったんは2銭安い 139円5銭まで戻した。しかし再び売りが優勢となると、一時は38銭 安の138円69銭まで下落し、1月8日以来の安値をつけた。結局は 27銭安の138円80銭で終えた。

日本銀行の中村清次審議委員は4日、福岡市内で講演し、日銀が 2001年から06年にかけて行った量的緩和政策は「効果は小さかった ように思う」とした上で、デフレを脱却するためには「生産性向上を 反映した中長期的な所得増加期待を高めていくことが肝要」と発言し た。ただ債券相場への影響は限定的となった。

一方、欧州中央銀行(ECB)、英イングランド銀行(BOE)は 4日、金融政策決定内容を発表する。ブルームバーグ・ニュースの調 査ではいずれも政策金利の据え置きが予想されている。

円は小幅上昇、対ドルでは90円台後半

東京外国為替市場では円が小幅上昇。ニュージーランドやオース トラリアの経済指標が予想を下回ったことをきっかけに、対オセアニ ア通貨を中心に円を買い戻す動きが先行し た。

円は対ニュージーランド(NZ)ドルで1NZドル=64円ちょう どを突破し、63円台前半まで上昇。また、欧州の財政不安を背景に円 は対ユーロでも1ユーロ=126円台前半で堅調に推移した。

ニュージーランド統計局が4日発表した同国の昨年10-12月期 の失業率は7.3%と前期の6.5%から上昇し、1999年以来の高水準と なった。指標発表後、NZドルは急落し、対米ドルでは一時、昨年9 月10日以来の安値を付けている。

オーストラリア・ドルも12月の同国小売売上高が予想外の減少と なったことが嫌気され、対円で1豪ドル=79円台へ下落。対米ドルで は約6週間ぶり安値まで売られる場面が見られた。

一方、週末に注目の米雇用統計の発表を控え、全般的に様子見姿 勢が強く、午後にかけてはこう着感の強い相場展開となった。この日 は海外時間に欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行の金融政策 発表が予定されている。

ドル・円相場は1ドル=90円台後半を中心としたもみ合いに終始。 一時は91円台に乗せる場面も見られたが、クロス円(ドル以外の通貨 の対円相場)で円が強含む中、ドルの上値は抑えられた。

ユーロは対ドルで一時、1ユーロ=1.3865ドルまで下落し、週初 に付けた昨年7月8日以来の安値1.3853ドルに接近。ブルームバーグ がまとめたエコノミスト調査によると、ECBはこの日の定例政策委 員会で、政策金利を過去最低水準の1%に据え置くと予想されている。

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