日立:通期純損失予想2100億円に上方修正-自動車向け改善

国内電機最大手、日立製作所は今期 (2010年3月期)連結純損失予想を2100億円に上方修正した。自動車 向けやテレビといった事業の採算改善のほか、構造改革が進んだ。

従来予想の通期損失予想は2300億円だった。同社が4日に東京証 券取引所で発表した決算短信によると、営業利益予想も従来予想比 69%増の1350億円に増額した。ただ民間設備投資などの回復の遅れが 懸念されるとして、売上高予想は従来の8兆7000億円を据え置いた。

ブルームバーグ・データによると、通期業績に関するアナリスト予 想中央値は、純損益が1984億円の赤字で、営業利益は1078億円、売上 高8兆7700億円。修正後の営業利益予想は市場予想を上回っている。

今期予想の変更は2度目。昨年10月の前回修正では、純損益の赤 字額を400億円縮小、営業利益見通しを500億円増額した一方、売上高 を2000億円減額していた。コスト削減進行や自動車向け事業などの採 算改善を加味した半面、売り上げ面では企業による設備投資回復の遅れ への懸念を織り込んでいた。

東証で4日会見した三好崇司副社長は、自動車部品事業の今期の営 業赤字見通しを従来比230億円圧縮して220億円とし、テレビを主体と するAV(音響・映像)事業の損失予想も同 60億円減らし140億円に したと説明。いずれも構造改革費用を差し引いたベースだと付け加えた。 ハードディスクドライブなどでも「市況が戻ってきている」という。

一方で、国内中心の設備投資は来期(11年3月期)の前半までは 厳しいとも指摘した。海外勢とのコスト競争激化も予想されることから、 採算改善に向け構造改革を着実に続ける意向を示した。

追加増資は「考えてない」

昨年末の連結自己資本比率は13.0%。昨年12月に実施した過去最 大3500億円規模の資本増強で、同9月末の10.9%からは改善したもの の三好氏が目標とする20%台には遠い。

同氏は現状では追加の資本増強を「考えていない」と説明。「利益 を稼ぐことで早期に自己資本比率を上げていきたい」と語った。

同時に発表した第3四半期(09年10-12月期)連結純損益は218 億 円の黒字に転換した。不況の最悪期だった前年同期は3710億円の赤字 だった。純損益の黒字転換は6四半期ぶり。

営業損益も145億円の赤字から663億円の黒字に転じた。前年同期 に254億円の赤字だった電力・産業システム部門の損益が236億円の黒 字に転換した点などが目立つ。売上高は同4.5%減の2兆1579億円。

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